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霊界物語あらすじ

説明を読む
ここに掲載している霊界物語のあらすじは、東京の望月氏が作成したものです。
まだ作成されていない巻もあります(55~66巻のあたり)
第17巻 如意宝珠 辰の巻 を表示しています。
篇題 章題 〔通し章〕 あらすじ 本文
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本巻は、大正十一年の陰暦三月二十五日から二十七日(新暦四月二十一日から二十三日)の三日間に口述されたものである。
丹波村お節親子の比沼真名井ケ原への参拝、黒姫撃退の段、鬼ケ城に割拠する鬼熊別・蜈蚣姫夫婦の邪神が天の磐船で逃げていくところまでの、山岳を中心とした神代物語です。
三五教の宣伝使、悦子姫、音彦、青彦、加米彦をはじめ、三岳山の岩窟に囚われていた紫姫主従三人が救われて参加した言霊戦で終わっています。
地名は現代と変わっていますが、解かりやすくするために、現代の地名を用いています。
特に注意すべき点は、神界幽界現界共通の面白い場面が現れていることですので、注意深く読んでください。
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故郷の穴太寺の観音様に詣でて帰り、一日休んだその後に、腹帯を締めなおして大江山の悪魔退治の続きを語り出す。
一面の銀世界の中、寒さをこらえて丸裸で真名井ケ原に詣でる五人の宣伝使は、爺・婆・娘子を背負って比治山峠を上っていくが、遂に昇天してしまう。
親子三人は進んで行くが、黒姫が途中で行く手をさえぎる。
比沼真名井の霊場に首尾よく詣でて帰ってきたが、爺はこけてあの世の人となり、お節は病に伏せる。そこへ黒姫が出てきて訳のわからぬ祈祷をするが、ますます病は重くなって逃げ出してしまう。
幽界でお節は五人の男に襲われるが、青彦の霊に助けられ、息を吹き返す。青彦は現界でお節と夫婦の約をする。
三五教の宣伝使が、三岳山を乗り越えて、曲津の巣くう鬼ケ城で一斉に言霊戦を開始する物語である。
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01 01 〔612〕
鬼雲彦によって岩窟に一年押し込められていたお節は、悦子姫によって救い出され、平助・お楢の祖父母の元に帰ってきた。
そして三五教の宣伝使、岩公、勘公、櫟公と共に、雪の中を真名井ケ原へとお礼参りに出かけた。爺・婆は足元に難があるため、岩公、勘公、櫟公三人は先に雪の中を発って行った。
話は戻って、鬼虎、鬼彦の両人は心の鬼に責められながらとぼとぼと雪道を行くうちに、路傍の糞壺に落ちてしまった。
厳寒の中、二人は命からがら進んで行くと、一軒のあばら家があった。着物を洗濯し、古ごもや古ござを巻いて、ようやく命をつないだ。
部屋の隅に加米彦がいて、二人に豊国姫命の命で悦子姫より衣を授かってきた、という。鬼虎と鬼彦は喜ぶが、その着物は、真名井ケ原に着いて体を清めてから出ないと渡せない、という。
そこへ岩公、勘公、櫟公が追いついてきた。
加米彦は、家の中からぼろぼろの着物を探し出して、当面の用にと鬼虎と鬼彦に着せた。
しばらく行くと、道端にこざっぱりとした家があり、女が招く。一同が中へ入ると、おコンと名乗る女は、鬼虎と鬼彦に禊をさせ、悦子姫からの立派な着物を授ける。
その着物には、鬼彦は彦安命、鬼虎は虎彦命という宣伝使名が書いてあった。おコンはもうすぐ真名井ケ原なので、ここで天津祝詞と天の数歌を唱えるように、と導師の役をする。
一同が一生懸命祝詞を唱えていると、平助、お楢、お節の三人が追いついて来て声をかけた。気づくと、おコンも加米彦もおらず、岩公、勘公、櫟公、鬼彦、鬼虎の五人は、真っ裸で雪の中に座っていたのであった。
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01 02 〔613〕
五人は仕方なく裸のまま雪道を行くが、途中に雪崩にあってお節が雪に埋まってしまった。
