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文献名1霊界物語 第74巻 天祥地瑞 丑の巻
文献名2第2篇 真鶴新国よみ(新仮名遣い)まなづるしんこく
文献名3第17章 真言の力(二)〔1885〕よみ(新仮名遣い)まことのちから
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ従者の神々はさらに、御子誕生を祝い、そして国生みの神である玉野比女との神業への期待を歌った。一行は駒に乗り、玉野の森の聖所をさして進んでいった。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年10月27日(旧09月9日) 口述場所水明閣 筆録者森良仁 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年1月5日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 232頁 修補版 校定版267頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7417
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本文の文字数2591
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本文  産玉の神は、凪ぎ渡る湖面に写る天津日影を打ち仰ぎ、四方の光景を讃美しながら、御歌うたはせ給ふ。

『久方の天は晴れたり荒金の
  地はよみがへる真鶴の国よ

 主の神の依さし給ひし天国の
  態ありありとわが目に生くるも

 凄まじく浪逆巻きし湖原も
  凪ぎ渡りたる鏡の湖はも

 月影は草にしのべど天津日の
  豊栄昇る稚き国原

 鳳凰は高く翼を天に搏ち
  鶴は清しく鳴き渡る国

 湖の面を真白に染めて白鳥の
  遊べる姿はわが目にさやけし

 湖の青空の蒼にも染まらずに
  あはれ白鳥浪に游げる

 白鳥の湖面に遊ぶ態見れば
  蓮の華の咲けるがに思ふ

 遠く近く浪に浮べる白鳥の
  限りも知らぬ今朝の喜び

 国土未だ稚くはあれど瑞御霊
  出でます大野は栄えの色見ゆ

 天地の中にこんもり浮びたる
  玉野の森の緑さやけし

 瑞御霊生代の比女神と真心の
  合せ鏡に御子孕みましぬ

 目出度さの限りなりけり産玉の
  神の功に御子を守らむ

 安々と生みます吉日寿ぎて
  産玉神は御歌まゐらす

 永久に生れます御子よ幸くませ
  まさきくまして世を生かしませよ

 千早振る神の依さしに生れませる
  御子はくはしく賢しくましませ

 瑞御霊神に仕へて吾は今
  御子孕みます吉日にあひぬる

 真鶴の稚き国原固めむと
  経綸の御子は宿りましけむ

 久方の空の蒼みに溶け入りて
  今日の楽しき幸にあふかな

 久方の御空は高し湖深し
  瑞の御霊の恵はあつし

 広き厚き大御心を照らしまして
  生代の比女を生かし給へり

 生代比女の神よ今日より御腹なる
  御子に朝夕心を配らせ給へ

 この御子の生れます上は真鶴の
  稚き国原いや栄ゆべし

 御供に仕へて遠く渡りこし
  吾は始めて生甲斐を思ふ

 産玉の神の司と任けられて
  産の御霊の御子を守らむ

 神々の孕ます御子を平かに
  いと安らけく生ませ奉らむ

 産玉の神なる吾は産の神
  万代までも産子を守らむ

 天地の中に生れし真鶴の
  稚き国原に生れます御子はも

 大空に天津日輝き地の上に
  百草萌ゆる稚国原よ

 はしけやし真鶴の国の中空に
  神代を祝ひて鳳凰舞ふなり

 玉野森常磐の松の繁り枝に
  御子を育つる真鶴の群

 八十日日はあれども今日の生日こそ
  ためしもあらぬ喜びに満つるも

 願くは千代万代に栄えませ
  真鶴の名を負ひし国原』

 魂機張の神は御歌詠ませ給ふ。

『たまきはる生命の限り天地の
  真言の道に吾は仕へむ

 孕ませる御子の生命を永久に
  守り生かさむ魂機張の神は

 一片のあだ雲もなく澄みきらふ
