太元顕津男の神が高日の宮にやってきてみれば、そこは常磐の松が繁り栄え、庭には白砂、木陰に七色の草花が咲き乱れ、荘厳さ麗しさはたとえるものもないほどであった。
明晴男の神、近見男の神たちが出迎え、駒のくつわを取り、歓迎の歌を歌った。
顕津男の神、如衣比女の神は、大御母の神のはからいでこのような美しい所に留まることができ、喜びの歌を歌った。
目の神は、顕津男の神の来臨によってもたらされる福音の喜びを歌い返した。
顕津男の神は八尋殿に導きいれられる。大御母の神は、この八尋殿は顕津男の神が永遠に鎮まり、如衣比女とみあって国造りをするために建てさせたものだと歌う。
ここに、顕津男の神と如衣比女の神は婚ぎの式を行い、八十年の間、この宮居に鎮まった。