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霊界物語あらすじ

説明を読む
ここに掲載している霊界物語のあらすじは、東京の望月氏が作成したものです。
まだ作成されていない巻もあります(55~66巻のあたり)
第13巻 如意宝珠 子の巻 を表示しています。
篇題 章題 〔通し章〕 あらすじ 本文
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この物語は、全巻を通じて三大潮流が渦巻く大編著であるから、一冊や二冊拾い読みをしたくらいでは、到底その真相を捉えることはできないのである。
まず全巻を読み終えた後でなければ、いかなる批判も加えることはできない。
中には、御伽噺の出来損ないみたいな批評を加えている人もいるようだが、霊界物語は少しも人意をくわえない、神の言葉そのままを写すのだから、この点をとくと考えていただきたい。
仁慈無限の神様より万物を見れば、一切が善であり愛である。ただ人間としての行動から誤解が生じ、それからもろもろの罪悪をひきおこし、邪気と成り天地を曇らせ、神を汚し道を破り、自業自得的に災禍を招くのである。
この神著によって、善悪不二、正邪一如、顕幽一致の絶対的な真理は、明白になると確信するものである。
この物語は宇宙精神の一斑を説示したものである。病人がこの物語を聞かせられてたちまち全快するのも、人間の頭脳の栄養物であるからである。大本の大精神ものこの中にあり、信徒の羅針盤となるべきものである。
また洋の東西や人種を問わず、修身斉家の基本、国を治める規範となるべきものである。
大本信徒においては、心の障壁を取り払って虚心坦懐に、本書に包含されている五味の真相を明らかにして欲しい。
こう記す間に、万寿苑瑞祥閣の上空に二羽の鴻鶴がゆるやかに飛翔し、しばらくして大公孫樹に一羽、堀端の松に一羽、羽を休めてついに竹林に姿を隠した。丹波で鶴を見るのは数十年来ないことで、大本瑞祥会に対する何らかの神示慶徴であろうと、役員らの口々の評定に上っていたことを記す。
本文
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天孫降臨以来、幾万年を経た今、ふたたび吾が同胞に大希望の光明が身魂に充満している。
顧みれば天地初発のとき、大地球がまだ凝固していなかったので、天神は国祖に対して、ただよえる国を造り固めよ、とお命じになった。我が祖先はこの神勅を奉じて、世界の中心として我が神国を修理固成された。
それ以来日本民族は、神勅を奉じて祖先の志を継ぎ、天の下四方の国を平らけく治めようと、静かにこの神洲に修養しながら幾万年もの年を重ねた。
今ようやく、その潜在力を蓄積しつつある。東洋文化を吸収し、西洋文明をも集めつつある。
吾等神洲の神民は、世界文化の粋を一身に集めてこれを消化し精錬し、天祖の遺訓と父母祖先の志を発揮し、もって世界的文明の建設という大業を為すべき、一大天職を担っているのである。
過去の歴史と現在の趨勢を考えると、建国の一大精神が世界人類のために建設されたことを知るに至るのである。大正の御代の現在は、このような大いなる意義を持つ時代なのである。
私は大本開祖の御神訓である、「お照らしは一体、一つの王で治める、日本は神国であり神が出て働く、日本の人民用意をされよ」という活きた教えを遵奉し、またこの天啓が現代の民心にますます欠くことができないものであることを、深く信じるものである。
(一)神旗の由来
十曜の神旗は、日本の国体をあまねく世に知らしめ、日本魂の根本を培養するために、開祖が開教の主旨に基づいて考案したものである。上古天照大神が岩戸にお隠れになったとき、天宇受売命が歌い給える天の数歌に則っている。
第一球は正上に位し、宇宙の大本である混沌鶏子の色となす。
第二球は白色。
第三球は黒色。ここまでは、宇宙の実相である真如を開発して、陰陽二元になる形を造ったものである。
そして、二元が感合して森羅万象を生じることから、四から十までを七元色に分別して、日月火水木金土の七曜に配し、すべての球を神統に配して、国体の真相を知らしめようとするものである。
色別
神旗十曜の色別は、光学上の色の別である。正上の第一球を卵色としたのは、天地が未剖の前の混沌とした鶏子の色を採り、宇宙開発以前の真如を形造ったものである。
光学上の卵色とは、各色の光線が一様に集まって何色とも分別しがたいように、宇宙の真象が万有の終始をなし、統一を保有するをもって、このように定めたのである。
また、第二球を白色、第三球を黒色としたのは、天地剖判にあたって太極が動いて陰陽が生じた形を造ったのである。二元が相交わって、下の七元色から無数の色が生じるのは、森羅万象が生じるごとくである。
以下の七元色は、順序の説明による。万有が生滅変化やまざる無いがごとくである。
すべての色の本は、黒白の二色であり、二色を統一するのは卵色である。
