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文献名1霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻
文献名2第3篇 葦原新国よみ(新仮名遣い)あしはらしんこく
文献名3第18章 神嘉言〔1974〕よみ(新仮名遣い)かむよごと
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ
妖邪の気が鬱積して、ほとんど亡国に瀕していたグロスの島は、朝香比女の神の降臨によって天地清まり、葦原新国と改称してよみがえった。そして国津神を抜擢して神業を司らせることとなった。

グロノス、ゴロスの曲津神たちは生言霊と真火の功によって逃げ失せたので、国土の中心にある忍ケ丘に宮居を移し、国津神たちを治めることとなった。生きとし生けるものは忍ケ丘の聖場に集まり来て、新しい国土の成立を寿ぎ祝うこととなった。

葦原比女は、新たに任命した天津神たちを率いて忍ケ丘に太き宮柱を立てて主の大神を斎き祭り、大御前に潔斎して国の初めの神嘉言を奏し、感謝と喜びの歌を歌った。朝香比女の神は、寿ぎの歌を歌った。

朝香比女の神が寿ぎの歌を歌っているおりしも、鋭敏鳴出(うなりづ)の神が、天空より十曜の神旗をふりかざし、数多の従神を従えて、紫の雲に乗ってこの場に天降った。朝香比女の神はこの光景に驚き、合掌敬拝しつつ鋭敏鳴出の神への感謝と祈願を歌った。

鋭敏鳴出の神は、まず新宮に主の大神へののりごとを上げ、そして葦原比女の神に、新しい国土の誕生への寿ぎ歌を歌った。葦原比女の神は驚きと感謝の歌を歌い、朝香比女、鋭敏鳴出の神の御魂をこの国土に永遠に止めてもらうよう、歌を歌った。

野槌比古を始め、新任の天津神たちは、祝歌を歌った。天津神々は、葦原の国土の新たな甦りに祝辞を述べ、忍ケ丘の中心地に宮居を移した大神業を謳歌しつつ、おのおの言祝ぎをして国土の前途を祈った。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年12月23日(旧11月7日) 口述場所大阪分院蒼雲閣 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年5月5日 愛善世界社版 八幡書店版第14輯 113頁 修補版 校定版321頁 普及版 初版 ページ備考
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本文  妖邪の気鬱積して黒雲天地を塞ぎ、殆ど亡国に瀕したるグロスの島は、天の時到りて、高地秀の宮居より天降りませる八柱御樋代神の一柱なる朝香比女の神の御降臨によりて、天地清まり、国内一点の風塵も止めざるに至りたれば、茲にグロスの島国を葦原新国と改称し、国津神を抜擢して葦原比女の神の国津柱の御側近く神業を司らしめ給ふ事とはなりぬ。茲に新しく蘇りたる葦原の国土はグロノス、ゴロスの曲津神、生言霊の御光と真火の功に逃げ失せければ、国土の中心なる忍ケ丘に宮居を移し給ひ、八尋殿を急ぎ見建て給ひて、国津神の上に臨ませ給ふ事とはなりぬ。十曜の神旗は春風に翩翻として翻り、日月の光は殊更に美はしく天に輝き地に照らひ、四方八方より国津神を初めとし禽獣虫魚の生きとし生けるものの限り、忍ケ丘の聖場に集まり来りて、新しき国土の成立を寿ぎ祝ひ奉る事とはなりぬ。
 茲に葦原比女の神は新に言依さし給へる天津神等を率ゐて、忍ケ丘に宮柱太しき立て主の大神を斎き祭り給ひ、大御前に潔斎して国の初めの神嘉言を奏し給ひける。其神嘉言に言ふ。

