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文献名1霊界物語 第73巻 天祥地瑞 子の巻
文献名2第2篇 高照神風よみ(新仮名遣い)たかてるしんぷう
文献名3第22章 御子生みの段〔1853〕よみ(新仮名遣い)みこうみのだん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
顕津男の神は、如衣比女の神と共に朝夕、滝に禊をなし、日を重ねるうちに御子を授かった。御子の名は美玉姫の命と名づけられた。

国魂神の誕生に、紫微天界の諸々の神たちは、高日の宮に集まって来て喜びを表した。八尋殿の庭に踊りの輪を造り、大物主の神が先導して声朗らかに歌えば、神々は手拍子足拍子を取って、喜び踊った。

続いて大御母の神は寿ぎの言霊歌を歌った。顕津男の神は両神の寿ぎの歓び、返歌を歌った。美玉姫の命を国魂神として育んでいく所信を歌った。

如衣比女の神が産屋から出て、御子神誕生の喜びを歌い、最後に明晴の神が祝歌を歌った。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年10月13日(旧08月24日) 口述場所水明閣 筆録者森良仁 校正日 校正場所 初版発行日1933(昭和8)年11月22日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 87頁 修補版 校定版208頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7322
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本文  ここに顕津男の神は、如衣比女の神と共に高照山の下津滝に朝な夕なの禊の業を勤しみ給ひつつ、幾日を重ねて御子生み給ひき。生れませる御子の御名美玉姫の命と名附け奉る。紫微天界の百の神達は御子生れますと聞き給ひてより、高山の伊保理、短山の伊保理を掻き分け、河の瀬を開きて吾遅れじと、高日の宮に神集ひまし、国魂神のいとも安らかに平かに生れませしを喜びて、八尋殿の広庭に踊の輪を造り給ひ、大物主の神は導師となりて高き歌殿に昇らせ給ひ、声朗かに謡ひ給へば、百神達は手拍子足拍子を揃へつつ、歓ぎ喜び狂ひ給ひぬ。
 大物主の神の御歌、
『久方の高天原はいや清く
 限りも知らぬ雲の海
 空照り渡る天津日の
 神の光は隈もなく
 地上を照し給ひつつ
 常磐に開く神の国
 此神国を知らさむと
 主の大神の神言以て
 雄々しく優しく生れませし
 太元顕津男の神は
 月の世界に御霊を止め
 ここに肉身を現して
 西より東に廻りまし
 普く瑞気を天界に
 地上に満たせ給ひつつ
 汐の満干の功績に
 海と陸とは隔てられ
 弥よ美しき神の国
 全く生り出で給ひけり
 主の大神の神言以て
 如衣の比女と見逢ひまし
 睦び親しみ給ひつつ
 初めて貴の姫御子を
 生せ給ふぞ畏けれ
 今日より初めて天界は
 弥明けく楽もしく
 天津大神初めとし
 国津神達八百万
 各も各もに主の神の
 依さしの業を勤しみつ
 千代の礎永久に
 築き給はむ世となりぬ
 紫微天界の真秀良場に
 聳り立ちたる高照の
 山の尾上に紫の
 雲立昇り瑞気湧き
 上中下の滝津瀬は
 夜と昼との差別なく
 ターターターと響くなり
 タカの言霊幸ひて
 ここに芽出度生れませる
 美玉の姫の生ひ先を
 弥幸なれと祈りつつ
 月の象の踊りの輪
 月下に描き祝ぎ奉る
 太元顕津男の神よ
 如衣の比女神今よりは
 一入心を励まされ
 主の大神の神業に
 仕へ奉らせ給へよと
 此の斎場に八百の神
 集ひて祈り奉る
 ああ惟神々々
 天津日は照る月は満つ
 地上百花千花咲く
 高照山の常磐木は
 緑も深く栄えつつ
 滝津瀬の音弥清く
 落ちて流れて世をしめし
 流れて終に滝の海
 深き広きにそそげかし』
と生言霊の音頭に連れて、賑々しく歓ぎ喜び歌ひ踊り給ふ。
 茲に大御母の神は御子生れますを喜び祝ひて、八尋殿の高座の上に現れ、万神の前に言霊歌を宣らせ給ひぬ。其の御歌、
『あめ晴れあめ晴れ国晴れ心晴れにけり
 いづの御霊や瑞御霊
 うしはぎ給ふ此国は
 えらぎ楽しむ神国と
 おさまるべきを百神の
 から囀りに曇り果て
 きよき神霊の顕津男の神を
 くらき心にはからひつ
 けしき神業為す神と
 こころの底も知らずして
 さやぎ廻るぞうたてけれ
 しびの天界造れよと
 すの大神の神宣
 せに負ひ奉り顕津男の神は
 そでに御顔を覆ひつつ
 タカの言霊黙し難く
 ちぢの思ひは深くして
 つつしみ敬ひ誓約まし
 てん界隈なく国を生み
 とことはの神生れませと
 なやみ給ひつ年を経て
 にぎ衣の綾の高天の高照山に
 ぬ羽玉の世を照しつつ
 ね色清しき滝津瀬に
 のぞみて朝夕禊つつ
 はるの花咲く時まちて
 ひろき教の道芝を
 ふみ分け給ふ折もあれ
 へい安無事に比女神の
 ほとを破りて生れまし
 ますます清しき言霊に
 み玉の神の生ひ立を
 む上に喜び給ひつつ
 めの神達に守られて
 ももの実子の実召させつつ
 や尋の殿にかしづきて
 いのちの綱の永かれと
 ゆには(斎場)ゆたかに宣り奉る
 えにしの糸のもつれなく
 よの司神生れまして
 わかき神国弥広に
 ゐづと瑞との神御霊
 うしはぎ給ふ天界に
 ゑらぎ仕ふる世の元の
 をさめ(鎮)と現れしぞ芽出度けれ
 ああ惟神々々
 御霊幸ひ坐しませよ』
 顕津男の神は二柱神の神祝言に対し、歓びのあまり謡はせ給ふ。