鬼虎と鬼彦は、平助、お楢、お節に罵られながらも、懸命にお節を救出しようとする。
ようやくお節を救い出すと、お節は狐に変化して、山道をかけていく。平助とお楢はその後を追って行き、五人もそれに続く。
平助とお楢は嘆き悲しむが、お節の狐が消えたところは、鬼雲彦の命で鬼彦、鬼虎がお節を閉じ込めた魔の岩窟の入口だった。
鬼彦と鬼虎は、岩窟に入っていって本物のお節を救い出そうと平助・お楢に約束して中に入っていく。
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01 03 〔614〕
本物のお節は、まだ岩窟に閉じ込められたままであった。お節は日の出神の夢のお告げに勇気をつけられて、三五教の宣伝歌を歌いながら岩窟の中で忍んでいた。
鬼虎と鬼彦がやってくると、お節は怒って傍らの岩石を取って打ちかかってきた。また、岩室の戸をあけると、日ごろから岩石で作ってあった石槍で、二人に突きかかる。
鬼虎と鬼彦は岩窟を元来た道へ逃げていく。お節はつまづいて気を失うが、鬼虎は懸命に祈願して息を吹き返す。お節は鬼虎が自分を介抱してくれたことを不思議に思うが、また突いてかかる。
そこへ平助とお楢が現れて、再会を果たす。平助とお楢の話を聞いて、お節は鬼彦と鬼虎が改心したことを知り、一行は真名井ケ原に進んで行く。
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01 04 〔615〕
魔の岩窟から本物のお節を救い出した一行は、真名井ケ原に進んで行く。五人の男は裸のまま、比治山颪に吹かれながら坂を登っていく。
岩公、勘公、櫟公は寒さしのぎに、平助、お楢、お節を背負って登っていくことにした。
平助は鬼虎・鬼彦の一年前の仕業をまだ根に持っていて、意地の悪いことを言い続ける。鬼虎と鬼彦が相撲をしたはずみに谷へ落ち込んだのを見ても、愉快気に笑って悪態をついている。また平助とお楢は、一同の心を疑って、泥棒扱いをする。
そのうちに鬼彦と鬼虎は自力で谷から上がってきた。すると天から微妙の音楽が聞こえて空中に声がし、岩公、勘公、櫟公に宣伝使服が降された。
宣伝使服は三人に自然に密着すると、三人は天女の姿になって空中を翔けて真名井ケ原に飛んでいった。
この様を見て、お節は泣いて非を詫び、平助とお楢に改心を促した。
次に鬼虎と鬼彦にも宣伝使服が降され、二人も霊地に向かって空中を翔けて行った。
平助はあんな者どもが天女になるなんて、と愚痴をこぼしている。お楢は、自分たち夫婦が若い頃から金に強欲で、人の心を殺してきた罪から、去年お節をさらわれた凶事が出てきたのではないか、と省みた。そして、これは神様が善と悪の鑑を見せてくださったのだ、と平助に改心を促した。
五人の男が羽化登仙したのは、実は肉体では徹底的な改心ができず、神業に参加する資格がないために、神界の慈悲によって凍死せしめたのであった。そうして、天国に救って神業に参加させたのである。
五人の遺体は平助親子の知らぬ間に土中に深く埋められた。
そして真の悦子姫、音彦、青彦、加米彦はすでに真名井ケ原に到着していた。
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01 05 〔616〕
平助、お楢、お節は三人連れになって山道を進んで行く。すると、行く手をさえぎる婆があった。
婆は真名井ケ原の豊国姫は悪神だと罵り、自分の話を聞くようにと一行を引き止める。そして素盞嗚尊の悪口を言い出す。これはウラナイ教の黒姫であった。
そこへ向こうから宣伝歌を歌いながら音彦と青彦がやって来た。お節も声を合わせて宣伝歌を歌うと、黒姫は傍らの茂みの中へ逃げてしまった。
二人は黒姫が出現したことをお節から聞いてあきれている。二人は、悦子姫の命で、平助一行を迎えにやってきたのであった。
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01 06 〔617〕
樹木が鬱蒼として四方を山に囲まれた清浄の境域に、水晶のような水が流れ、所々に青い清泉が散在している。中空には微妙の音楽と共に天津乙女が舞い、霊鳥が飛び交っている。