数別
数別は、天の数歌に則っている。天の数歌は、天之宇受売命に始まる。後世は鎮魂祭にて猿女君が歌って天皇の長寿を祈ったものである。
『ひと』は霊妙にして活気の最たるものである。
『ふた』は宇宙の本体が霊機の力によって初めて開発されることを言う。
『み』は物体である。
三大要素が『世』になる。
『出つ』と数える。
動物植物が『萌ゆ』。
万有が『生成』、『弥』、『凝る』
そして人生の事『足る』。
このように、日本語の基数は天地開闢・人生肇出の沿革を語ったものである。
天の数歌に則ったのも、知らず知らずのうちに宇宙進化の理法により、国の始めの精神、立教の主旨をあまねく世人に教えようというものである。
神統別
神別について略解する。宇宙の本体を人格化して、天之御中主神と称し奉る。
宇宙の活動力を人格化して高皇産霊、神皇産霊の神と称し奉る。混沌たる無始において、三神が造化の首を為す。二神は夫婦の道を開き、国土山川を生み、日月星辰を生み、風雨寒暑、草木、動物、人類を生み給うた。
こうして、我が国の始めにあたり、天神は長く統を垂れ給い、連綿として今日に至るのである。
日本国民はこの深厚なる神徳によって陛下の民として生まれ、陛下は吾らが宗家の嫡子にまします。今上にましまして吾ら下を治め給う。これは吾ら大祖先が無始より吾らを愛護したまうものなのである。
そのことに報いるためには、まず忠君愛国であることを信仰することで、天賦の職責を果たし人生の面目を達する。そうして宇宙造化の功に資するのは、人生最大の幸福である。
私は悠々たる天地の間に、これをもって生き、また死し、ここに住して安心立命し、この境に入って天国楽園の真の楽を稟ける。
大本が十曜を神旗と定めたのは、実にこの精神に基づいたものなのである。正上の第一球を一とし、正中の一大球を十としたのも、大本の神旗であるから、大本皇大神を正中に配したのである。
(二)霊力体
神徳が広大無辺であることは、人間の知恵でよくうかがい知ることができないものである。
しかし私は静かに天地万有が燦然として秩序あることを観察し、また活物の状態を仔細に観察して、明らかに宇宙の霊力体の運気妙用を知るに至り、神がこの世に厳として臨み給うこと、疑いの余地がないまでに至った。
天帝は唯一神にして、天之御中主神と称す。宇宙の神光を高皇産霊神といい、神温を神皇産霊神という。
天帝は宇宙万有の大元霊であり、幽之幽にまします。視ること語ることのできない隠身である。神光は天帝の光であり、神温は天帝の温である。共に造化生成の妙機にして、独立不羈の神徳なのである。
天帝は無始無終である。無始無終の力と体をもって、万物を造る。天帝は勇・親・愛・智をもって魂となした。また動・静・解・凝・引・弛・分・合をもって力となした。剛・柔・流をもって体となした。
全霊
全霊は、荒魂は神の勇、和魂は神の親、奇魂は神の智、幸魂は神の愛である。直霊というものが、これを主宰している。
俗学不識の輩は、荒・和を心の体とし、奇・幸を心の用としているが、直霊を知らない。悲しいことである。
全体
剛・柔・流の三つが、上帝の全体である。流体を生魂と唱え、葦芽彦遅と称す。剛体を玉留魂と唱え、常立と称す。柔体を足魂と唱え、豊雲野と称す。
剛体は鉱物の本質、柔体は植物の本質、流体は動物の本質である。
全力
動、静、解、凝、引、弛、分、合の八力を、上帝の全力と称す。神典では、動力を大戸地、静力を大戸辺、解力を宇比地根、凝力を須比地根、引力を活久比、弛力を角久比、合力を面足、分力を惶根と言う。皆、日本各祖の所名である。
全智全能之真神
霊、力、体が合一したものを上帝という。真神というも、上帝というも、みな天之御中主大神の別称である。
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01 01 〔527〕
天の岩戸
誓約に勝った須佐之男の陣営は、勝ちに乗じて荒び暴れまわった。しかし天照大御神は見直し詔り直し、善意に解釈していた。
しかし機屋に天の斑駒の皮を落とし入れて神衣織女が亡くなった事件を契機に、天照大御神は天の岩屋戸の中に隠れてしまった。高天原も葦原の中津国も、常夜となり暗くなってしまった。災いがあちこちで起こった。
そこで八百万の神々は、思兼神を議長にして会議を開いた。石凝姥命に八咫の鏡を作らせ、玉の御祖命には八坂の勾玉を作らせ、天の児屋根命や太玉命には鹿の骨で占いを行わせた。そして祭祀の準備をさせた。これが顕斎のはじめである。
そして天之宇受売の幽斎によって、皇大神を岩屋戸から開き出だしたのである。
鎮魂
日出る国の国体が、他に優れて比類ない理由を、この国の民として究め覚らないわけにはいかない。
万世変わらぬ天津御祖の定めた皇大君のしろしめす国は、日本だけである。神代の昔、那岐那美の二尊が修理固成の大御神勅の実践により国を産み、青人草や山川・木草の神を生み、ついには天照大御神、月夜見大神、速須佐之男大御神をお生みになった。
