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霊界物語あらすじ

説明を読む
ここに掲載している霊界物語のあらすじは、東京の望月氏が作成したものです。
まだ作成されていない巻もあります(55~66巻のあたり)
第24巻 如意宝珠 亥の巻 を表示しています。
篇題 章題 〔通し章〕 あらすじ 本文
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霊界物語もいよいよ二十四巻まで口述が終わった。総日数は百二十八日間、一冊につき平均五日間を要したことになる。
大正十一年六月に一ケ月口述を中止したことは非常に番狂わせな事態であった。
七月からいよいよ再開するが、編輯長外山氏が病気のため、思うようにはかどっていない。幸い、松村氏、加藤氏、北村氏、谷村氏の四名が執筆を続けてくれている。
夏はまた旅行を計画しているので遅れが予想されるが、何事も惟神に任せるしかないことである。
本文
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現代は真の宗教がなく、また真の宗教家もない時代である。神代の宣伝使の舎身的活動、無抵抗主義、忍耐強さを思えば、世界五大洲に一人も真の宗教家はいないと言っても言い過ぎではないと思う。
実に遺憾の限りである。本巻末尾には、神代の宣伝使の至善至美、至仁至愛の大精神が遺憾なく口述されているので、宣伝使はもちろん宗教信者たるもの、本巻を一読して大神の大御心を覚り、規範となし、真の大和魂を発揮することを望む。
キリスト教、仏教、神道もその真髄を窮めて見れば大和魂に他ならないのである。いわんや、日本魂の本場である神国に生まれた者であればなおさらである。
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01 01 〔731〕
バラモン教が顕恩郷を支配していたとき、バラモン教幹部の鬼熊別・蜈蚣姫夫婦の間に小糸姫という一人娘があった。
また部下の雉子という男、世才に長けてうまく鬼熊別夫婦に取り入り、宣伝使に取り立てられて友彦という名を賜った。しかし友彦は、なんとかして小糸姫を自分のものにして、鬼熊別の後継となろうという野心を持っていた。
あるとき鬼熊別一家は部下を連れてエデン河に船を浮かべて酒宴を催した。しかし酔った鬼熊別の鉄拳を避けようと逃げる従臣によって船が傾き、小糸姫が激流に飲まれてしまった。
水練に長けた友彦は、小糸姫を助けて蘇生せしめ、無事に館に連れ帰った。喜ぶ鬼熊別夫婦を前にして、友彦は現幹部の不甲斐なさを讒言して取り入る。
小糸姫の無事を祝ってバラモン教の祝典が開かれた。バラモン教棟梁の鬼雲彦は挨拶に立ち、小糸姫の遭難に対して幹部連が何の力にもならなかったことを引き合いに出して、バラモン教の教勢の衰えを嘆き、一同に奮起を促した。
友彦はこれに力を得て登壇し、現幹部の無力を非難して暗に己を売り込んだ。祭典の場は友彦への賛否で騒然となったが、鬼熊別一家とともに友彦はゆうゆうと引き上げた。
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01 02 〔732〕
友彦は、鬼熊別夫婦の信任を一段と集めた。また小糸姫も友彦の親切にほだされて、いつとはなしに、面貌卑しい友彦にも好意を抱くようになった。
友彦は小糸姫と割りなき仲になり、それを利用して鬼熊別の後継となるよう、蜈蚣姫を通じて工作を開始した。しかし鬼熊別は友彦の心性を考慮して、自分の後継として指名することは決して許さなかった。
友彦と小糸姫は鬼熊別の心中を悟り、将来を心配して、ついに顕恩郷から出奔して行方をくらましてしまった。
二人は波斯を越えて印度の国の南までやって来たが、この辺りには露の都というバラモン教の大きな拠点があった。事の露見を恐れた二人は、さらに南下してセイロン島に渡った。
セイロン島の人々は、小糸姫の容貌を見て天女の降臨だと思って尊敬し、女王のように扱った。友彦は表向き従者となって過ごした。
しかし友彦はおいおい本性を現して小糸姫が持って来た金銭を湯水のように使って酒に浸り、島の女に戯れ出した。小糸姫の恋はすっかり醒めて、二人の反りは日に日に合わなくなっていった。ついに小糸姫は二人の島人に舟を漕がせて逃げてしまった。
友彦は島人の報せを受けて、小糸姫の出奔を知った。小糸姫の書置きを守り袋にしまうと、後を追って印度の国へ舟を出した。しかしすでに友彦は無一文になっていた。島人たちへの駄賃に着物を与えてしまい、守り袋を首から下げただけの姿で印度の国の浜辺に降り立ち歩き始めた。