  御空の下に満つる喜び

 洋々と凪ぎ渡りたる湖の面に
  浮き浮き遊べる白鳥あはれ

 天地も寿ぎますか中空に
  真鶴鳳凰舞ひつ遊びつ

 九皐に清く響ける真鶴の
  声に生るる千歳の喜び

 勇ましき姿なりけり湖の面を
  駒立て並べ渡らす姿は

 竜頭に豊に立ちて浪の穂を
  進ませ給ひし女神の尊さ

 瑞御霊あとに従ひ駿馬に
  夜の湖原やすく渡りし

 駿馬の嘶き今朝は殊更に
  澄みきらひつつ朝日はかがよふ

 若楊の風に髪をば梳る
  姿は生代の比女に似たるも

 青苔の浪を洗ひて天津風
  おもむろに吹く玉野湖はも

 次々に汀は広くなりにつつ
  湖の水量ひきくなりゆく

 瑞御霊国土造りますしるしにや
  つぎつぎかわく玉野湖

 そよと吹く風にも靡く葭葦の
  縺れて生くる天地の道

 縺れ合ひ絡み合ひつつ葭と葦は
  天地の水火をささやきてをり

 さらさらと葦の葉渡る風の音に
  のりて匂へる白梅の香

 白梅は所狭きまで玉野森の
  彼方此方に笑へる目出度さ

 白梅の花は清しも芳しも
  生代の比女の粧ひに似て

 白梅の花の唇吸ふ蝶の
  心やさしき瑞御霊かも

 打ち仰ぐ御空は清く澄みきらひ
  地は青草の萌ゆる楽土よ

 斯かる世の斯かる神業に仕ふるも
  神のたまひし幸なりにけり

 まだ国土は稚くあれども天渡る
  月日の影はさやけかりけり

 くはし御子今や御腹に宿りまして
  国土の柱と立ちます尊さ

 たまきはる御子の生命を永久に
  守りて吾は仕へ奉らむ

 山に野に満ち足らひたる主の神の
  恵の露に栄ゆる神等』

 結比合の神は御歌詠ませ給ふ。

『久方の天津高宮晴れ渡り
  スの言霊は鳴り響くなり

 言霊の清しき水火を結び合せ
  生れます真鶴の国のさやけさ

 愛善の天界なれば夜嵐も
  生言霊に吹き止みにける

 恋雲の深く包みし比女神の
  心は晴れぬ生言霊に

 天津真言籠らずあれば言霊の
  水火も曇りて露だも光らず

 一時のなだめ言葉は久方の
  天津真言の水火にかなはず

 瑞御霊なだめの言葉を打ち消して
  天津真言に比女を生かせり

 毛筋ほども偽りのなき天界に
  その場のがれの言葉は応はず

 目前吾は真言の言霊の
  力を見たり光を拝めり

 久方の天津真言と国津真言
  結び合せて栄ゆる道なり

 天津日の豊栄昇る神国に
  如何で許さむなだめ言葉を

 善悪の差別をただし天地の
  神を導く世なれば安し

 水火と水火結び合せの神となり
  国土生み神生みの神業守らむ』

 美味素の神は御歌詠ませ給ふ。

『スの声の言霊𪫧怜に宣り上げて
  この稚国土を拓き固めむ

 美味素の神と現れ吾は今
  真鶴国の真秀良場に立つ

 真鶴の国の真秀良場玉野森に
  国土生みますと待たせる女神よ

 玉野森常磐の松の白きまで
  巣ぐへる鶴の声澄みきらふ

 真鶴の只一声のひびかひに
  静まりかへる百千鳥かも

 夜の湖駒の背に乗り渡り来て
  主の大神の恵を思ふ

 主の神の生ませ給ひし国原に
  邪曲の猛びの如何であるべき

 村肝の心曇りて邪曲を生み
  禍を生む神代なりにけり

 神々の迷ひの水火の集りて
  天地の水火汚すは恐し』

 真言厳の神は御歌詠ませ給ふ。

『厳しくも雄々しくもあるか瑞御霊
  雄心照りて御子孕みませり

 生代比女神の真言の現れて
  瑞の御霊の露を宿せり

 万代の末の末まで光るらむ
  これの目出度き神嘉言かも

 草も木も生言霊に靡きつつ
  花咲き満ちて晴れ渡る国土

 そよと吹く科戸の風の芳しさ
  経綸の花の咲き満てる国土

 白梅の花の粧ひ岐美に見る
  今日の湖畔の清しき眺めよ

 目の限り大野の原は晴れ渡り
  真鶴山は空に聳えつ

 国中比古の神の功に真鶴の
  山の常磐樹繁らへるかも』

 一行の神々は歓びに満ち、天地の光景を讃美しながら、再び駒の背に跨り、程遠からぬ玉野の森の聖所をさして進ませ給ふぞ勇ましき。
(昭和八・一〇・二七 旧九・九 於水明閣 森良仁謹録)
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