伊弉那岐大神は、天照大神は高天原、月夜見大神は夜の食国、速須佐之男大神は大海原を治めるように、と言いつけた。
伊弉那岐大神は、首の八坂勾玉の五百津御魂美須麻琉を玉緒もゆらに取り揺らし、高天原を治めるべく日の大神に賜った。これがその魂を取り憑けて、日の神国の主宰神たらしめるという御術である。これが鎮魂のはじめであり、治国の道の要である。
天照大御神は、その神業を受け継いで、二二岐命に統治権を譲られた。その御しるしが、三種の神器である。これより代々の天皇は、その大御心を受け継いで即位の御制度となされた。
これが鎮魂の御徳であり、尊奉崇敬怠らずに神の御神威を仰ぐべきである。鎮魂の神業は、天津御祖が定めた顕幽不二の御法であり、上は治国平天下、下は修身斉家の基本である。
それだけでなく、この道は無形無声の霊界を明らかにする基礎でもある。
神の御国に住む人は、邪な道を捨てて、神術に心を清めて身をゆだねて、霊魂の活動を鍛えるべきである。
国家多端のこのときにあたり、神洲男子はやまと魂を世界に輝かし、天に代わって功績を立てよ。直霊を経となし、厳の魂を緯となして、八洲にわだかまる悪魔が亡ぶまで進め。
富士山
フジのフは、地球の中心から金剛力を持って火焔を噴出すこと。ジは火脈の辻であり、滲み出す言霊である。
フジの霊返しはヒであり、日であり霊である。いつまた活火山と復するかもしれない神山である。
言霊の活用を思考するとき、富士山とは大日本国の表徴にして、神国と神民がその最優秀なる天職を発揮して、世界の万国を教え救うという神国天賦の本能を現している。神霊の活用する神峯ということである。
富士山は、日本国の崇高なる意義を代わりに表した神の山なのである。
以上の数篇は、大正十一年一月号の神霊界に所載したものである。そのうち、神旗の由来、霊力体、天岩戸、鎮魂等の章はいずれも、明治三十三年の王仁の旧作を再録したものである。
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01 02 〔528〕
黄泉島の沈没により、波斯の海面は水かさが増し、低地は冠水してしまった。波斯の港に向かう鶴山丸には、日の出別命をはじめ、ほかにウラル教の宣伝使らが数名乗り込んでいた。
ウラル教の宣伝使たちは、竜宮島に渡って三年間宣教を行ったが、竜宮島の司である三五教の飯依彦の堅固さに打ち破れず、すごすごと帰ってきたのであった。
一同は、この失敗をどうアーメニヤに復命したものかと、思い悩んでいる。
突然、鶴山丸は暴風怒涛に襲われ、船は沈没するかと見えた。しかし三五教の日の出別命は、ウラル教の宣伝使たちに、正しい道に立ち返るように呼びかける宣伝歌を歌った。すると、暴風はたちまち鎮まった。
ウラル教宣伝使のリーダー・岩彦は、仲間の梅彦、音彦、亀彦、駒彦、鷹彦に、なんとか三五教の宣伝使を打ち負かそうと案を募るが、亀彦や梅彦は、三五教の神力に降伏して向こうの弟子になろう、と言い出す。
三五教の宣伝使とあくまで戦うのか、降伏するのか、一同が思案しているところへ、またしても暴風雨がやってきた。
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01 03 〔529〕
またしても船が暴風に襲われ、岩彦は仲間から、お前が改心しないから神の戒めにあうのだ、と責められる。
しかしいよいよもうだめだというときに、一同は変な刹那心を発揮して逆に勇気を奮い、日の出別宣伝使に対抗しようと、しどろもどろにウラル教の宣伝歌を歌い始めた。
そうするうちに船は暴風に流されて波斯の海岸のタルの港に着いた。
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01 04 〔530〕
日の出別宣伝使は上陸し、フサの都さして出発した。ウラル教の六人の宣伝使たちはその後をそっとつけていく。
砂塵を浴びながら原野を進み、日の出別命はシヅの森に着いて、一夜を明かすことになった。
ウラル教の宣伝使たちも到着し、点呼をするが、肝心の岩公がはぐれてしまったことに気づく。仲間たちは、岩公は普段いばっているからその報いだ、と話あっていたが、そこへ闇の中から大きな声が聞こえてきた。
暗がりの大声は、アーメニヤの神都は荒廃し、ウラル教にもはや勢いはないとして、三五教への改心を迫った。
化け物のような声にどう対処しようかと一同が相談していると、巨大な光が現れて、その中から恐ろしい朱色の顔をした怪物が、舌先に人の首を乗せている。よく見れば、岩彦の首であった。
鷹彦は怒って、岩彦の敵とばかりにウラル教の宣伝歌を歌って化け物をやっつけようとするが、化け物は、ウラル教の宣伝歌を聞くとかえって気分がよくなる、と言う。
仕方がないので、三五教の宣伝歌をうろ覚えで歌うが、それは梅彦、亀彦、駒彦、音彦に食いつけよ、というおかしな歌であった。
仲間は鷹彦を責めるが、鷹彦は、実は自分は三五教の宣伝使であり、今までウラル教に潜伏して布教の妨害をしていたのだ、と正体を明かす。
