顕津男の神、如衣比女の神は、高照山の滝にて禊をしようと館を出、滝の下にやってきてみると、水音は轟々として千丈の高さから落ちくだり、あたりは滝しぶきの霧で真っ白く、近づきがたい荘厳さであった。
如衣比女の神はその様子に呆然とし、驚きの歌を歌った。顕津男の神は、滝の荘厳さに神の心を見、己を戒める歌を歌った。
大御母の神、明晴の神、近見男の神は両神を追ってやってきた。そして、滝のすばらしさをたたえる歌を歌った。
如衣比女の神、続いて顕津男の神は滝の下に進んで禊をなした。
明晴の神、近見男の神が禊の様子をたたえる歌を歌う間に、顕津男の神は滝壺から出、滝壺の深さから主の神のふかい心をたたえた。また、如衣比女の神も滝壺から浮かび上がり、滝壺の底をくぐって主の神の清き心をたたえる歌を歌った。