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霊界物語あらすじ

説明を読む
ここに掲載している霊界物語のあらすじは、東京の望月氏が作成したものです。
まだ作成されていない巻もあります(55~66巻のあたり)
第41巻 舎身活躍 辰の巻 を表示しています。
篇題 章題 〔通し章〕 あらすじ 本文
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我が国に伝わる古典は、すべて地球全体の国土(豊葦原瑞穂国)の有史以前の伝説や考量をもって編纂されたものである。また有史以後の事実をつづり合わせて作られたものもある。
古典の中にはさまざまな矛盾があるが、熟慮すればおのずから脈絡を見出すことができる。これに対してさまざまな解釈がなされてきたが、建国の根本義と民族の特性は、確固不動のものがある。
神示の霊界物語にあるように、地球上の各国家の建設は古来、優秀なる人種の首長たちが、各その首都において子孫や従属者の中から俊逸な者たちを選抜して遠征冒険隊を組織し、もって国土万物を開発・経営したのである。
その中からさまざまな民族が現れた。真の太古の神人族とその他の関係は、とうてい数種類の伝記では判然としない。この物語でさえも、その大要を表示することさえ困難である。そのためには千七百八十二冊を著さねばならず、とうてい不可能な事業である。
そのため、なるべく省略して大要のみを著し、少数の冊子にて明瞭に述べようと覚悟している次第である。ただ一巻の物語の中にも宇宙の真理や神の大意志、修身斉家の活きた教訓、過去の歴史や警句もあるため、一冊でも心読されることを希望する。
霊界物語は、東西両洋における古典や神話に漏れた点を補うべく神様の命のまにまに口述編纂したものである。
本文
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神の道でいう高天原の天国は、仏の道では清浄国土または浄土という。また神道では唯一の主宰者を天之御中主大神と称し、無始無終の霊力体三大の原霊神という。仏教では無量寿仏または阿弥陀仏と唱えている。
無量寿仏にはさまざまな別名がある。経典にもさまざまに説かれる無量寿仏の徳は、神道でいう独一真神の御洪徳を説いたものである。
仏典にある浄土の描写も、瑞の御魂豊国主神の分霊なる和魂の神・大八洲彦命が、月照彦神と現れて再生して釈迦となり、天極紫微宮から降り来てその一部の真相を抽象的・比喩的に説示されたものである。
高天原、浄土、またキリスト教の天国はみな同一にして、至微・至清・荘厳の神境霊域であることが覚られる。
瑞月は印度地方の太古の物語を説くにあたり、天国の真相を仏の教えを借りて示すことが近道であると思い、総説に代えて引用した次第である。
本文
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01 01 〔1105〕
入那の国のヨルの都に向かう途中の田舎道で、黄金姫と清照姫の二人は忽然と森蔭に姿を隠してしまった。カルとレーブは宵闇の中、二人を探してさまよっていた。
二人は、黄金姫と清照姫は神格者だからと思い直して跪坐し天地の神明に祈願をこらした。どこからともなく中空から声があり、黄金姫と清照姫は二三日神界の御用に使うから、一足心配せずに先に入那の都を行くようにと伝えた。
両人は安心して四方山話に花を咲かせ、夜を明かした。二人は七八人の男たちに取り囲まれていることに気づき、わざと大声でバラモン教徒であることを示す話をした。
男たちは、入那の国のセーラン王の左守・クーリンスの家来たちであった。二人は、自分たちは黄金姫と清照姫の行方を知っていると語り、入那の都へ一緒に行くことになった。
そこへテク、アルマ、テムの三人が現れて、一行の前に来ると道にへたばってしまった。一行は三人を介抱した。テクは正気付くと法螺を吹いてでたらめな報告をする。一行は総勢で左守の館を目指して進んだ。
本文
01 02 〔1106〕
イルナの国王セーラン王は、叔父で左守のクーリンスの娘ヤスダラ姫を許嫁としていたが、大黒主に取り入って勢力を増した右守カールチンは、無理矢理自分の娘を王妃にしてしまった。
ヤスダラ姫は外国の毘舎の娘に追いやられてしまっていた。王はそのことを思い悩んで落涙にむせんでいる。カールチンの娘サマリー姫は、王がヤスダラ姫のことを思い悩んで自分を嫌っていることから王と喧嘩し、狂気のごとく駆け出して実家に帰ってしまった。
クーリンスは王のところにやってきて、王が剛直なあまり短気を起こすとかえって右守の思うつぼになると諫言した。王はあくまでよこしまな勢力に屈するのは嫌だと決意を面に表す。
王と左守は不思議なことに、昨晩同じ夢を見ていた。北光彦の神という白髪異様の神人が現れて、鬼熊別の妻子が三五教宣伝使となってイルナの国を通るから、城に迎え入れればバラモン教の勢力に対抗できる、と示したという。