と、化け物の口から岩彦が落ちてきた。そこで一同は目を覚ます。シヅの森でみな夢を見ていたのであった。
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01 05 〔531〕
どうも奇妙なことが続くので、岩彦を中心にウラル教の宣伝使たちは会議を開いた。そして、すぐ側に寝ている日の出別宣伝使をチャンスとばかりに襲おうとする。
しかし鷹彦は反対し、三五教に降参するべきだ、と異論を唱える。一同は、先ほどみなが同じ夢を見て、その中に三五教の回し者が一人潜伏していると出ていた、と口々に怪しみ出す。
鷹彦は自ら、自分がその宣伝使だとほのめかす。一同は鷹彦に詰め寄るが、鷹彦は今まで気がつかなかった仲間たちを笑っている。
ウラル教の宣伝使たちは鷹彦に殴りかかるが、鷹彦はひらりと身をかわし、同士討ちになってしまう。いきり立ったウラル教徒たちは、暗闇の中でますます同士討ちをしたり、木にぶつかったりしている。
鷹彦は姿を現して、自分の背中に羽が生えているのを見せ、羽ばたきして見せた。ウラル教の宣伝使たちは恐れおののいて、ついに三五教への降伏と改心を誓うに至った。
このとき闇の中より、傍らの茂みのなかから涼しい声で宣伝歌が聞こえてくる。
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01 06 〔532〕
シヅの森で鷹彦に降参した五人のウラル教の宣伝使たちのもとに、どこからともなく改心を促す宣伝歌が聞こえてきた。
宣伝歌は、ウラル教の宣伝使たちに、お前たちも神の子神の宮であり、この世を作りし大神はただ一柱いますのみである、本津御神を振り捨てて枝葉の神を敬うことをするな、と戒めていた。
宣伝歌の主は、日の出別命であった。鷹彦は名乗りを上げて挨拶をする。日の出別命は五人の改心の任を、鷹彦に任せた。
鷹彦は一同の中でもっとも頑固な岩彦を降参させた。これ以降、一行は日の出別命の信者となり、フサの都に宣伝歌を歌いながら進んで行くことになる。
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02 07 〔533〕
一行七人は北へ北へと進み、フル野ケ原に進み入ってきた。ここで一行は野宿をすることになった。日の出別命はすぐにごろりと横になり、寝についてしまう。
一同は日の出別命の豪胆さと刹那心に感心していたが、言い争っているうちに日の出別命の姿は消えてしまった。六人は騒いでいると、血なまぐさい風がさっと吹いてきた。
生い茂る茅の中から、黒い顔がぬっと現れて六人に笑い、吠えだした。岩彦は化け物に対して憎まれ口をたたき、尻を叩いて挑発する。
化け物は、岩彦の尻に食いつこうと言うと、岩彦は腰を抜かして動けなくなってしまう。鷹彦は岩彦をたしなめてからかっている。そのうちに、化け物は挨拶をして消えてしまった。
化け物が去ったので、腰が立った岩彦はまた調子に乗って法螺を吹いている。どこからともなく、化け物が三五教の宣伝歌で、またしても岩彦の脂を絞ってやろうか、と歌っている。
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02 08 〔534〕
夜が明けて、岩彦は今度こそ我が折れたと鷹彦に認めた。しかし日の出別宣伝使の行動が腑に落ちないと疑問を呈するが、鷹彦は一兵卒に御経綸がわかってたまるか、と諭す。
鷹彦は、腹ごしらえをしてフル野ケ原の醜の窟に巣くう魔神どもを言向け和しに行こう、と提案する。そして、昨日の化け物は、魔神たちの偵察に違いない、と言う。醜の窟には六つの入口があるので、めいめい一人ずつ進んで行くことにした。
一行が原野を進んで行くと、屏風のように長く突き立った岩山が見えてきた。その上には一人の人影が見える。それは日の出別宣伝使であった。日の出別は宣伝歌にて、醜の窟の入口がふさがれていてわからないが、ここを清めて三五教の教えを顕すべし、と歌っていた。
岩彦は昨夜の化け物のことを報告し、自分の言霊で追い払ったかのように吹聴する。しかし日の出別は岩彦が腰を抜かしたことを知っていて、化け物の口真似をして岩彦をからかう。
岩彦は化け物が日の出別に化けているのかと思って疑うが、日の出別は拍手を打って天津祝詞を奏上した。その声は六合に鳴り渡るようで、たちまち雲は晴れて太陽が姿を現した。
疑いは晴れ、一同は岩窟に進み入ることとなった。
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02 09 〔535〕
日は西山に傾き、暗澹としてきた。荒野を吹く風は刻々に激しくなる。鷹彦によると、この岩窟は琵琶の湖の底を通って、コーカス山にまで通じているという。
岩窟の入口は隠されているが、子の刻になると、日の出別命が真っ赤な鼠を遣わして、入口を知らせる手はずになっている、という。
