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文献名1霊界物語 第81巻 天祥地瑞 申の巻
文献名2第2篇 イドムの嵐よみ(新仮名遣い)いどむのあらし
文献名3第10章 復古運動〔2037〕よみ(新仮名遣い)ふっこうんどう
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ
マーク、ラートが引率した民衆軍は、一戦も交えることなくイドム城を取り返した。

この群集の中には、イドム国王アヅミの右守ターマンが、民衆に変装して紛れ込んでいた。ターマンはマークとラートに近寄り身分を明かし、イドム王が月光山に隠れていることを明かして、感謝の意を表した。

マークは自分たちの手柄ではなく、天命によってサール軍は滅びたと歌うと、こうなった上は、アヅミ王を再び迎えて王に再び国を任せたいとターマンに伝えた。

ターマン、ラート、マークは互いにここまでの道のりの苦難を歌いあった。そして、ターマンとマークは月光山へアヅミ王を迎えに出立し、王の到着まで、ラートがイドム城を守ることとなった。

ターマンとマークは、道々これまでの述懐の歌を歌いつつ月光山へと馬を急がせた。
主な人物 舞台 口述日1934(昭和9)年08月05日(旧06月25日) 口述場所伊豆別院 筆録者森良仁 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年12月30日 愛善世界社版 八幡書店版第14輯 477頁 修補版 校定版205頁 普及版 初版 ページ備考
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本文  マークとラートの引率せる軍人交りの群衆は、恰も無人の境を行く如く、イドム城を只一戦を交へずして取返し、軍師エーマンは周章狼狽の結果、激流に飛び込み消え失せければ、風塵全く治まりて更生の気分天地に漂ひにける。此の群衆の中には、アヅミ王の右守と仕へたるターマン司変装して忍び居たりしが、この光景を見て大に喜び、ラート、マークの側近く進みより、堅く握手を交し感謝の涙に暮れ居たり。
 ターマンはマーク、ラートに向つて歌ふ。
『吾王の失ひ給ひし食国を
  生かし給ひし君は神なり