『掛巻も綾に畏き忍ケ丘の下津岩根に大宮柱太しき立て、高天原に千木高知りて、国の鎮めと鎮まりたまふ主の大神の大御前に、葦原の国の国津柱と仕へまつる葦原比女の神、謹み敬ひ畏み畏みも白す、抑々これの神国は、未だ地稚く、国形定まらず、曲津見の醜の悪しき水火は天地に塞がり、雲霧深く、天日の光は地に届かず、総ての木草を初め、五穀等豊に稔らず、国津神等の生の命を危からしめ、これの稚国土は二葉にして枯果てむとしけるが故に、如何にもして神の依さしの美国を造り固めばやと、朝な夕なに心を砕き血潮をしぼり天を仰ぎ地に俯して歎かひける折もあれ、高地秀山の貴の聖所に宮柱清しく立てて仕へませる朝香の比女神の端なくもこの稚国土に天降りまし、生言霊の御光と真火の功に曲津見の醜の棲処を焼き尽しまし、今は全く風塵治まりて、曲津見の影も朝の御霧夕の御霧を朝風夕風の吹き払ふ如く散らせ失ひ給ひければ、国土の東に偏在れる桜ケ丘の宮居を国土の真秀良場なるこれの聖所に移し、主の大神の神霊を永久に斎きまつりて、国の御旗を定め政所を移して国土生み、神生みの神業に心清しく真言の水火を凝らして仕へまつらむと思ふが故に、朝香比女の神の天降り給ひしを機会に、今日の佳辰の吉時に新しき国土の生れの御祭りを取行ひ、天津神八百万の神等の神霊を招ぎ奉りて、この国の山野に生ふる種々の美味物を百足の机代に置き足はして供へまつる有様を、平らけく安らけく聞召し相諾ひたまひて、これの新国土を千代に八千代に動くことなく変る事なく、五十橿八桑枝のごとく茂栄に栄えしめ給ひ夜の守り日の守りに守り幸へ給へと、恐こみ恐こみも祈願奉らくと白す。

 天晴れ天晴れ豊葦原と栄えます
  神の御国は生れけるはや

 主の神の大宮柱太知りて
  仕へまつらむ今日ぞ目出度き

 群雲の天地を塞ぎし島ケ根も
  隈なく晴れて月日はかがよふ

 二十年の長き月日を包みてし
  醜の黒雲晴れ渡りけり

 光ある国津神等を選りあげて
  国の守の神と依さしぬ

 主の神の恵は永久に葦原の
  新しき国土を光らさせたまへ

 天津神国津神等は各も各も
  任けのまにまにならはせたまへ

 久方の天の岩戸は開けたり
  常世の闇も明け渡りつつ

 桜ケ丘の宮居をこの地に新しく
  移して治めむこの新国土を

 葦原の国土の中央の忍ケ丘は
  大政所にふさはしきかな

 忍ケ丘を常磐ケ丘と改めて
  神世のまつり開かむと思ふ

 万世に神の賜ひし燧石を
  伝へて日継の印と定めむ

 もろもろの国津神等も生物も
  今日のよき日を蘇るかな

 歓びの声は天地に響かひて
  動ぐがごとし葦原の国土は

 万世も動がぬ国土の礎を
  立てし功に天地は動げり

 歓びの声に天地は動ぎつつ
  動がぬ国土の基礎固まりぬ

 朝香比女神の神言の功績に
  葦原国土は稚く生れし』

 朝香比女の神は寿ぎの御歌詠ませ給ふ。

『葦原の国土の礎固まりて
  御空の月日も冴え渡りける

 天清く地又浄く生れたる
  この新国土は永久に栄えよ

 遥々と荒野を渉り海越えて
  国土の固めの吉日にあふかな

 過を直日に見直し聞き直し
  罪なる神も許したまひぬ

 天津神もゆるされここに国津神と
  なりて永久に蘇りませり

 国津神の清き神魂を選り抜きて
  依さしたまへる神の畏さ

 新しき国土の生れをことほぎて
  生言霊を奉りける』

 かく歌はせ給ふ折しも天津御空より十曜の神旗を振翳し、数多の従神をしたがへて紫の雲に乗り此場に天降り給ひしは、主の大神の御使ひ神なる鋭敏鳴出の神の雄姿に在しましける。
 朝香比女の神はこの光景に驚きたまひ、合掌敬拝しつつ御歌詠ませ給ふ。