またしても日の出別命の姿は見えなくなってしまった。駒彦は昨日の化け物の仮装をして岩彦を驚かそうとしたり、一同は馬鹿なことをやってはしゃいでいる。
そこへ一天にわかに暗く、雲の渦は逆巻き、暴風に激しい雨が降り注いできた。そこへ日の出別命が岩窟上に現れた。そして岩上の潅木を截ち切ると、腰の細紐でもって弓矢をこしらえ、岩山に向かってはっしと射掛けた。
そして、今の矢を探すことで、岩窟の入口がわかるのだ、と矢の探索を一同に命じた。一同が原野に矢を探しに出ると、日の出別命は火打石を取り出して、暴風に向かって火を放った。火はたちまちごうごうと四方に燃え広がった。
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03 10 〔536〕
一同は矢を探して原野に出たが、広い野原に萱の矢一本を探すことに文句を言うものもあった。鷹彦は戒めていたが、火が燃え広がってくるのが見えた。一同は邪神の計略にかかったかと疑った。
近づいてくる火に、一同はひとところに固まって地団駄を踏んでいる。すると一同の足元が抜けて、土中に陥った。火はその上を咆哮しながら燃え進んでいってしまった。
岩彦は、赤い鼠とは原野に放たれた火のことだ、と悟った。九分九厘かなわぬというところで、神様が助けてくれる実地を身をもって知ったのであった。
すると、鼠が鳴く声が聞こえてくるので、一同は声の方に向かっていくと、緋色の毛をした鼠が、萱の矢をくわえて現れ、そして姿を消した。一同は足踏みをするとたんに、さらに深い穴に落ち込んだ。見ると、六個の岩窟が開いていた。
六人はめいめい、一個ずつの岩窟に進み入っていった。しかし進んで行くと、六個の穴の先は広い場所で一同はまたひとところに集まった。そこは大きな岩戸が行方を閉ざしていた。
亀彦が岩戸を思い切り押すと、暖簾に腕押しで、勢い余って向こう側に落ち込んだ。そして、落とし穴の井戸に落ち込んでしまった。亀彦は助けを求めている。
一同は亀彦を助けるかどうか会議をする、といってじらし、おかしな問答をして亀彦をなぶっている。しかし井戸にも石段が刻んであって、亀彦は苦もなく井戸から上がってくる。
馬鹿な一幕に一同は笑い合っていると、突然異声怪音が耳を打ち、一行の体は麻痺してきた。これはたいへんだと、皆声を揃えて天津祝詞を奏上する。
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03 11 〔537〕
天津祝詞を唱え終わって、一同は怪しい声がする方へと進んできた。道は狭くなってくる。すると傍らの岸壁に小窓が開いており、そこからたいへんな美人がちらりと顔をのぞかせた。一同は妖怪変化かと警戒しながら、先を争って窓から中を覗き込む。
美人はまたしても窓から顔をのぞかせ、三五教の宣伝歌を歌い始めた。鷹彦は、これは三五教の宣伝使が閉じ込められているのかもしれない、と言った。
岩彦は入口がないかと辺りを探し、妙な石が落ちているのを見つけた。石を押しのけると、仕掛けが出てきたので引っ張ると、石戸がめくれて開いた。
一同は中に入り、石段を登っていくと、二坪ばかりの平面な部屋に、先ほどの美人が座っていた。岩彦はてっきり妖怪変化かと思い、女を怒鳴りつけるが、女は平然としている。
女は一同の名前を知っており、また昨日からここで皆が来るのを待っていたのだ、という。鷹彦は名前を尋ねるが、女は三五教の宣伝使であれば、自分を知っているはずだ、と答える。
そこへ外から宣伝歌が聞こえてきた。そして小窓から中を覗き込んだのは、日の出別宣伝使であった。岩彦はにわかに元気付いて、女に対して正体をあらわせ、と毒づく。
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03 12 〔538〕
日の出別命の出現で元気付いた岩彦は、女に降伏を迫る。女は、岩彦に降伏したような口ぶりをし、日の出別命には、岩彦はデモ宣伝使だから係わり合いにならないように、と言うと、すっと煙のように消えてしまった。
岩彦は、やはり妖怪変化であったかと威張っている。すると、外でガクリと異様な音がした。女は小窓の外から中をのぞき、岩窟の中にずっと居て修行をしなさい、と言う。そして、日の出別命と一緒にどこかへ行ってしまった。
鷹彦は神変不可思議の術を使って、小さい鷹となって小窓から外に出ることができた。岩彦は鷹彦に助けを求めるが、鷹彦は薄情な物言いをして、岩彦をからかっている。しかし岩彦もそれに強気で返している。
鷹彦は岩窟の扉を開けた。勢い余って岩の部屋の中に転げ込んだすきに、五人はさっさと外へ出て、扉を閉めてしまった。今度は五人で鷹彦をからかっているが、鷹彦はまたもや術を使って小窓から抜け出してしまった。
鷹彦は、岩彦がしょうもないことばかり言うから、日の出別命に置いてけぼりをくったのだ、と小言を言った。一同は日の出別命を追って駆け出した。