苔むす麗しい巌の上に、悦子姫が立って日の丸扇を両手に持って、豊国姫命と三五教を讃える歌を歌い舞っている。
音彦はこれまでの宣伝の経緯を歌に歌った。そして真名井ケ原の霊場を讃え、ここに禊して瑞霊と成り代わって曲津神を言向け和す決意を表した。
一同は音彦の歌に勇み立った。そして、豊国姫命が神姿を現すという中央の石の宝座に向かって天津祝詞を奏上し、宣伝歌を歌い終わった。
そこへ加米彦が息せき切って報告にやってきた。黒姫が、フサの国からやってきた高山彦という将軍と結婚し、共に軍勢を引き連れて真名井ケ原に攻め寄せてきたのであった。
音彦は青彦と加米彦に、ウラナイ教軍を言向け和すように命じ、自らは悦子姫とともに豊国姫命の神勅を乞うた。
加米彦、青彦が言霊を射照らすと、魔軍はばたばたと倒れ、高山彦は黒姫とともに馬に乗って遁走した。
二人が戻ってくると、悦子姫に豊国姫命が降臨して、神勅を降しつつあった。
ご神名は、豊雲野尊またの御名を豊国姫神という。
国治立大神と共にいったん地底の国に身を潜めていた。
再び地教山に現れた。
そして国土を修理固成しつつ時の至るのを待っていた。
天運循環し、天津神よりこの聖地を鎮座所と定められた。
この地に霊魂を止めて自転倒島はもとより、大八洲の国々に霊魂を配って世を永遠に守る。
鬼雲彦を使役していた八岐大蛇の片割れが、鬼ケ城に姿を隠して、聖地を窺っている。悦子姫、音彦、加米彦、青彦は進撃して敵を言向け和せ。
悦子姫らは豊国姫命の神勅により、鬼ケ城へ向かった。
音彦は、平助親子に祝詞と宣伝歌の力を説いて聞かせた。平助らは家路についた。
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02 07 〔618〕
話は戻って、黒姫は高姫の肝いりで、フサの国の高山彦を婿に取る事になった。黒姫は魔窟ケ原の隠れ家で、手下に婚礼の用意をさせながら、婿が来るのを今や遅しと待っている。
高山彦一行がフサの国から天の磐船に乗って到着し、黒姫の手下の夏彦と常彦が迎えに出た。
婚礼が始まり、黒姫と高山彦を祝歌を歌いながら舞い踊った。夏彦も余興に滑稽な歌を歌って、宴は乱痴気騒ぎのうちに夜を明かした。
明けて正月二十七日、黒姫は真名井ケ原の瑞の宝座を占領しようと図り、高山彦が連れて来た軍勢を合わせて聖地に進撃した。
正月二十八日の大攻撃を開始したが、青彦、加米彦の言霊にさんざんに散らされて敗走し、魔窟ケ原に逃げ帰って次の計略に着手していた。
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02 08 〔619〕
正月二十七日の進撃の前、三軍の将に任命された夏彦、常彦、岩高、菊若は、出発に先立って、大将の黒姫への不平不満談に花を咲かせている。
曰く、黒姫の言行一致が最近怪しくなってきた、というのである。そこへ黒姫が現れて、四人の言行を非難し、説教を始めた。
そして出陣したが、青彦、加米彦にさんざんに敗北したのは、先に述べたとおりである。
黒姫の幹部であった夏彦、常彦、岩高、菊若は、黒姫・高山彦結婚の一件以来統一を欠き、三五教に心を移しつつあった。真名井ケ原攻撃の際も、この四人がわざと敗走したところも大いにあったのである。
人心を収攬するためには、ウラナイ教のように権謀術数・巧言令色では行かないのである。
三五教はただ至誠至実をもって神業に奉仕し、ミロクの精神を惟神的に発揮するのみである。そうすれば人心は期せずして三五教に集まり、何時とはなしに天下の大勢力となる。
黒姫は、青彦に懸想しているお節をまず篭絡し、お節を介して青彦をウラナイ教に引き戻そうと画策していた。
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02 09 〔620〕
平助親子は家に戻ってきたが、平助は手桶に水を汲んで運ぶ途中にこけて倒れてしまう。お節はあわてて天の数歌を歌い、平助は息を吹き返した。
平助は、美しい神界を旅していたところを、お節の声に呼び戻されたのだという。それより平助は発熱して、半月ほどして帰らぬ人となった。