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01 03 〔733〕
小糸姫は二人の島人に舟を漕がせて、友彦から逃げ出した。しかし舟が大海原に来ると、二人の島人は小糸姫に襲いかかろうとする。
小糸姫は逃げ回るが、捕まってしまいあわやというところへ、四人の女が乗った一艘の船が疾走して来た。船から一人の女が乗り込んで来て、島人に当て身を食わして小糸姫を助けた。
小糸姫を助けてくれた女は、よくよく見れば、顕恩郷の侍女・今子姫であった。今子姫は小糸姫に両親のところへ帰るように諭すが、小糸姫はどうしても竜宮の一つ島に渡るのだ、と言う。
今子姫は、小糸姫が出奔した後に顕恩郷は三五教に奪い返され、鬼雲彦や鬼熊別もどこかへ逃げてしまったことを告げた。そして自分は今は素盞嗚尊の娘に仕えており、バラモン教と闘って破れ、この船で流されたところだと経緯を物語った。
小糸姫はそれを聞いて、今子姫をバラモン教の裏切り者として身構えるが、四対一で今は敵わないことを悟り、降参の覚悟を決めた。
今子姫は二人の島人に活を入れて起こした。小糸姫は二人に対して、自分はこれから三五教の宣伝使になると宣言し、駄賃を上げてセイロン島に返した。小糸姫は今子姫らの船に乗り込んだ。
五人は船を漕いでオーストラリヤの一つ島に上陸した。
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01 04 〔734〕
小糸姫は、舟の漕ぎ手に襲われて三五教の宣伝使に助けられたと思いきや、それは夢であった。ニュージーランド近くにさしかかったと思うと舟は嵐に巻き込まれ、舟は海中の岩にぶつかって粉々になってしまった。
舟の漕ぎ手のチャンキーとモンキーの姿は見えなくなってしまった。小糸姫はかろうじて岩にしがみついて経文を唱え、助けを求めていた。嵐は収まったが、そこへ四人の女を乗せた舟がやってきて小糸姫に気づき、助け上げた。
小糸姫は、自分を助け上げた女たちを見れば、顕恩郷で侍女として仕えていた、五十子姫、梅子姫、宇豆姫、今子姫であった。
五十子姫と梅子姫は神素盞嗚尊の娘である素性を隠して、バラモン教に占領された顕恩郷に潜入していたが、太玉命と力を合わせて顕恩郷を取り戻した。その際に、元はバラモン教であった侍女の宇豆姫、今子姫も三五教に改心させていたのであった(第十五巻)。
四人は、友彦と駆け落ちしたはずの小糸姫が、なぜこのような所にいるのかを尋ねた。小糸姫はこれまでの経緯を語ったが、四人はその年に似合わぬ豪胆さに舌を巻いた。そして、三五教の教理を体得させて竜宮島の宣伝をさせることにした。
三五教の教理を授けられた小糸姫は、勝手に五十子姫、梅子姫を参謀となし、宇豆姫と今子姫を侍女として女王気取りでまだ未開の竜宮島に上陸した。
五人は宣伝歌を歌いながら、竜宮島の中心地、萱野ケ原にやってきて、天津祝詞を唱えた。現地の住民は、五人を天女の降臨と思って集まり、拝礼し始めた。
そこへ、一つ島の棟梁と自称するブランジーという豪族がやってきて、武装した部下たちに五人を包囲させ、何者か問い質した。小糸姫は少しも恐れず、逆にブランジーに対して、自分たちは天津神の使いであると厳として申し渡し、帰順を迫った。
ブランジーの部下たちは武装を捨ててひざまずいた。ブランジーも我を折って帰順の意を表した。
ブランジーを従えた小糸姫は、黄竜姫と名乗って竜宮島に三五教を宣布し、その名を四辺に轟かせた。五十子姫は今子姫と共に、自転倒島の神素盞嗚大神の元へ帰って行った。梅子姫と宇豆姫が、黄竜姫の補佐として残った。
ブランジーは妻のクロンバーと共に黄竜姫の宰相と取り立てられて、姫の威光によって島中に名を轟かせるまでになっていた。
あるときクロンバーは黄竜姫のもとにやってきて、自分は元は聖地に仕えていた者であることを明かした。そして、自分は紛失した大切な如意宝珠の玉、黄金の玉、紫の玉を探しており、黄竜姫の天眼通によって玉のありかを知らせて欲しいと懇願した。
黄竜姫は、三つの玉は自転倒島に故あって隠されていると告げ、今は玉への執着心を離れてブランジーと共に国務に奉仕するように、と申し渡して姿を隠してしまった。
クロンバーとは黒姫の名を変えた姿で、ブランジーは高山彦であった。二人は竜宮島風に名を変えて、国人を使役して玉のありかを探していたのであった。
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02 05 〔735〕
一方、娘の黄竜姫に会うために蜈蚣姫一行は、部下を引き連れて船に乗って竜宮島に向かっていた。船には蜈蚣姫に表面上心を合わせた高姫が乗っていた。
