皇道に明らかにされている神の意義については、四種の大きな区別がある。幽の幽、幽の顕、顕の幽、顕の顕である。
幽の幽神は、天之峰火夫の神以下、皇典に載っている天之御中主神から別天神までの称号である。
幽の顕である神は、天照大神、神素盞嗚尊等の神位にまします神霊を称して言う。天照大神、神素盞嗚尊等は、幽の幽神の御水火(みいき)から出生された体神であり、尊貴きわまる神格である。
顕の幽である神は、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命等の称号である。いったん地上の現界に姿を顕現して、顕実界を主宰したが、定命がつきて、神界に復活し、幽体となったという意義である。管公(菅原道真)、楠公(楠正成)、豊公(豊臣秀吉)、その他の現人没後の神霊の称号である。
顕の顕なる神は、万世一系の皇統を垂れさせ給い、世界に君臨し給う現人神である天津日嗣天皇の御玉体である。
すべて宇宙も神も万物も、その太源は天之峰火夫の神、すなわち大宇宙の大極限の言霊が幸はいまして成り出でたものなのであるから、最も貴く尊いものは、この言霊以外にないのである。
著者は、天祥地瑞未の巻を口述するにあたり、皇道言霊学上から見た声音の一部を略解しようとするものである。
ワ声の言霊活用:世に生きて活用する。
ヲ声の言霊活用:男、陰茎(を)、居る、己、上命(お)、下諾(お)、唯、尾、緒等の言霊活用がある。
ウ声の言霊活用:心の結、植え立つ、薄き、倦む、結び立つ、憂き、醜き等の活用がある。
ヱ声の言霊活用:笑む、腹中之真(なかわたにまことある)、中腹に成就(なりつく)、必ず出る、などの言霊妙用がある。
ヰ声の言霊活用:三世の瀬戸、寿(いのち)、呼吸之内(いのち)、今、現在電光の機関、など言霊妙用がある。すべて猪は一直線に走ってわき見をしない性である。
ヤ声の言霊活用:矢、焼く、透明体なる天中固有の紋理(あや)、蒼洞、先天の真気(あめのそこたち)、親、左旋、などの言霊妙用がある。
ヨ声の言霊活用:半、呼び出す形、寄り合う、億兆の現在所、漂う形、天地水火纏まる形、能く指令する、等の妙用がある。
ユ声の言霊活用:天の結ぶ姿、蒸せ騰がる、行き届く、努力(ゆめえた)、忌々(ゆゆ)、往来為す、総べ震る(ゆるる)、夢、弓、などの妙用がある。
エ声の言霊活用:猶普き(なほあまねき)、既に移転、編む(えむ)、えらむ、飢る(ううる)、悦び合う、恋れつく、等の活用がある。
イ声の言霊活用:天井、射中る(イあつる)、心の形、興り伸び立ち止まる、父の孫、母の子、親の心をうけ持つ、等の妙用がある。