『掛巻くも畏き鋭敏鳴出の神は
  今日の吉日に天降りましける

 鋭敏鳴出の神の功に草枕
  吾行く旅は安けかりけり

 曲津見の伊猛り狂ひしこの島も
  公の功に清まりにける

 曲津見の伊猛る国を進みゆく
  吾道の辺を守らせたまへ

 鋭敏鳴出の神の助けのなかりせば
  吾旅立ちに光あらまじを』

 鋭敏鳴出の神は大宮の前に降らせ給ひ、恭しく拍手しながら、

『掛巻くもこれの新宮におはします
  主の大神にのりごと申さむ

 久方の雲路をわけて神宣
  畏み吾はここに来つるも

 願はくは千代に八千代に葦原の
  国土を守りて栄あらせよ

 朝香比女神の出立ち守らひつ
  目出度く今日を現はれにける

 葦原比女神の神言に新しき
  国土の生れをことほぎまつるも

 地稚く国土稚けれど鋭敏鳴出の
  神は非時守りまつらむ

 心安くこの稚国土を開きませ
  吾は力を添へて守らむ』

 葦原比女の神は驚喜しながら御歌詠ませ給ふ。

『思ひきやこの新国土に鋭敏鳴出の
  尊き神の天降りますとは

 力なき吾にありせば昼夜を
  守らせたまへ鋭敏鳴出の神

 天地の雲霧晴れて新しく
  神の御稜威に国土は生れし

 朝香比女鋭敏鳴出の神の二柱を
  斎きまつりて永久に仕へむ

 二柱の神よ御魂を永遠に
  この新国土に止めたまはれ

 国津神百千万の生けるもの
  今日の吉日に蘇りつつ』

 野槌比古の神は祝歌をうたひ給ふ。

『掛まくも綾に尊き神々の
  光に生れし葦原の国土よ

 葦原の国土稚けれど主の神の
  恵みに生きていよよ栄えむ

 朝香比女鋭敏鳴出の神の功績に
  醜の黒雲晴れ渡りける

 桜ケ丘の宮居をここに移しまして
  神国を知らさす今日ぞ目出度き

 国津神もろもろここに集まりて
  国土の基礎を寿ぎ祝ふ

 吾公に選まれわれは今日の日ゆ
  天津御神となりて仕へむ

 許々多久の国の罪穢れ吹き払ひ
  仕へまつらむ千代に八千代に

 果しなきこの新国土を今日よりは
  国津神等と共に開かむ

 天地の水火を清めて今日よりは
  生国原と神世を開かむ

 長年の雲霧ここに晴れ渡り
  公に親しく仕へまつるも』

 高比古の神は祝歌を詠ませ給ふ。

『村肝の心を清め身を浄め
  つつしみ敬ひ神国に仕へむ

 朝夕に生言霊を宣りあげて
  国土の栄を吾は祈らむ

 惟神禊の神事を怠らず
  天地の水火を清め澄まさむ

 葦原比女神の畏き神宣に
  常磐ケ丘となりし聖所よ

 常磐ケ丘の常磐の宮居に朝な夕な
  生言霊を宣りて仕へむ

 天界は愛と善との国故に
  生言霊を怠るべけむや

 朝香比女の神鋭敏鳴出の神の守ります
  葦原比女の神世は安けれ

 主の神の御水火に生れし神司
  葦原比女の神は光よ

 葦原比女の神の光をつつみたる
  醜雲晴れし今日の目出度さ

 葦原やいや永久に弥長に
  栄えましませ神のまにまに』

 照比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『三柱の大神等の御功に
  葦原の国土今生れたり

 グロスの島は跡なく消えて葦原の
  国土新しく生れましける

 新しき国津柱の比女神に
  つかへて真言を捧げまつらむ

 野にありて国津神等ををさめつつ
  今日の吉日を待ち佗びしはや

 葦原比女の神の御目に見出され
  天津神位に仕へまつるも

 国津神の心濁りて大空に
  醜の黒雲立ち塞ぎける

 天津神国津神等は隔てなく
  親しみあひて国土開かばや

 天津神と国津神等の心より
  御空に黒雲湧き立ちしかも

 天津神と国津神等は村肝の
  心をてらして国土は栄えむ』

 清比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『新しく生れましにける新国土の
  千代の栄を寿ぎまつる

 もろもろの国津神等は勇みたち
  国土の生れをことほぎまつれり

 御功は鷹巣の山の頂を
  光らして昇る朝日に等しも

 月も日も清く輝く新国土の
  この真秀良場に神嘉言宣る

 喜びの心は凝りて歌となり
  言霊となりて鳴り出でにけり』

 晴比古の神は祝歌をうたひ給ふ。

『久方の空に月日も晴比古の
  吾は祝はむ新しき国土を

 新しく神の御稜威に生れたる
  国土の栄は久しかるらむ

 天地と共に果なき葦原の
  国土の礎定めし今日かも

 樛の木のいやつぎつぎに葦原の
  国土の国魂知しめすらむ

 やがて今顕津男の神天降りまして
  国魂神を授けたまはむ』

 茲に天津神々は葦原の国土の新に蘇りたる祝辞や、桜ケ丘の宮居を忍ケ丘の中心地に移し給ひし大神業を謳歌しながら各自言祝ぎたまひ、新国土の前途を祈らせ給ひける。又新に国津神の司に任命されたる五柱の神及び国津神等の祝ぎ歌は数限りなくあれども、余り長ければ茲に省略しおく事とせり。
(昭和八・一二・二三 旧一一・七 加藤明子謹録)

本章を口述し初むる折しも
  皇太子殿下御誕生遊ばさる
との号外来り、我国民の魂を蘇らせ歓喜せしめたるぞ畏けれ。
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