大島に着いた一行は、水を求めて島内に進み入った。しかし数々の怪異に妨げられ、高姫は意識を失った蜈蚣姫らに責められて苦悶を味わう。そのさなかに真正の日の出神が現れて、高姫は戒めを受けた。
空中より巨大な光玉が現れて高姫の面前に轟然として落下した。ふと眼を覚ますと、蘇鉄の木の下に一同は倒れていた。蜈蚣姫らバラモン教の一行は、息も絶え絶えになって苦しんでいる。
高姫は思わず貫州を呼んだ。貫州は一人、水を見つけて瓢箪に汲んで戻ってきた。高姫は日の出神の訓戒も忘れて、バラモン教徒たちを置き去りにして、自分たちだけで竜宮島に渡ろうと貫州に持ちかけるが、貫州は高姫を諌めバラモン教徒たちに水を含ませて蘇生させた。
蘇生した蜈蚣姫やスマートボールは高姫を暗に非難するが、高姫はバラモン教徒たちの守護神が自分に懸って言ったのだ、と気にも留めない。高姫と蜈蚣姫はひとしきり、口合戦をやっている。
一同は貫州に水のありかを教えられ、ありったけの器に水を入れてまた船に戻り、西南に向けて出港した。
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02 06 〔736〕
船は無数の島嶼を縫って進んでいたが、にわかに深い霧に包まれて、船中の一同は当惑し始めた。
寂寥の気に満たされて、体内を何ものかがかき乱すような感覚に襲われ、頭部には警鐘乱打の声が聞こえだし、一同は少しの風にも身もだえして苦しんだ。
どこからともなく、嫌らしい声が頭上に響いた。声は天の八衢彦命と名乗り、蜈蚣姫と高姫に、善悪混淆で悪が足りないから大悪になり、大悪すなわち大善になれとを叱りつけた。
変性男子の系統を振りかざし、日の出神の生き宮を名乗っておきながら、肝心のときに神力を発揮できない高姫に耳の痛い説諭をする天の八衢彦命に対して、高姫はいちいち憎まれ口を言い返した。
天の八衢彦命は蜈蚣姫にも厳しい説教を垂れ、言霊を使って高姫・蜈蚣姫をやりこめる。そしてアンボイナ島の聖地に渡って再び教訓を受けよ、と告げた。
高姫と蜈蚣姫はすっかりやり込められたが、片意地を張って黙って俯いている。すると濃霧は晴れて、船はいつの間にかアンボイナの港に着いていた。
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02 07 〔737〕
南洋一の竜宮島とも讃えられるアンボイナ島は、雄島と雌島に分かれている。この地方の島には良い水がないのだが、アンボイナ島だけは島の至るところに清泉が湧き出している。雌島にはまた雄滝と雌滝(メラの滝)が懸っている。雌滝は人口の滝である。
蜈蚣姫と高姫の一行は、三個の宝玉はこの島に隠してあるだろうと慌てて上陸した。しかし船を磯端につないでおくことを忘れてしまったため、船はたちまち沖に流されてしまった。
そうとも知らない一行は島の奥地へと進んで行った。清らかな水で水垢離を取り、当たりの木の実を食べて元気が回復した一行は、玉への執着に憑かれて、それこそ島中の石や土をひっくり返して玉探しを続けた。その期間はほとんど三ケ月に及んだ。
蜈蚣姫と高姫は今度は磯辺に降りて大石小石を残らずひっくり返したが、玉らしきものはどこにも見当たらなかった。
スマートボールがようやく船が無いことに気づいて、蜈蚣姫と高姫に報告した。高姫は船の管理責任者を言いつけていた貫州に尋ねるが、貫州は高姫の本守護神が船を放り出せと言ったのだ、と答える。
蜈蚣姫に責任を問われた高姫は、捨て鉢になって、この島で天寿を楽しめば良いだの、海賊船が来たら奪えばいいだのと言って寝転がってしまう。バラモン教徒たちは高姫の我の強さにあきれてめいめい適当な場所に身を横たえて腰を据えた。
高姫は雄滝の麓に横たわって夢を見始めた。起きてみると辺りに誰もいないが、蓑笠などは置いてある。高姫は雌滝の方へと探しに歩いて行くが、濃霧に包まれてしまう。高姫は雌滝の側にしゃがんで、バラモン教の連中はどうなってもよいが、貫州に会わせてくれ、と祈願する。
貫州は雌滝の上に座っていたが、高姫のこの祈願を聞くと、濃霧を幸い造り声をして日の出神の託宣を始めた。高姫は自分こそ日の出神だと逆に説教を始める。貫州はおかしさに耐えかねて、押し殺した笑い声を発する。
高姫は貫州の笑い声をいぶかしみ、邪神の仕業と思ってますます叱り出す。そこへ蜈蚣姫がやってきた。貫州はまた造り声をしながら、高姫はバラモン教徒と表面心を合わせているだけで、実際には玉が手に入れば蜈蚣姫などはどうでもよいのだろう、と託宣する。