またもや大きな岩壁につきあたった。岩壁には、広い階段が上に彫ってあり、また細い道が続いている。どちらを行ったらよいかで、議論になった。亀彦一人が、暗くても細い道を行こうと言い、残りの五人は上の広い階段を登って行った。
亀彦は一人暗い低い道を進んで行くと、上から、広い道を行ったはずの五人が落ちてきて、井戸に落ち込んでしまった。亀彦と岩彦はこっけいな問答をするが、そのうちに井戸に落ちた五人は石段を登って上がってきた。
このとき、前方から怪しい宣伝歌が聞こえてきた。
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03 13 〔539〕
宣伝歌は、岩窟を守る神であると名乗り、宣伝使たちに注意を与え、これ以上の進入を脅す内容であった。
しかし一同は怖じずに進んで行く。行く手に光が見えたところで、頭上の岩石が大きな音を立てて唸り始めた。
一同は一目散に光めがけて走っていくと、そこは向こうも見えないくらいの広場で、天井が開けて空が見えた。そして、四方は高い岩壁に囲まれている。
鷹彦はにわかに羽を出して空に上っていってしまった。後に残された宣伝使たちは、端座して祝詞を奏上する。すると轟音を響かせて天の鳥船が降りてきた。
鳥船からは日の出別命、岩窟の中で出あった女宣伝使、そして鷹彦が現れた。日の出別命は岩窟探検の終わりを宣言すると、一同を鳥船に招き入れた。
鳥船は爆音と共に天空に姿を隠した。
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04 14 〔540〕
高照姫命が鎮まり、三十三相に身を変じて教えを明かすのが醜の巌であった。しかし未だ信仰の弱い音彦、亀彦、駒彦の三人は鳥船に救われたのも束の間、気がつくと身は雨の降る布留野ケ原に放り出されていた。
三人は仕方なくタカオ山脈を越えて徒歩で都に向かおうとするが、夜になってしまう。そして、沼の手前で巨大な大蛙に出くわす。
音彦は呑気にも、乗り物ができたと喜んで蛙に乗る。蛙は人語を話し、この先の行く手をふさいでいる古池を泳いで渡ってあげよう、というが、亀彦と駒彦は気味悪がって乗らない。
大きな古池は断崖に囲まれているが、蛙は音彦を乗せたまま、下に飛び込んだ。音彦は助けを求めるが、亀彦・駒彦は音彦の軽率を責めるばかりで喧嘩している。蛙が仲裁しようとするが、三人は言い争いをやめない。
蛙は向こう岸にさっさと上がって池を越えてしまった。今度は亀彦と駒彦が慌て出すが、よくよく見れば大道が続いていて、苦もなく池の向こう岸に行くことができた。
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04 15 〔541〕
三人(音彦、亀彦、駒彦)が荒れ野の道を行くと、四五人の荒男が行く手をふさいだ。中でも頭目の男はうわばみの野呂公と名乗った。音彦は、荒男たちの脅しもどこ吹く風で、喧嘩腰に応対している。
しかし不思議にも野呂公を名乗る男は、昨晩三人が大蛙の背に乗って喧嘩していたことを知っていた。そして、自分は昨日の蛙の化身だと言う。
音彦は野呂公の正体を問いただすが、逆に醜の岩窟での修行が足りないと言われてしまう。気がつくと、布留野ケ原の荒野にいたと思った三人は、不思議にも岩窟の中をまださまよっていた。
岩窟の中に丸い光が現れると、そこから美女が現れた。三人は好い気になって、女が差し招くほうに歩を進めていった。岩窟の道はほのかに明るくなってきた。
本文
04 16 〔542〕
三人(音彦、亀彦、駒彦)が進んで行くと、赤白のゴム毬のようなものが上下左右に浮動していた。毬はどんどん増えていく。
音彦が毬に向かって怒鳴りたてると、玉の中でもっとも大きなものに、目鼻口が現れて、笑い出した。玉は、三人に天の声を聞け、と諭すが、三人は聞く耳を持たずに玉の言うことを非難したり嘲笑したりしている。
玉はついに手足を伸ばし、他の小玉と一緒になって、いっせいに三人に打ってかかった。頭をしたたかに打たれたと思った瞬間、三人は夢から覚めた。
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04 17 〔543〕
三人(音彦、亀彦、駒彦)は引き続き岩窟の中を進んで行くと、どこからともなく琵琶の音が聞こえてきた。三人は、琵琶を弾いているのは先ほど光の中から現れた美人ではないかと無駄話をしながら、三叉路までやってきた。
すると曲がり角から一人の男が勢い余ってやってきて、音彦とぶつかった。男は弥次彦と名乗り、醜の岩窟の主人だとうそぶく。後から連れの与太彦も現れた。音彦は例によって喧嘩口調で対している。
弥次彦と与太彦は、三人が宣伝使と見ると喧嘩をやめて、美人のところへ案内しましょう、と言う。琵琶を弾いている美人は、臥竜姫と言って、エルサレムの高貴な神の娘であるという。
弥次彦と与太彦は、三人を臥竜姫の館の前まで案内した。
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04 18 〔544〕
