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文献名1霊界物語 第79巻 天祥地瑞 午の巻
文献名2第1篇 竜の島根よみ(新仮名遣い)たつのしまね
文献名3第4章 救ひの船〔1985〕よみ(新仮名遣い)すくいのふね
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ
艶男は麗子がもはや霊身となって、現世の人でないことを知ると、嘆きのあまり玉耶湖に身を投げてしまった。

そこへ、白髪異様の老人が一艘の船をこぎながら釣り竿をたれていたが、艶男の飛び込んだ音に後を振り返り、誰か知らぬが、飛び込んだ者があるようだ、助けねば、としばし考え込んでいる。

すると、はるか先方に黒い影がぽかりと浮いた。老人は小舟をこぎ寄せ、黒い影に手を差し伸べて船中に救い上げた。よく見れば、国津神の子、艶男であった。老人は水を吐かせ、人工呼吸を施して蘇生させた。

老人は、国の御祖の子が、なぜかろがろしく命を捨てようとしたか、諭し呼びかけた。艶男は正気に復し、恋しき人に別れて、世をはかなんで生きる希望を失ったのに、なぜ私を救うのか、と恨みを歌った。

すると老人は厳然として、自分は湖の翁、水火土(しほつち)の神であると明かし、命を捨てて何になろう、生きて国を守るように、と艶男に諭した。

艶男は老人が水火土の神と知って恥ずかしく思ったが、今ここに命を救われたことは幸いであると悟った。水火土の神はにっこりとして命を捨てることの愚かさと罪深さを説き、悔い改めよと諭した。艶男は翻然として命の尊さに思い至った。

そして艶男は、麗子が竜神にさらわれて命を失ってしまったことを、水火土の神に訴えた。すると水火土の神はにこにこしながら、麗子は命を救われて竜の都にいることを知らせ、今から艶男を導いて竜の都に送ろうと歌った。

艶男は、これから進んでいく竜の都に思いをはせ、また死んだと思っていた麗子が生きていると知って喜び、自分の命を救ってくれた水火土の神に感謝の歌を歌った。

水火土の神は歌いながら船を漕ぎ出し、ようやくにして竜宮の第一門にたどり着いた。大身竜彦の命は艶男が尋ね来たことを前知し、数多の従臣を第一門に遣わし、艶男の上陸を歓迎の意を表しつつ待っていた。
主な人物 舞台 口述日1934(昭和9)年07月16日(旧06月5日) 口述場所関東別院南風閣 筆録者内崎照代 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年10月25日 愛善世界社版 八幡書店版第14輯 184頁 修補版 校定版75頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7904
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本文  艶男は月下の草の根に、麗子の最早霊身となりて現世の人にあらざることを知り、恋しさのあまり嘆き悲しみながら、麗子の後を追はむものと、玉耶湖の岸辺に辿り着き、
『いざさらば湖の底ひもおそれなく
  吾はゆかなむ妹がみもとに

 世に生きて甲斐なき身なり麗子の
  恋しき妹に別れたる今日を』

と言ひながら、月の流るる湖面に向つて、ざんぶとばかり身を投げ、あと白波と消え失せにける。かかる所へ、白髪異様の老人一艘の小船を漕ぎながら、釣竿を垂れて居たが、艶男の飛び込みし音にあと振り返り、水面を月かげに透し眺めつつ、
『あら不思議今聞えたる水音は
  魚族ならで人の音かも

 何人か知らねど救ひ助くべし
  わが身の力のあらむかぎりは

 天清く水また清きこの湖に
  飛び込む者は何人なるらむ』

と言ひながら暫し考へ込んでゐる。遥か先方に黒い影がぽかりと浮いた。老人は手早く小舟を漕ぎ寄せ、黒き影に手を差し延べ船中に救ひあげた。よくよく見れば国津神の子艶男である。老人は水を吐かせ、人工呼吸を施し、漸くにして蘇生せしめた。
『君こそは国の御祖の御伜
  艶男の君におはしまさずや