高姫は迷惑そうな顔をして、蜈蚣姫に邪神が仲たがいをさせようと思って言っているのだから気をつけるように、と釈明する。貫州は日の出神の声色で、蜈蚣姫に対して高姫に気をつけるように言ったり、蜈蚣姫の過去の行動を非難したりと二人を翻弄している。
すると島特産の巨大な熊蜂が飛んできて、高姫の頭にぶつかって蜈蚣姫の鼻に当たった。蜂は蜈蚣姫の鼻を針で刺した。
蜈蚣姫は高姫が不意打ちを食わせたと思って、バラモン教徒を呼んだ。高姫は一生懸命自分ではないと釈明する。貫州は、まだ滝の上から日の出神の託宣の真似をして滑稽なことを言っている。
やがて濃霧が晴れてきた。貫州は顔を見られまいとした途端に足を踏み外して、高姫の側へ落ちてきた。高姫に見咎められた貫州は、高姫の本守護神が自分にうつったのだと誤魔化す。
二人は、蜂に刺されて苦しんでいる蜈蚣姫を介抱しようとするが、蜈蚣姫は高姫が近づいてきたのを幸い、腹立ち紛れにかきむしった。
バラモン教徒たちはその場へ集まってきて、この光景を見てポカンと立ち尽くしている。そこへ三五教の宣伝歌が聞こえてくる。
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02 08 〔738〕
三五教の教主・言依別命は、玉能姫から高姫が玉への執着に囚われて海に漕ぎ出したと聞いた。言依別命は高姫が難儀をしているだろうから助けに行くようにと命じ、命を奉じた玉治別、初稚姫、玉能姫は船を作って高姫を追いかけた。
途中、馬関海峡の瀬戸の岩に、友彦、鶴公、清公、武公が難船しているのを見つけ、船に乗せて一緒に高姫を追いかけた。一行はアンボイナ島の海辺に高姫の笠が落ちているのを認め、濃霧の中を雌滝指してやって来たのであった。
一行は高姫を見つけ出して来意を告げたが、高姫はまた玉探しの妨害をしに来たと思って毒舌で一行を迎える。玉治別は蜈蚣姫が倒れて苦しんでいるのに気づき、鎮魂を施して癒した。
蜈蚣姫が涙を流して玉治別に感謝を表すと、高姫は、自分の神力によって玉治別が蜈蚣姫を治したのだ、と屁理屈をこねる。しかし蜈蚣姫に最前の態度をたしなめられて黙ってしまう。
蜈蚣姫は玉治別、玉能姫、初稚姫と初対面をし憎まれ口を叩く。しかし一行に混じって友彦がやってきたのを見て、娘に会おうと思って追いかけてきたのならさっさとあきらめて帰るように、と叱り付ける。
友彦は、東助によって罪を赦され、その代わりに高姫の救助に向かうようにと仰せ付けられて、清公、武公、鶴公と一緒に船出したが、難船したところを三五教の一行に助けられたのだ、と経緯を物語る。
高姫は、上手いことを言って玉を奪おうとして追って来たのだろうと、東助を始め一同を嘲弄する。高姫のあまりの悪口暴言に、さすがの蜈蚣姫も三五教徒らを気の毒がり、船を持ってきてくれたことに礼を言い、感謝の意を表した。
玉治別は、二艘の船を持ってきたので一艘は蜈蚣姫らに与え、もう一艘で聖地に帰ろうと高姫を促す。高姫は誰が玉治別に従うものか、と言うとむくっと起きて一目散に海辺に走り行き、大きい方の船に乗って一人漕ぎ出してしまった。
一同は呆れていたが、高姫は印籠を滝の側に忘れたことを思い出し、引き返してきた。そしてちょっと漕いでみたのだ、と言い訳をして、自分が戻るまで船を出さないようにと言い置いて滝に印籠を取りに行った。
一行は船を出して、十間ばかり沖で笑いさざめいている。高姫は浜辺に戻ってきて船を呼ぶが、友彦はわざと意地の悪いことを言って高姫をなぶる。高姫は仕方なく泳いで船の方にやってきた。命からがら船に手をかけると、貫州とスマートボールが高姫を船に引き上げた。
玉治別、玉能姫、初稚姫、鶴、武、清ら三五教の一行は何処へともなく帰ってしまった。蜈蚣姫、高姫らの一行に友彦を加えた船は、西南指して進んで行った。
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03 09 〔739〕
蜈蚣姫、高姫ら一行の船は、ニュージーランドの手前で暴風に会って吹きまくられるうち、一つの岩島に近づいてきた。見れば、その島には得たいの知れない黒い人影が二つ岩を駆け巡っている。
暴風を避けて船はこの岩島につき、一同は神言を奏上した。この声を聞いて二つの黒い人影は船に近寄ってきた。
友彦は、真っ黒な人影を見て、てっきりこれは玉の精が凝って玉のありかを知らせているのだと勘違いする。途端に高姫と蜈蚣姫は自分が玉を奪って相手を出し抜こうとの言い合いになる。
そうしているうちに、黒い影は一同の前にやってきて、自分たちはチャンキー、モンキーというシロの島の住人で、小糸姫を舟で竜宮の一つ島に送る途中に難船したのだ、と助けを乞うた。
蜈蚣姫は小糸姫の消息を二人に聞き質す。二人は難船で小糸姫は死んだものと思って、蜈蚣姫にそう報告する。それを聞いた蜈蚣姫はその場に泣き崩れてしまう。