一行は、立派な石壁で築かれた館の前にやってきた。音彦は大音声に門を開けと呼ばわるが、何も起こらない。ただ門内よりかすかに琵琶の音が聞こえてくるのみである。
弥次彦と音彦が問答をしていると、門内から大声で一同を誰何する者がある。声は、門を開こう開こうと焦って教えを忘れていた宣伝使たちに注意を促した。
音彦は亀彦、駒彦に促して、慌てて神言を奏上する。すると門は易々と開いた。そこに居た巨大な男は、うわばみの野呂公だった。野呂公は臥竜姫に取り次ぐといって奥に入るが、なかなか戻ってこない。
いぶかる亀彦に、弥次彦は、門は開いたが、まだお前たちの心が開いていないのだ、と説教をする。亀彦が口答えすると、弥次彦と与太彦は一同に気をつけると、赤白の玉になって飛んでいってしまった。
一同はしびれを切らし、館の中にどかどかと進み入った。すると突然、上空が開け、日の出別の乗った天の鳥船が航行しているのが見えた。一同はいつの間にか、野天の野原に出ていた。
そこへ、出雲姫と名乗る三五教の女宣伝使が現れ、日の出別一行が、峠で待っていると言って道案内を始めた。
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04 19 〔545〕
一行は出雲姫の案内で、タカオ山脈のコシの峠に着いた。日の出別命、岩彦、鷹彦、梅彦らが岩石の上に体を伸ばして寝ている。
出雲姫は、日の出別らは休息中なので、一同はここで日の出別らが起きるまで待っているように、と言って素早くどこかへ行ってしまった。
三人は寝ている宣伝使らに、何とかしていたずらしてやろう、と相談を始めた。岩彦にいたずらしようと足を引っ張ると、岩彦も鷹彦も起きていて、三人を叱り付ける。
鷹彦が三人の前に立って、霧水を吹きかけた。すると不思議にも、またしても三人は岩窟の中で、臥竜姫の館に居るのであった。
琵琶を抱えた美人が現れ、三人に蛇や虫や蛙の料理を勧める。そして美人は、自分はうわばみの野呂公の妻である、と告げた。
音彦は女を化け物と思い、退治しようといきり立つが、逆に身魂が磨けていないことを女に指摘されて、馬鹿にされてしまう。
亀彦は怒って剣を抜いて立ち上がろうとするが、体の自由がきかない。駒彦も音彦も動けなくなってしまっていた。祝詞を唱えようとするが、脱線してまともに唱えることができなくなっている。
女は、三人が宣伝使の証である被面布を紛失していることを指摘した。ここに至って音彦はついに観念し、すべてを相手に任せる気持ちになった。
すると女は、ようやく三人の心の岩戸が開けたことを告げた。そして、ここは岩窟の中心点であり、この岩窟は木花咲耶姫命の経綸の聖場にして、高照姫神が鎮まる御舎であることを明かした。
そして執着心を捨てた心であれば、岩窟の探検を無事に終えられるであろうことを告げ、姿を隠した。
音彦、亀彦、駒彦は今まで自分の心の中に迷い・曇りがあったことを悟り、神言を奏上した。三人は打って変わって野卑な言葉使いを改め、探検を続けることとなった。
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04 20 〔546〕
三人は臥竜姫の館を後にして、宣伝歌を歌いながら九十九折の岩窟内を進んで行った。
岩窟内の十字路で、岩彦一行にばったりと出くわした。岩彦は三人に今までどこに行っていたのかと尋ねるが、三人の言葉使いが丁寧になっていることに気づく。岩彦は、物言いが女々しいといって、三人を責める。
岩彦はひとしきり三人の丁寧な様子をけなすが、鷹彦と梅彦は、岩彦の方こそ魂が落ち着いていないのだ、と諭し始める。
岩彦は他の宣伝使たちを腰抜けと言って罵るが、そこへ突然、大音響と共に火光が落下して爆発した。岩彦はあっと驚いてその場に昏倒してしまったが、他の五人は両手を合わせ、神言を唱えている。
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04 21 〔547〕
巨大な火弾は、以前の女神の姿になった。女神は五人の宣伝使の御魂が開けたことを宣言し、フサの都に進むようにと命じた。そして、岩彦は心は固いがまだ開けていないので、よくなごめるように、と諭した。
女神は、自分は木花姫の和魂であると名乗って消えた。
五人は感謝に天津祝詞を唱えていると、気絶していた岩彦が起き出した。岩彦は今の爆発で、五人が死んでしまったと思い、遺体を探し始めた。
しかし髪の毛一本見つからないので、てっきり大蛇が五人を飲んでしまったと早合点して、敵を取ろうといきんでいる。五人の宣伝使が岩彦に話しかけるが、岩彦は大蛇と会話していると思って、けんか腰で応対している。
このとき、闇の中に六個の光の玉が現れた。そして五柱の女神と、一柱の鬼になった。各々名札がついており、女神には五人の宣伝使の名が、鬼には岩彦の名がついていた。