 吾こそはいやしき漁師の身なれども
  汝が両親に仕へたるもの

 何事のおはしますかは知らねども
  生命捨つるは浅ましからずや

 天地に生命を保つ幸を
  君は知らずや悟らざるにや

 生命より尊きものは世の中に
  あらざるものを軽んじ給ふな

 死はやすし生くるはかたし玉の緒の
  生命かろがろ捨てさせ給ふな』

 斯く歌ひて呼び生けたるにぞ、艶男は、漸く正気に復し、
『訝しや生命死せしと思ひしに
  吾船中に生きてありけり

 汝が君の救ひ給ひし吾ながら
  生命捨つるを許させ給へ

 恋しかる人に別れて世の中に
  生くべき生命と吾は思はじ

 恋ゆゑに捨つる生命は惜しからずと
  吾湖にとび入りにけり

 汝こそは舟人ならめ何故に
  吾を救ひしかうらめしみ思ふ』

 翁は儼然として、
『吾こそは湖の翁よ水火土の
  神とあらはれこの湖守れる

 山神彦、川神姫に仕へたる
  吾は水火土湖守る神

 玉の緒の生命を捨てて何かせむ
  再び生きて国を守らせ』

 艶男はいぶかしげに、
『おもひきや汝は水火土湖の神か
  吾はづかしく生きたくもなし

 さりながら汝に救はれ今ここに
  生命保つは幸なるべきやは』

 水火土の神はにこにこしながら、
『玉の緒の生命を捨つる愚さを
  君は知らずや神の生命ぞ

 主の神の水火になりたる玉の緒の
  生命捨つるは重き罪ぞや

 罪を悔い心あらため恋心
  この湖に洗はせ給へ

 縁あらばまた会ふことのあるべきを
  心みじかき君にもあるかな』

 艶男は翻然として、
『ありがたし水火土神の御教に
  わが魂は蘇りぬる

 麗子の後を慕ひて吾は今
  この湖に生命すてたり

 愚しき吾心よと今さらに
  君の教に悔い心わく

 仰ぎ見れば御空の月はにこやかに
  ほほ笑ませつつ吾をいましむ

 水底にうつらふ月もわがおもてを
  照らしていましめ給ふがに見ゆ

 吹く風もいとやはらかに吾面
  なでつつ心なぐさめ通ふ

 玉の緒の生命惜しまぬものあらじ
  湖の底ひの魚族までも

 恋ゆゑに捨てし生命とわが思へば
  君の面みるさへ心恥かしも

 愚なるわが身を照らす月光に
  天地せまく恥かしみのわく

 さりながら麗子の姫は曲神に
  さらはれ生命失せにけらしな』

 水火土の神はにこにこしながら、
『麗子の姫は生命を救はれて
  竜の都の司とますぞや

 今よりは汝が命をみちびきて
  竜の都に送り奉らむ

 竜神のあまた住まへる竜宮の
  島根は遠しいそがせ給ふな』

 艶男は歌ふ。
『月は皎々御空を渡る
 吾は艶男湖原渡る
 空に星かげまたたく見れば
 金砂銀砂を敷きつめし
 神の御庭にさも似たり
 湖の底ひを眺むれば
 黄金白銀きらきらと
 月の光に冴えながら
 天国浄土の光景を
 今目のあたり照らすなり
 ああたのもしやたのもしや
 水火土神に送られて
 果しもしらぬ湖原の
 中にただよふ竜宮島
 麗子姫の鎮まれる
 竜の宮居に進むかと
 思へば嬉しおもしろし
 月も流転の影なれや
 何を嘆かむ来し方の
 夢をさまして吾は今
 蘇りつつ湖原を
 一瀉千里に進むべし
 御空は清し月清し
 星の光はきらめきて
 わが行く舟を安全に
 彼方の岸に送るなり
 ああ惟神々々
 父と母とはさぞやさぞ
 二人の行方を尋ねつつ
 心を千々に砕かせて
 嘆かせ給ふことぞかし
 ああ惟神々々
 神の御幸のかげ清く
 わが父母を永久に
 安く守らせ給へかし
 この世になしと思ひたる
 麗子姫は竜宮の
 島の司と聞くからは
 勇気日頃にいや増して
 希望に満つるわが心
 ああ勇ましや勇ましや
 いよいよ宇宙はよみがへり
 沈みし天地はぽつかりと
 わが目の前に浮き出でで
 永久の生命を歌ふなり
 おもひきや麗子姫は死なずして
  竜の宮居にいますとぞ聞く

 吾も亦一度生命救はれて
  これの湖水を清渡りゆく

 水火土の神のまさずば吾生命
  絶えてこの世にあらざらましを

 天地の神の恵みに抱かれて
  吾は生命を捨てずありけり

 風清きこの湖原に棹さして
  行くも楽しき竜宮の旅

 珍しき竜宮島に渡りゆく
  吾は心も若やぎにけり

 果しなき思ひ抱きてはてしなき
  湖原渡る吾にあらずや』

 水火土の神は艫を漕ぎながら、
『夜は更けて
 吹き来る風もさやさやと
 北より南に渡るなり
 竜宮の島は遠けれど
 この北風に帆を上げて
 進めばあまり遠からじ
 御空の月はいや冴えて
 湖の底まで透きとほり
 魚族をどるさままでも
 わが目にありありうつるなり
 清き真砂の上を行く
 この玉舟は竜宮の
 神のつくりし御幸ぞや
 ああ惟神々々
 湖原守る吾にして
 今日のよき日のよき時に
 艶男の君を守りつつ
 渡るも嬉し火水土の
 神の功は今日かぎり
 万代までも輝かむ』
 斯く歌ひながら力限りに漕ぎ出す。漸くにして竜宮の第一門に着く。大竜身彦の命は艶男の尋ね来ることを前知し、数多の従臣を第一門に遣はし、艶男の上陸を「ウローウロー」と歌ひながら歓迎の意を表し待ち居たり。
 艶男は水火土の神に守られて
  これの島根に渡り来にけり

 水底に身を投げ捨てし艶男は
  水火土神に助けられたり

 水火土の神のいさをに守られて
  再び麗子の妹に会ふらむ

 兄と言ひ妹と名告りつ一度も
  嫁ぎの業はなさざりにけり

 恋ひ恋はれ互に生命をあづけたる
  二人の逢ふ瀬ははなやかなるらむ。

(昭和九・七・一六 旧六・五 於関東別院南風閣 内崎照代謹録)
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