高姫は、蜈蚣姫の愁嘆場にはまったく頓着なく、チャンキー、モンキーを締め上げて玉のありかを白状させようとする。まったく見に覚えのないチャンキー、モンキーは困り果てる。
蜈蚣姫は顔を上げると、恋しい娘が死んだとなっては破れかぶれだと、高姫に宣戦布告をする。高姫は憎まれ口を返していたが、貫州まで蜈蚣姫の側についてしまい、蜈蚣姫から死刑宣告を受ける。
さすがの高姫もうつむいて涙を流し始めた。蜈蚣姫は高姫の我を折ってやろうと皆と狂言をしたのだ、と高姫を安心させ、初稚姫や玉能姫に感じて自分も改心したのだから、高姫も思い直すようにと諭した。
しかし高姫は玉を取り上げられて、初稚姫や玉能姫に隠された怨みをぶちまける。そこへ急に海面が高くなり、一同は岩山のもっとも高いところに避難したが、船は流され、山岳のような波が容赦なく襲ってきた。
めいめい息も絶え絶えに宣伝歌を歌って覚悟を決めたが、そこへ玉能姫らの船がやってきて、皆を救い上げた。急な海面上昇は、南洋の島が地すべりで海中に没したために発生した災害であった。
高姫は、命を助けてくれた三五教一行に対して、悪口罵詈雑言の限りを尽くし、さらに鼻をねじあげようとする。貫州はついに見かねて高姫を制止し、海に落としこんでしまう。
玉治別が高姫を救いあげた。高姫は心配されても憎まれ口を叩き続けている。船中の人々は、まともに高姫の相手をするのをやめてしまった。
蜈蚣姫は玉能姫らに感謝の意を表し、娘が死んだと聞いては三五教に改心しようと申し出るが、玉能姫は、小糸姫が確かに竜宮の一つ島で女王となり、黄竜姫となっていることを伝えた。蜈蚣姫は大神様にお礼を言い、天津祝詞と感謝の辞を唱えた。
船は折りしも、ニュージーランドの沓島に差し掛かった。
本文
03 10 〔740〕
玉治別の漕ぐ船は、ニュージーランドの沓島にやってきた。上陸した一行は、島の人々の歓迎を受けた。友彦は言葉の通じないのを幸い、木の上に登って口から出任せの言葉を叫んだ。
友彦の出鱈目の言葉は、島の人々には、玉能姫と初稚姫は尊い女神であり、蜈蚣姫は一つ島の女王の母上だ、と聞こえた。そのため玉能姫、初稚姫、蜈蚣姫は非常に歓迎を受けた。
玉治別やスマートボールも樹上に登って出鱈目な言葉を叫ぶ。スマートボールが叫ぶと、島の人々は高姫を取り囲んで尻をまくって馬鹿にし始めた。高姫は怒るが、高姫の言葉は島の人々にはまったく通じなかった。
玉能姫は、樹上の玉治別に、すぐに一つ島に行かなければならないと告げた。島の人々は一斉に散って、豪華な船をしつらえて持ってきてくれた。
島の人々は玉能姫、初稚姫、蜈蚣姫らを豪華な船に乗せた。玉治別らは自分たちが乗ってきた船に乗った。島の人々はなぜか、高姫とチャンキー、モンキーだけは泥舟に無理矢理乗せてしまった。
島の人たちは船を漕いで、一行を一つ島に案内した。玉治別は島の神霊に感じて、南洋語をにわかに感得し、島の言葉で宣伝歌を歌った。島人たちはこれを聞いて、感涙に咽んだ。
一つ島に着くと、ニュージーランドの酋長は一つ島の黄竜姫に到着を告げに先に出立した。他の人々は丁重に手車に乗せられて案内されたが、高姫だけは道中非常に侮辱を受けながら連れて行かれた。
黄竜姫の使いとしてブランジーが現れ、蜈蚣姫を輿車に乗せ変えて迎えた。一行は城内に入った。玄関にはクロンバーがいた。玉能姫、初稚姫は黒姫だと気が付き、声をかけた。
黒姫は南洋に玉を探しに出ていた経緯を語ったが、今は黄竜姫の宰相として仕えていると権力を楯にして、三五教の面々を見下した態度をあらわにした。
そこへ、惨めな姿で高姫が現れた。高姫を認めた黒姫、高山彦は、お互いに涙を流して喜び合い、手を取って城の中へ姿を隠した。この様を見て、玉治別、初稚姫、玉能姫ら一行は密かに裏門から城外にのがれ、裏山の森林に姿を隠して休息した。
本文
03 11 〔741〕
黄竜姫の奥殿では、蜈蚣姫と小糸姫(黄竜姫)が久しぶりの親子の対面を果たしていた。小糸姫は、今は五十子姫、梅子姫の感化によって神素盞嗚尊の教えを奉じて三五教に帰依していることを明かした。
蜈蚣姫はこの物語に驚いたが、友彦のことを許すかどうかと娘に尋ねた。案に相違して小糸姫は友彦をずっと想っていたと明かし、友彦を城内に迎えるとまた縁りを戻してしまった。
と思いきや、これは友彦の夢であった。友彦は玉治別らと一緒に城外に逃れて茂みの中で寝てしまっていた。寝返りを打ったとたんに二三間下の岩に墜落して、腰をしたたか打ってしまった。
本文
03 12 〔742〕
高姫は、黒姫と高山彦に招かれて、宰相室で懐旧談に時を費やしていた。高姫は、玉を隠したのは言依別命の指図らしいと黒姫と高山彦に伝えた。