それよりお節も悲しみのあまり具合が悪くなり、伏せってしまう。お楢は真名井ケ原に参詣して助けを求めようと比治山を登っていくと、黒姫が立ちはだかり、お楢の窮状につけこんで、ウラナイ教の祈祷を承諾させてしまう。
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02 10 〔621〕
お楢が黒姫を案内して自宅に戻ってくると、お節はうなされて青彦の名を呼んでいた。
黒姫は、日の出神の筆先と称して、高姫の神諭を読み聞かせ始めた。そして、侍女二人に、ウラナイ教の宣伝歌を歌わせ舞わせた。
するとお節の容態はますます悪くなり、苦しみ始めた。それを見てお楢は嘆き始める。
黒姫は、神界の御用が急ぐと言い訳をして、その場を立ち去ってしまう。
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02 11 〔622〕
お節は幽界を、三五教の宣伝歌を歌いながら旅をしていた。そこへ、岩公、勘公、櫟公、鬼彦、鬼虎の副守護神が現れて、比治山峠で動物扱いされた恨みと、お節に襲い掛かる。
お節は三五教の神号を唱えると、青彦の霊が現れて五人の副守護神に霊縛を加え、お節を助け出した。
お節は、五人を助けるようにと青彦に頼んだ。青彦は、その心がけなら現界に帰ることができると請け合い、天の数歌を歌った。
五人の副守護神は妄執が取れ、一同はみな合わせて神言を奏上した。すると五人の副守護神は牡丹のような花となり、天上に高く昇った。
青彦はお節に別れを告げて去った。お節はにわかに身体に爽快を覚え、目を覚ますと、お楢が手を握っていた。
お楢は、気を取り直して豊国姫命と素盞嗚尊に祈願をこらし始めたところ、お節が回復したのだ、と語り、豊国姫命に感謝の涙を流した。
四五日過ぎてまた黒姫が夏彦と常彦を連れてやってくるが、お楢は黒姫を非難して帰そうとするが、黒姫は屁理屈をこねて粘っている。
押し問答をしているうちに、夏彦と常彦が、黒姫に対して疑念を表明し始める。そこへ宣伝歌を歌いながら青彦がやって来て、黒姫を冷やかす。夏彦と常彦は青彦に味方し始める。
夏彦と常彦は、黒姫の言行心一致しないのに愛想をつかして、その場でウラナイ教の縁を切ってしまう。そうして青彦に、三五教に導いてくれるように頼み込んだ。
黒姫は青彦の胸倉を掴んで食い下がるが、三人はお楢の家に入って黒姫を締め出してしまう。黒姫は一人すごすごと魔窟ケ原へ帰っていく。
お楢は、お節が青彦を想う様をみて、婿になってくれと頼み込む。青彦は、鬼ケ城の言霊戦が済むまで待ってくれ、と答えると、夏彦・常彦を伴って、南を指して去って行った。
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03 12 〔623〕
悦子姫は、音彦と加米彦を供として三嶽山に差し掛かった。そこで、谷川で血にまみれた衣をすすぐ一人の美しい女がいた。
音彦が話を聞くと、女は真名井ケ原へ参詣の途中、鬼雲彦の一味である荒鷹・鬼鷹によって、二人の僕と共にさらわれてきたのだ、という。僕の二人は、バラモン教の手下によって殺され、その供養の為に衣を洗っているのだ、と明かした。
女は紫姫と名乗った。加米彦は、心当たりがある様子を見せるが、滑稽なことを言ってごまかす。その様子に紫姫は一行に心を許して行く。
悦子姫ら一行は、荒鷹・鬼鷹らを言向け和すために、一味の隠れ家に案内するように、と提案する。ちょうど荒鷹・鬼鷹は不在で、手下たちだけが留守を守っているというので、紫姫に付いて岩窟に向かう。
加米彦は一味の掘った落とし穴に落ちてしまうが、悦子姫と紫姫が縄梯子を編んで助け出し、一行は岩窟に乗り込んでいく。
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03 13 〔624〕
岩窟に入ると五六人の手下たちがいたが、加米彦の一喝で慌て出す。しかし手下の中の丹州という男が理屈をこねて加米彦に食ってかかる。
しかし丹州は実は自分は玉彦という者で、豊国姫命の命で小鬼となってバラモン教に潜入していた、という。そして、丹州はバラモン教の他の手下らを手なずけて、紫姫の二人の僕かくまっていた。衣に猪の血をつけて荒鷹・鬼鷹の目をごまかしていたのである。