『厳の御霊瑞の御霊は睦び合ひ
  美玉の姫は生れましにける

 高照の山の霊気に守られて
  優しき美玉の姫生れませり

 この御子を育て育み天界の
  国魂神と仕へまつらな

 高地秀の宮に仕ふる神司は
  この神生みを如何に見るらむ

 神を生め国魂生めよと賜ひたる
  八十の女神もよしと思はむ

 八十の比女彼方此方におはせども
  御子を生ませる暇だになし

 愛恋の如衣の比女はいや先に
  神の依さしの御子を生ませり

 今日よりは美玉の神を謹みて
  はごくみ仕へ奉らむとすも』

 茲に如衣比女の神は、産屋を立出で給ひ謡ひ給ふ。

『天伝ふ月の御霊の宿りまし
  美玉の姫は生れましにけむ

 背の神に仕へて吾は御子生みぬ
  主の大神の言霊の稜威に

 天津空渡らふ月に照されて
  瑞の御霊の御子生れましぬ

 此の御子や天に昇りて月となり
  土に降りて雨となれかし

 物みなを霑ひ浸しはごくみて
  永久にましませ美玉の姫神

 御子生みて神の依さしの只一つ
  成り遂げ奉りしことの嬉しさ』

 明晴の神は斎場に立ちて今日の慶事を祝し給ふ。
『天津日は照る月は満つ
 四方の山々緑して
 野辺に茂れる五穀
 豊かにつぶらに実りつつ
 常世の春は来りけり
 高照山の神風は
 微妙の音楽かなでつつ
 谷間の木々はダンスして
 今日の慶事を祝ふなり
 上中下の滝津瀬は
 タカの言霊奏上し
 月の賜ひし恵みの露を
 四方の国原悉く
 浸し霑ほし天界は
 いや益々に栄え行く
 時しもあれや神の稜威も弥高き
 高日の宮に仕へます
 顕津男の神如衣比女
 婚ぎ居まして御子生ませ
 美玉の神と名付けます
 其神業の尊さに
 山の尾上や河の瀬を
 分けて百神集ひまし
 此の斎場に月の輪の
 象を造りて歌ひます
 今日の賑ひ例なし
 弥々神世の開け口
 吾等国魂神々は
 御空を拝し土に伏し
 喜び勇み感謝して
 為す事さへも白雲の
 弥高々と仰ぐなり
 ああ惟神々々
 御霊幸ひましませよ』
(昭和八・一〇・一三 旧八・二四 於水明閣 森良仁謹録)
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