高姫はまた、自分の非を棚に上げて、玉能姫、初稚姫、玉治別らを悪しざまに告げた。黒姫と高山彦は怒って、宰相の権限で一同を捕らえようと城内を探させたが、どこにも見あたらなかった。
そのうち、三人は黄竜姫からお呼びがかかって姫の居間に通された。蜈蚣姫は、高姫の旅の途上の意地悪に皮肉を言うが、高姫は自分は世界を救う日の出神の御魂だから一つ島の女王より上だ、と言い放って上座に着いた。
高姫は、黄竜姫の玉座の下に秘密の扉があると聞いて、そこに玉が隠してあるのではないか、と疑っていたのであった。黄竜姫は不機嫌になり、これは黄竜の毒気を抑えているのだと注意をするが、高姫はますます疑いの念を強めて、蓋を開けて中を覗き込んでしまった。
高姫は、竜の毒気に当てられて、あっと叫んで倒れてしまった。高姫は、黒姫と高山彦に担がれて退出する。高姫は息を吹き返すと、黄竜姫に対して顔向けができないから、一緒に城を抜け出して玉能姫らを追っかけようと提案する。
黒姫が同意したところへ、高山彦の部下がやってきて、宣伝使らは城内に見当たらず、城外に逃げ出したと思われると報告に来た。高山彦と黒姫は、遂に重臣の地位を捨てて、タカの港から船を漕ぎ出して行ってしまった。
これを霊眼によって見届けた三五教の一行は、城内に戻ってきた。一行は黄竜姫から道中の援助を感謝され、饗応された。いよいよここに三五教を確立した。一行は梅子姫と宇豆姫と手分けをして全島に三五教の大道を宣伝した。そして自転倒島の聖地に凱旋することになった。
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04 00 - 本文
04 13 〔743〕
初稚姫一行はネルソン山の山頂で祝詞を唱えていたとき、強風に吹き煽られて、山頂から墜落してしまった。一つ島は、ネルソン山より東側は黄竜姫が治めていたが、西側は猛獣毒蛇が多く、人が立ち入れない場所と考えられていた。
しかし実際には、相当数に人間が住んでいたのである。この地に住む人々は、勇猛で身体大きく、男女共に顔面に刺青をしていた。これはこの地に多い猛獣や毒蛇を避けるためである。
ジャンナの里のジャンナイ教は、肉食を厳禁し、肉食を犯した者はネルソン山西麓の谷間に集まって贖罪の生活を為していた。酋長の娘・照姫が、贖罪の道を教えるためにジャンナイ教の教主となっていた。
ジャンナイ教には、鼻の赤い神が救世主として降る、という伝説があった。そこへ、ネルソン山の強風に吹き煽られた友彦が墜落してきた。
友彦が息を吹き返すと、刺青をした人間たちが自分を取り囲んでいた。しかし自分を崇めているような様子から、これは自分を天から降った人種だと思って奉っているものだと日ごろの山師気を起こし、言葉が通じないのをよいことに、天を指差したり五十音を発生したりしてそれらしく振舞っていた。
やがて友彦は、ジャンナイ教の照姫のもとに連れて行かれた。ジャンナイ教主である照姫だけは、刺青をしていなかった。そこで照姫と友彦は結婚の儀式を行い、祝いの歌が響き渡った。
そこへ同じようにネルソン山から吹き落とされた玉治別が担ぎ込まれてきた。玉治別は友彦がわけのわからない言葉で歌っているのを聞いて、思わずふき出した。
玉治別は言葉が通じないのをよいことに、友彦の悪行を里人に向かって説法したり、友彦をからかっている。友彦は照姫に連れられて別室に行ってしまった。
すると屋根の上から木の実が玉治別の顔に落ちて、鼻が赤く腫れ上がってしまった。ジャンナイ教の従者はこれを見て、友彦より鼻の赤い立派な神様が現れたと思い、照姫のところに連れて行った。
すると照姫は玉治別の方を気に入ってしまい、友彦に肘鉄を食わした。友彦と玉治別がやりあっている間に、玉治別の鼻は紫になり、黒くなってきた。すると今度は玉治別が肘鉄を食わされてしまった。
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04 14 〔744〕
玉治別は次の間に押し出され、そこで天然の岩鏡に写った自分の黒ずんだ鼻を見て、照姫が自分に肘鉄を食わした理由を覚った。そして、木花咲耶姫命に鼻を直してもらうように願った。
玉治別が赤い鼻になるように願うと、鼻は鮮紅色になった。玉治別は友彦をからかったことを反省し、次の部落に宣伝に行くことを決めて部屋を出てきた。ジャンナイ教徒たちは、玉治別の赤い鼻を見て畏れ驚き、次の部落への境界まで胴上げして送って行った。
玉治別が山道に佇んでいると、大きな白狐が現れた。玉治別が白狐について行くと、谷川から玉能姫、初稚姫の祝詞の声が聞こえてきた。玉治別が急いで谷川に降っていくと、そこに二人の姿はなく、大蛇がいるのみだった。