丹州は二人の僕を他の手下に連れてこさせた。そして丹州は一行を鬼ケ城の方へ案内するが、三嶽山の山頂に出たところで一行は突風に煽られてしまう。
丹州が手なずけていた荒鷹・鬼鷹の手下らは、吹き飛ばされてしまった。雲の中から大蛇が舌を出して一行に襲い掛かるが、加米彦の言霊の発射で雲の中に逃げていく。
風はぴたりと止み、一同は天津祝詞と宣伝歌を唱和して、山伝いに鬼ケ城へと進んで行った。
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03 14 〔625〕
一方、青彦、夏彦、常彦は悦子姫らの後を追って、鬼ケ城に進んできた。しかし烈風に吹き煽られて、深い谷間に転落し、足腰を痛めて苦しんでいた。そこへ、宣伝歌の声が近づいて来る。
三人は滑稽なやり取りをひとしきり行い、四つ這いになって険しい崖を上った。そこでは、悦子姫一行が、各々雑談に耽っていた。
加米彦は、途中で姿が見えなくなった青彦の噂をし、丹波村のお節のところに行ったのではないか、と勘ぐっている。
そこへ木の中から青彦が登場して、一行は合流する。青彦は、ウラナイ教から夏彦、常彦を引き抜いた顛末を一同に話す。一行はここで夜を明かしてから鬼ケ城に進むこととして、野宿した。
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03 15 〔626〕
紫姫のお供・馬公と鹿公は、夜悪夢にうなされて目を覚ます。寝られなくなった二人は、辺りを散歩することとした。
一方加米公も目を覚まして、一行の寝顔の評論をしている。そのうちに、いたずらをしだして、夏彦と常彦の髪を互いに結んでしまった。次に紫姫の髪を丹州と結ぼうとしたところ、はっと起きた紫姫に腕を掴まれて、そのまま投げられてしまった。
紫姫は敵の襲来だとして、慌てて一同を起こす。丹州は寝たふりをしながら加米彦のいたずらを見ていて、加米彦の仕業であることを明かす。
音彦は怒って加米彦を叱るが、悦子姫に仲裁される。加米彦は、音彦とのやり取りの中で、音彦の妻・五十子姫が竜宮島でバラモン教と戦っていることを知らせる。
一同はまた寝てしまうが、散歩に出ていた馬公と鹿公は、バラモン教の鬼鷹、荒鷹らに見つかって、囲まれてしまう。しかし宣伝使がついているため、二人は木が大きくなり、強気になって逆に荒鷹、鬼鷹に啖呵を切り出す。
怒ったバラモン教徒らは馬公、鹿公に打ってかかると、二人は宣伝使たちが寝ている場所に走って逃げてきた。
その物音を聞きつけた宣伝使たちは起き上がり、加米彦が敵を迎え撃とうと一人で走って出て行く。茂みの中で様子を見ていると、バラモン教の手下らは鬼熊別の身魂を斟酌していた。しかし中には、鬼熊別の言うことを本当と信じ、悪の教えである三五教を滅ぼそうと真面目に考えている者もあった。
鹿公は、バラモン教の中にも純粋な人間がいると加米彦とに話しかける。加米彦は、悪になるのは皆誤解からだ、と説いて聞かせているが、その声がバラモン教徒らに聞かれてしまう。
加米彦は自ら名乗って出て行くと、逆にバラモン教の手下たちは浮き足立って命乞いをする。手下たちはすっかり三五教の心になり、様子を見に来た荒鷹、鬼鷹に説教を始める。
また林の中から、荒鷹、鬼鷹に改心を促す加米彦の宣伝歌が聞こえてくると、荒鷹、鬼鷹は涙を流して平伏し、改心の意を表した。
悦子姫は、鬼ケ城の大将・鬼熊別を改心させるために、荒鷹、鬼鷹に策を授けた。紫姫、丹州、鹿公、馬公を鬼ケ城に潜入させる手はずとし、言霊戦を城の内外で行うように見せかけて、鬼熊別を説き諭す作戦を実行することとなった。
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03 16 〔627〕
鬼熊別と蜈蚣姫は宣伝使らが三嶽の岩窟を破って鬼ケ城に進んできたことを知り、城内の兵士を集めて作戦会議を開いた。
荒鷹、鬼鷹は、紫姫、丹州、鹿公、馬公とともに言霊戦に立ち向かうことを申し出、鬼熊別・蜈蚣姫の許可を得た。
鬼ケ城側が防戦準備をしていると、加米彦が寄せ手として宣伝歌を歌いながら進んできた。