自分自身の副守護神の姿を見て思い知らされ、ようやく鬼を追い払った岩彦は、五人と同じように正しい言葉を使うようになった。すると岩彦の本守護神が立派な神となって現れた。
ここに六人の宣伝使と六柱の本守護神は、宣伝歌を歌った。やがて各自の本守護神は五色の玉となって宣伝使らの頭上に留まった。そして次第に宣伝使の体内にしみこんでしまった。
一行は岩窟を出て、コシの峠を指して進んで行く。
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05 22 〔548〕
日の出別の神がコーカス山に現れて以来、コーカス山の御宮には参詣者がたくさん参るようになった。弥次彦と与太彦は、御宮参りの道中、コーカス山に程近い町で、かつて弥次彦の下女であったお竹の家に泊まることになった。
お竹の家も、参詣者の宿泊でいっぱいのため、お竹の家の二階の柴屋に泊まることになった。
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05 23 〔549〕
夜、トイレに行きたくなった二人は、梯子を取られてしまったので、お茶を汲む土瓶の中に小便をして、それを返した。
怒ったお竹の母は、小便入りのお茶を二人に出した。このことで、二人はお竹の父母と喧嘩を始めてしまう。見物人が集まって大騒ぎになるが、そこへ六人の宣伝使がやってきて、宣伝歌を歌った。
一同は宣伝歌にあわせて踊り舞い、喧嘩は収まった。そして一行はコーカス山に向かって進んで行った。
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05 24 〔550〕 <div class="level1">六人の宣伝使と弥次彦、与太彦は、途中林の中で野宿をした。しかし起きてみると、音彦、弥次彦、与太彦を残して五人の宣伝使の姿が消えてしまった。</div> <div class="level1">弥次彦と与太彦は騒ぎ出すが、音彦は慌てず、追ってフサの都に歩いて行こう、と先を促す。弥次彦と与太彦はおかしなやり取りをしている。</div> <div class="level1">すると、にわかに人馬の物音が聞こえ、三人はウラル教の捕り手たちに囲まれてしまった。弥次彦と与太彦はものすごい勢いで拳をふるって血路を開き、駆け出した。音彦はその後を宣伝歌を歌いながらゆうゆうと進んで行く。</div> <div class="level1">ウラル教の捕り手頭は、三人を捕らえるように下知するが、捕り手たちは口ごたえして動かない。捕り手頭は一人で追いかけようとするが、馬に振り落とされて帰幽してしまった。</div> <div class="level1">捕り手の一人・八公は仕方なく、一人で峠を下って宣伝使らを追いかける。</div> <div class="level1">音彦らは丸木橋を渡って逃げるが、さらにウラル教徒らに囲まれてしまい、逃げ出す。荒男の館に迷い込んでまたそこから逃げ、泥田にはまりこんでまたそこから逃げる。</div> <div class="level1">最後に小鹿峠に追い込まれ、数十人の捕り手に囲まれた三人は、決死の覚悟で断崖の谷間に飛び降りた。</div> 本文
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顕幽神の三界を説き明かす霊界物語は、神の御言をかしこみて朝夕に述べているものである。
しかし智者学者と自認する人たちは、「瑞月は百科全書を読破して、それを種に書いているのだ」と中傷するのである。
いったい、何を根拠にそんなことを言っているのか。百科全書を全部暗記して、それを種にして著作しているというなら、それはそれで、人間業を超えてたいしたものであろうが。そもそも、三日で千二百五十ページを口述する、この大著述が、人間業でできるものではないのだ。
「神諭は、大開祖の書いた錦の糸である。それを変性女子が手を入れて劣等糸にしてしまったのだ」などと言って、元の筆先を調べてみたら、錦の糸どころか元は桑葉のようなものであったことにアフンとして、今度は神諭はさっぱり当てにならないと、自己の不明を触れ歩くような人が、そのようなことを言うのだ。
一日も早く迷いの雲を晴らして、真如の日月を、迷える人の心天に照らさせたまえ。惟神お願い奉る。
「今の大本の変性女子は偽者で、やがて本物が現れる」「女子の御魂を根本改造しなくては、誠の道はいつまでも開けない」といって他に候補者を探しても、見当たらない。
「時節を待てば、みのか尾張の国の中で、変性女子がわかってくる。そうしたらもう大本も駄目だろう。一足先に行っているので、皆様あとからゆっくり来なさい。盲目千人の中の一人の目明きが気をつけるぞよ」などと慢心している、王仁はこのような言葉を聞くにつけて、気の毒でたまらない。
こんなわからぬ奴ばかり。盲目ばかりが物を言う。
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