 吾王は月光山に籠らひて
  朝な夕なに祈り給ひし

 主の神の御霊懸りて二柱の
  君に力を添へ給ひけむ

 斯くならばイドムの国はアヅミ王の
  再び治下に蘇るらむ

 汝が功つぶさに王に伝ふべし
  必ず嘉し給ふなるらむ

 吾こそはイドムの城下に潜みつつ
  今日の吉日を待ち居たりけり

 王を思ひ国を思ひて真心を
  尽し給ひし尊き汝かも』

 マークは歌ふ。
『有難し力なき身も主の神の
  恵に吾は成り遂げしはや

 王の為御国の為に尽したる
  吾は報酬を望まざるべし

 国民を虐げ荒びしエールス王
  亡びたるこそ天意なるべし

 備へなきイドムの城に攻め寄せし
  吾には何の力だもなし

 天の時と地の理と人の和によりて
  維新の端緒は開けたるかな

 国民を虐げながら血をしぼり
  驕りし曲津は亡び失せたり

 今日よりはアヅミの王を迎へ来て
  民の心を安めむと思ふ』

 ターマンは歌ふ。
『有難しマーク司の言の葉を
  わが王許に早く伝へむ

 吾王は汝が心を聞召し
  喜び給はむ思へば嬉しき』

 マークは歌ふ。
『吾も亦傾く国を正さむと
  年月心を砕き居たりき

 天の時到りて漸く吾が思ひ
  晴れたる今日の心地よさかな

 力なき吾なりながら真心の
  弓弦は容易にきれざりにけり

 弓弦を放れし征矢は何処までも
  通さでおかぬ大丈夫のむね

 イドム城包みし黒雲晴れ行きて
  虫の啼く音も冴え渡りけり

 大空を包みし雲も晴れ行きて
  御空の月は輝き初めたり

 年月を重ねて維新の端緒は
  開け初めたり今日の吉日に

 朝夕に神を祈りし甲斐ありて
  今日新しき月を見るかな

 此の上は何をか望まむ吾王の
  心のままに従はむのみ

 露ほども汚き心持たぬ吾
  司の位などは望まじ

 月日照るイドムの国の更生を
  見れば望みのあらぬ吾なり

 国民の歓呼の声は山嶽も
  動ぐばかりに轟き渡るも

 国民は甦りたる心地して
  アヅミの王を歓ぎ迎へむ

 目附役の目を忍びつつ年月を
  維新の為に計画ひ来しはや

 斯くの如目出度き月日に逢はむとは
  思はざりけり一年の間に

 一年の短かき月日汚したる
  エールス王は夢と消えたり』

 ターマンは再び歌ふ。
『国民の誠心の集まりて
  イドムの国の雲は晴れたり

 吾も亦死生の巷に彷徨ひて
  今日の吉日を待ち居たりけり

 雄々しかるマークの君を始めとし
  ラートの君に感謝せむとす

 月光の山に籠りて吾王は
  嘆きの月日送り給ひつ

 有難き御代となりけり主の神の
  厳の恵はいやちこにして

 今日よりは主の大神を斎かひて
  国の栄えを祈り奉らむ

 例なき此の喜びに逢ひけるも
  神の御稜威と汝等が働き

 国民の誠心を代表し
  立たせ給へる君の尊さ』

 マークは歌ふ。
『ターマンの右守の君の御言葉
  聞くにつけても涙ぐまるる

 吾王の御代安かれと村肝の
  心尽せし甲斐ありにけり

 幾度も醜の目附に捕へられ
  暗き牢獄に投げ込まれける

 食物も碌に与へず苦しめし
  目附の心は曲鬼なりけり

 牢獄に投げ入れられて打たれつつ
  無情に泣きし日もありにけり

 七度も八度も牢獄にとぢられて
  世の行末を嘆かひしはや

 主の神の恵によりて漸くに
  今日の吉日に逢ひにけるかな

 過ぎし日の事を思へば自ら
  悲憤の涙頬に伝はる

 一日も安けき日とては無かりけり
  目附の司に睨はれにつつ

 世の人にブラツクリストとけなされて
  悲憤の涙に幾日嘆きぬ』

 ターマンは憮然として歌ふ。
『雄々しもよマークの君の物語
  聞くも悲憤の涙こぼるる

 身を捨てて王と国とに尽したる
  雄々しきマークの心に泣くも

 種々の悩みに堪へて今此処に
  維新の望みを遂げし君かも』

 ラートは歌ふ。
『吾もまた縄目の恥を幾度か
  受けて御国に尽し来にけり

 父母の生命は取られ妻や子の
  行方は知れず悩みたりけり

 王の為国の御為父母の為
  妻子の為に励まされけり

 わが妻はいづらなるらむ吾御子は
  如何なりしと思へば悲しき

 父母や妻子を忘れて今日迄は
  御国の為に働きにけり』

 ターマンは歌ふ。