加米彦の宣伝歌に鬼ケ城の士卒たちは苦悶の態を現したが、鬼ケ城からは丹州が応戦した。丹州の歌は、鬼熊別を弁護するようでいて、それとなく改心を勧める歌であった。
続いて夏彦が、攻撃側として宣伝歌を歌うが、こっけいな言霊で、加米彦からからかわれる。
守備側の鬼ケ城では、鹿公が立って防戦の歌を歌うが、これもまたこれまでの経緯を滑稽に歌った歌で、歌い終わると鹿公は、一目散に三五教の陣に走ってきて降伏してしまう。
鹿公の様子のおかしさに、宣伝使一同は吹きだす。
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03 17 〔628〕
常彦は、随所に滑稽をちりばめつつ、鬼熊別に降伏を促す宣伝歌を歌う。防戦の馬彦は、どっちの味方かわからない歌を歌い、攻撃側の加米彦に冷やかされる。
青彦が改心を促す宣伝歌を歌うと、それに応じて荒鷹が歌を返すが、その歌は、今まで自分が使えた鬼熊別・蜈蚣姫に改心を促す歌になっていた。
続いて音彦が宣伝歌を歌い、鬼鷹がそれに応じた。鬼鷹はこれまでの悪行を悔いて、瑞霊の恵みに立ち返るよう促す歌を歌い、天地に向かって合掌しつつ、嬉し涙を流しながらその場に倒れた。
鬼熊別の部下たちも、鬼鷹の歌に感激して大地にひれ伏した。続いて紫姫、悦子姫が宣伝歌を歌った。すると鬼ケ城の高殿から火煙が上がった。見ると、鬼熊別と蜈蚣姫は天の岩船に乗り込んで東方の天に逃げて行った。
敵味方の士卒たちは三五教万歳の声を張り上げた。
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高天原の天国に昇る者は、地上にあるときその身内に愛と信との天国を開設しなければ、死後に身外の天国を摂受することはできない。
現実界にある間に、心身内に天国を造っておく必要がある。そのためには神を愛し、神を信じて無限絶対と合一しなければならない。人間は、無限絶対の一断片であるからである。
真神である天之御中主大神が、その霊徳を完備具足したとき、天照皇大神という。また撞の大御神という。
火の御祖神を高皇産霊大神と唱え、厳の御魂と申し奉る。
水の御祖神を神皇産霊大神と唱え、瑞の御魂と申し奉る。
以上の三神はそのご活動によって名称・働きに種々あれども、三位一体にして、天之御中主大神(大国常立命)に帰着する。
故に独一真神である。一神即多神、多神即一神であり、短く「主」という。厳の御魂は霊界人の主であり、瑞の御魂は現界人の心身内を守り治める主である。
死後の歓喜を受けるために、現実界で歓喜の生活を送ろうと思ったら、瑞の御魂の守護を受ける必要がある。瑞の御魂の手と口を通して示された言霊こそが、生命の清水である。
霊界物語によって、人は心身共に歓喜に咽び、永遠の生命を保ち、死後の歓楽郷を築くことができる。
天帝、すなわち主は、水火の息を呼吸して、無限にその生命を保ち、宇宙万有の生命の源泉となっている。
太陽は、また水火の息を呼吸して、恒温を万物に与えている。太陽神、太陰神、人間のそれぞれが呼吸する大気は、それぞれまた違っている。
現実界と精霊界では事象が違うのである。しかし互いに相似している。現実界は、精霊界の移写だからである。
高天原の天国は、主の位格によって高下の区別がある。主を見る各人の塵身また霊身の徳の不同があり、それによって上下・標準が定まるのである。天国には霊身の善徳によって種々の団体が築かれている。
天国外の罪悪不信の徒が主神を見ると、悪相に見える。
主神が天国の団体に姿を現すときは、天人の相に見えるが、他の天人とは天地の相違がある。
荒魂、和魂、奇魂、幸魂を主宰しているのが直霊である。四魂をまったく善と愛と信とに善動し活用するのを全徳という。全徳の霊身はただちに最奥天国に昇る。三徳が活用していると第二天国に進む。二徳は第一天国、一徳は最下天国に進む。
一徳一善もなき者は、草莽間に漂浪し、天の八衢に彷徨するのである。
悪が強い不信不愛不善の徒は、その罪業の軽重に応じて、それぞれの地獄に堕し、罪相応の苦悶を受ける。
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