玉治別は自分が友彦を面白半分にからかっていたために、二人の危急の場に間に合わなかったと激しく反省し、また大蛇にたいしては大神に人間界に生まれ変われるように祈りを捧げた。
大蛇は感謝の意を表して去っていった。次に猩猩の群れが現れた。玉治別が天津祝詞を唱えると、猩猩たちは感謝した。大きな猩猩に促されて、玉治別は背に負われて運ばれていった。
するとその谷川を巨大な大蛇が通り過ぎていった。玉治別は猩猩に助けられたのだった。玉治別は感謝の意を表して宣伝歌を歌い、祝詞を唱えて指頭から霊光を発射した。すると猩猩の精霊が現れて玉治別に感謝の意を表すと、玉能姫と初稚姫は無事であることを告げ、煙のように消えてしまった。
玉治別は森林の中に端座して祝詞を上げていると、後ろから刺青をした男たちが現れて、玉治別を見て尊崇の意を表した。男たちは玉治別を担いで自分たちの村に連れて行った。
ここアンナヒエールの里の大将はタールスと言い、やはり一人だけ刺青をしないタールス教の教主で、三十格好の大男であった。玉治別は片言ながらこの地の言葉を話してタールスと意を通じた。タールスは玉治別を尊敬して丁重に扱った。
そのころ、アンナヒエールの里に玉能姫と初稚姫がやってきた。里の酋長チルテルは、二人の美人の前に進み出て、玉能姫の手を取ろうとした。玉能姫は驚いて思わず手を払いのけた。
チルテルは親切心から迎え入れようと思ったのだが、手を払われて非常な侮辱を受けたとみなし、里人に命じて二人を取り囲んだ。チルテルは二人に、タールス教主の女房となるようにと迫った。しかし二人は白狐に守られていることが見えていたので、何の恐れもなく男たちをかわしていた。
チルテルの知らせを聞いた玉治別は、直ちにここに連れてくるようにと命じた。タールス教主の女房にしたらどうか、とチルテルとタールスに問われた玉治別は、この二人は天から降された天女であり、人間の女房にすると神の怒りを受けると告げて、思いとどまらせた。
玉治別はここに滞在して言葉をすっかり覚えると、玉能姫、初稚姫とともに里人たちを強化し、タールスやチルテルを立派な神司になした。
二三ケ月後、三人は里を立ち出でて西北指して山伝いに宣伝に出立した。タールスやチルテルは涙ながらに三人を見送った。
本文
04 15 〔745〕
三人は、チルテルらに送られてイルナの郷の境界にやってきた。ここで三人は休息して、これまでの経緯を語り合った。玉能姫と初稚姫は、白狐に導かれて岩窟に隠れていたため、巨大な大蛇の谷川渡りの難を免れたのであった。
すると谷底より男女の悲鳴が聞こえてきた。大蛇がまさに二人を締め上げて飲み込もうとしていた。玉治別はその場に駆けつけると、天の数歌を数えて霊光を発射し、二人を救出した。
玉能姫と初稚姫が二人を介抱し、魂返しの業で息を吹き返した。二人は久助とお民であった。二人はやはりネルソン山より吹き煽られた顛末を語り、三人に感謝をした。
二人を呑もうとしていた二匹の大蛇も息を吹き返し、五人に向かって涙を流して謝罪するごとくであった。玉治別は神言を上げてあげようと言い、五人が繰り返し神言を奏上すると大蛇は白煙となって天に昇って行った。
五人はイルナの山中を宣伝せんと歩いていた。すると獰猛な男たちに囲まれてしまった。しかし男たちは玉治別の赤い鼻を見ると、態度を一変して尊崇の意を表した。
一行は男たちに案内されて、アンデオという原野の中の小都会にやってきた。現地の人々が崇める竜神の祠に案内され、祈願を籠めた。祠の後ろには、蓮の形の湖水が、眼も届かぬばかりに水をたたえていた。
祝詞を唱え終わった玉治別は、祠の前に佇立して、これまでの来し方を宣伝歌に歌った。初稚姫、玉能姫、久助、お民もまたこの諏訪の湖水に向かってこれまでのことを歌に歌った。
紺碧の湖面はたちまち十字に割れて、湖底には珊瑚の森の中に金殿玉楼が見えた。そこから女神を従えて、玉依姫命が五人の前に現れた。
玉依姫命は五人に、この湖に七日七夜の禊を修して、ネルソン山以西に宣伝をなし、竜宮島の国人からもその功績を認められるに至った暁には、竜宮の神宝を授けるので、それを言依別命教主に奉納するように、と申し渡した。
五人は感謝の涙にくれ、禊を修しておのおの竜宮島の宣伝に赴くこととなった。
本文
04 16 〔746〕
一つ島の諏訪の湖の神宝は、皇大神が三千年の遠い昔から、ミロク神政のあかつきに厳の御魂と現して神の御国を固めようと秘めておいた珍宝であった。
一つ島の奥深く諏訪の湖まで達した五人の宣伝使は、善一筋、人に譲る三五の特性を培い、禊を終えた後は大野ケ原を進んで行った。この湖辺の野原は金砂銀砂が敷き詰められて道をなしていた。