『吾は今ラート司の物語
  聞きて悲しくなりにけるかな

 吾王も汝に劣らぬ苦しみと
  艱みを忍ばせ過ぎ給ひける

 王民は一つ心に苦しみて
  維新の大業成り遂げにける

 斯くなれば一日も早く吾王に
  此の瑞祥を知らせ奉らむ

 武士よラートの君よ此の城に
  待たせ給はれ吾王来ますまで

 吾は今マーク司を伴ひて
  月光山に急ぎ帰らむ』

 ラートは歌ふ。
『ターマンの右守司の御言葉
  諾ひ吾は城を守らむ』

 ターマンは歌ふ。
『いざさらばマークの司と諸共に
  急ぎ帰らむ月光の山に』

 茲に右守のターマンはマークの勇士と共に栗毛の馬に跨りつ、群衆が歓呼の声に送られて蹄の音も勇ましく、百里を隔つる月光山へと急ぎける。
 ターマンは馬上ゆたかに歌ふ。
『ああ勇ましや勇ましや
 主の大神の御恵に
 イドムの城を包みたる
 醜の黒雲晴れにけり
 イドムの城は昔より
 アヅミの王の領有げる
 伊佐子の島の真秀良場よ
 至治太平の夢に酔ひ
 軍の備へを等閑に
 なしたる隙を窺ひて
 悪逆無道のサール国
 エールス王の軍隊に
 取り囲まれて果敢なくも
 王の古城は落されぬ
 アヅミの王を始めとし
 右守、左守や軍師等は
 討ち洩らされし郎党を
 かり集めつつ野路を越え
 山川渉り月光の
 峻しき山に身を潜め
 天地の神の宮を建て
 禊の業を修めつつ
 時の到るを待ちにけり
 ああ惟神々々
 神の御稜威の現はれて
 矢叫びの声鬨の声
 うら吹く風となりにけり
 ああ有難や楽もしや
 国民未だ吾王を
 捨てずに国を守れるか
 マーク、ラートの両雄は
 心を筑紫の甲斐ありて
 忽ちイドムの天地は
 醜の黒雲払はれぬ
 月日は清く水清く
 山野は爽かに青みつつ
 諸の果物よく実る
 イドムの国の楽園に
 再び王を迎へつつ
 千代を楽しむ今日こそは
 神代も聞かぬ喜びぞ
 ああ惟神々々
 神の恵の尊さよ
 吾も是より肝向ふ
 心を改め研ぎ澄まし
 主の大神を朝夕に
 敬ひ奉り願ぎ奉り
 イドムの国の隆盛と
 吾国民の幸楽を
 真心籠めて計るべし
 馳せ行く道は遠けれど
 千里の駒の脚速く
 吹き来る風に鬣を
 靡かせながら進み行く
 駒は地上の竜なれや
 道の隈手も恙なく
 難所も厭はず走り行く
 ああ惟神々々
 道の行手に幸あれや
 吾言霊に光あれ』
 マークは馬上ゆたかに歌ふ。
『ターマン右守に従ひて
 月光山におはします
 アヅミの王に国の状態
 詳細に語ると進み行く
 今日の旅立ち楽しけれ
 駒の嘶き蹄の音も
 実に勇ましく響くなり
 秋の山々紅葉して
 錦機織る佐保姫の
 袖の香こそは床しけれ
 右と左の山峡に
 妻恋ふ鹿の声冴えて
 谷間を照す月光は
 鏡の如く冴え渡る
 下道進む吾こそは
 華胥の御国に行く心地
 勇ましかりける次第なり
 ああ惟神々々
 神の御稜威の幸はひて
 暴虐無道を極めたる
 エールス王は亡びたり
 サツクス姫は殺されぬ
 左守のチクター始めとし
 強き騎士は悉く
 人魚の司の計略に
 水泡となりたる浅ましさ
 軍師エーマン只一人
 あとに残りて其の後を
 継がむと謀める折もあれ
 時こそよしと吾々は
 イドムの城の郊外に
 憂国悲憤の同志等を
 呼び集めつつ高らかに
 維新の壮挙を宣りつれば
 群衆一度に賛同し
 醜の潜める城内に
 雲を霞と押寄せぬ
 軍師エーマン驚きて
 忽ち水乃の激流に
 飛び込み生命を失せにけり
 ああ惟神々々
 城の内には敵将の
 影は全く消え失せて
 無人の原を行く如し
 是も全く主の神の
 公平無私なる御裁き
 謹み感謝し奉る
 斯くなる上は一日だも
 早くアヅミの吾王を
 迎へ奉りて新しく
 御代を建てさせ給ふべく
 乞ひのみ奉る国民の
 赤き心をまつぶさに
 申し伝へよ右守神
 ああ惟神々々
 今日の喜び限りなし
 吹き来る風も爽かに
 天地更生の響あり
 月光山は峻しとも
 谷の流れは深くとも
 何かひるまむ大丈夫の
 弥猛心に突進し
 王の御前に復命
 申さむ時こそ楽しけれ
 ああ惟神々々
 御霊幸倍坐世』
(昭和九・八・五 旧六・二五 於伊豆別院 森良仁謹録)
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