イドム王は王妃、左守、右守、軍師らとともに月光山に逃れ、再挙を図ることとなった。また、王女チンリウ、侍女アララギをはじめ多くの勇士が捕虜となり、サール国城中の牢獄につながれてしまった。
イドム王と王妃は、娘の消息がわからなくなってしまったことを歎いていた。一同は再起の時を誓いつつ、チンリウ王女の消息を探るために、三人の武士をひそかに敵国に遣わすことにした。
左守、右守、軍師は敗戦の責任に遺憾の意を歌に歌ったが、アヅミ王はこれまで、主の神から恵みを受けながら務めを怠っていたことに気づいた。そして、月光山のいただきに大神の宮居を造営し、朝夕の祈りを捧げるよう大臣たちに命じた。
大宮居造営に際して左守、右守は国津神たちを召集した。そして無事に地鎮祭を終えると、国津神たちは祝宴を開いた。アヅミ王はこの様を見て、国の礎が固まったことを感じ、喜びの歌を歌った。
そして、一同は改めて再起の意を固めることとなった。