すると向こうから十五人の悪漢が現れて、五人にいきなり殴りかかり、さんざんに打ち据えた。五人は十五人に感謝し涙に咽んで手を合わせた。五人の態度にさしもの悪漢も陳謝の涙を流しひれ伏して詫びた。
ふと五人が後を振り返ると、十五人の悪漢の姿はどこにもなかった。初稚姫は、あれは木花咲耶姫命のお気付けだったと一行に告げた。玉能姫一同は、感謝の涙を流した。
さらに進んで行くと、祠の前で熱心に祈願している老人に出会った。ふと声を掛けると、男は体中が膿み腐れる病気にかかっていた。そして女の唇で膿を吸ってもらえると治るので、宣伝使なら人助けに吸ってくれないか、と懇願した。
玉能姫、初稚姫、お民は何のためらいもなく全身の膿を吸い始めた。すべての膿を吸いだし終わると、五人は男を囲んで天津祝詞を奏上した。男は喜び感謝し、元気に歩いてその場を立ち去った。
五人は結構な神徳をいただいたことを感謝し、西へ西へと宣伝歌を歌いながら進んで行った。これより五人が西部一体を試練に会いながら宣伝してオーストラリヤ全島に三五教を宣布する物語は、後日詳述することとなる。
因みに初稚姫の御魂は三十万年後に大本教祖出口直子と顕れ給う神誓である。
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高天原の天界には、地上と同じく住所や家屋がある。天人が生活することは、地上の人間が生活するのと似ている。天人とは人間だからである。
現実界すなわち自然界とは、霊界の移写なのである。それゆえ、霊界の事物は自然界と同様なのである。
天人も現界人と同じく名誉富寿を願い、また進歩や向上がある。向上が進むにしたがって立派な地所や家屋に住み、光輝ある衣服を着るのである。その徳に応じて主神から与えられる。疑いを捨てて天国の生活を信じるときには、自然に崇高偉大な事物を見るべく、大歓喜を摂受することができるのである。
天国にも士農工商があるが、ただ各自能力を発揮して公共的に尽くすのみである。天国における士とは軍人ではなく宣伝使である。人間は意志感情や事業を死後の世界まで継承するのである。
天国霊国にも貧富がある。生前にその財産を善用し神を信じて神を愛するために活用した者は、天国において富者となる。公共のために財産を善用した人は、中位の富者となる。私利私欲のためだけに使った者は、貧者となる。
死後の世界において歓喜の生涯を送るためには、現世においても神を理解し信じ愛し、現世においても歓喜の生涯を生前から営んでいなければならない。現世的事業を捨てて山林に隠遁した者は、やはり死後においても生前と同様、孤独の生涯を送る。
天国に安全な生活を営もうと望むなら、生前に各自の業を励み、最善の努力を尽くさなければならない。
また宣伝使は宣伝使としての本分を尽くすべきである。世間心を起こして宣伝使の業を行ってはならない。神の道を舎身的に宣伝し、天国と霊国の状態を知らしめ、世人に光明の歓喜を伝えることに心を砕かなければならない。
主の神は、仁愛の天使を世に降し、地上の民を教化するために月の光を地上に投じたもうたのである。宣伝使はこの月光を力として自己の霊魂と心性を磨き、神を信じ愛し理解し、これを万民に伝えなければならないのである。
天界地上界の区別なく、神の道に仕える身魂ほど歓喜を味わう幸福者はないのである。
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天界においても、宮殿や堂宇があって、神を礼拝し神事を行っている。説教また講義を行うのは宣伝使である。天人は智的また意的福音を聴く事によって、ますます円満たらしめようと望むからである。
智は智慧に属する真理により、意は愛に属する善によって常に円満具足の領域に進んで行く。
天界の説法は、天人各自が処世上の事項について教訓を垂れるに留まっている。説法者は高い講壇の中央に立ち、聴聞者は円形に座っている。殿堂や説教所は天国では木造に見え、霊国では石造に見える。
宣伝使はすべて霊国から来る。天国浄土においては、愛の徳によって真を得て知覚するのであり、言説をあえて試みることはない。
神の祭祀を行うのは霊国ではなく天国に住む天人の業である。祭祀の神業は、霊国に住む主の神の愛の御徳に酬いるべく奉仕することなのである。
高天原の主権は霊国にある。説示の主眼は、主神の備える神的人格を各人が承認するべく教えていく、そのことを除けば他にはないのである。これを思えば現界の宣伝使も、主の神の神格威厳を他にして説示することは無いはずである。
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