クーリンスは早速、黄金姫母娘を探すべく王の居間を去った。しばらくすると、右守カールチンの腹心ユーフテスが案内も通さずに王の間に入ってきて、王がサマリー姫と喧嘩したことをなじった。
ユーフテスは、すでにカールチンが大黒主に事の顛末を早馬で知らせたと言い、王に謹慎を迫った。王はユーフテスの横柄な振る舞いに怒り、カールチン一族を追放すると怒鳴りたてた。ユーフテスは王の権幕に怖気づき、すごすごと帰っていく。
次に、ヤスダラ姫の妹・セーリス姫が王のもとにやってきた。姫は、カールチンが王位を奪おうと、サマリー姫の件を大黒主に讒言したと伝えた。王は、カールチンの腹心ユーフテスが、セーリス姫に執心していると聞いて、姫に策を授けた。
本文
01 03 〔1107〕
ユーフテスは王に一喝されて自宅に戻り、思案に暮れていた。すると番頭が、門前に美人が現れて手紙をユーフテスに渡してくれと言っているという。ユーフテスが手紙を開いて見ると、それはセーリス姫からの恋文だった。
ユーフテスは、門番に命じてセーリス姫を室内に呼び出させた。セーリス姫はユーフテスに気があるような素振りをし、右守カールチンのたくらみをすっかり聞き出してしまった。そして明日また登城してから会う約束をしてその日は別れた。
本文
01 04 〔1108〕
右守のカールチンは、妻のテーナと酒を酌み交わしながら、セーラン王を追放する姦策を謀っていた。テーナは、娘セーリス姫は内心王を慕っているので、自分たちの計略が王に漏れないかと心配する。
カールチンは、万一そのようなことがあれば娘を手討ちにすればよいと無慈悲さをあらわにする。テーナは、自分のためなら妻も娘もためらわずに犠牲にすると豪語するカールチンを非難する。
父母の話を立ち聞きしていたサマリー姫は、王への反逆の罪により父母に改心を迫るが、カールチンは姫を取り押さえるとしばりつけ、地下室に幽閉してしまった。
そこへ、カールチンの部下マンモスがあわただしく入ってきた。
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01 05 〔1109〕
マンモスは、同じカールチン配下のユーフテスと出世を争っていた。マンモスはセーラン王の館の玄関口でサモア姫と出くわした。サモア姫は、ユーフテスが左守クーリンスの娘・セーリス姫と密会してカールチンの計略を洩らしていたことを告げた。
マンモスは、そのことをカールチンに注進に来たのであった。しかしカールチンは、マンモスとユーフテスが地位争いをしていることを知っていたので、事の真偽を図りかねていた。
そこへユーフテスがやってきた。マンモスは突然のことでまごついた。カールチンは、ユーフテスに直々に尋ねたいことがあるとマンモスを下がらせた。
カールチンは、セーリス姫の居間に行ったことについてユーフテスを問いただした。ユーフテスは平然として、自分に惚れているセーリス姫を利用して王の動向を探らせているのだ、とカールチンに報告した。
そしてユーフテスは、セーリス姫の探偵の結果をカールチンに報告した。セーラン王は実はサマリー姫を愛するあまり、姫と元のように添えるならば王位をカールチンに譲って退位する心であるという。
カールチン夫婦はこの報告を信じて、サマリー姫を引き出して盛装を整えさせ、イルナ城に送り届けることになった。マンモスはユーフテスによって牢獄に投げ込まれてしまった
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01 06 〔1110〕
左守クーリンスの家老・テームスの奥座敷には、レーブとカルが招かれて会議が開かれた。テームスは秘密の会議とのことで、妻のべリス姫を退座させた。
テームスは神夢に三五教の黄金姫と清照姫が国を通るから、助けを乞うようにとお告げを受けたことを明かし、カルとレーブに行方を尋ねた。レーブは、黄金姫と清照姫は狼の守護を得ているから、困ったときにきっと現れるとクーリンスに答えた。
そこへ左守クーリンスの娘・セーリス姫が、右守方の計略を探知したことをテームスに伝えに夜分人目を忍んでやってきた。
応対したべリス姫は、セーリス姫をクーリンスの愛人だと勘違いしてとんちんかんな対応をするが、セーリス姫が奥に入って素性を明かしたので誤解が解けた。
テームスは、セーリス姫が右守の家老ユーフテスから聞き出した計略を聞いた。
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01 07 〔1111〕
右守の手下・マンモスは、忍術を使って左守クーリンスの屋敷に忍び込んだ。そしてクーリンスの寝室をうかがい、鼠を放ってクーリンスが寝入っているかを確認した。
隣の部屋で不寝番をしていたウヰルスは鼠に気づき、主人の寝室をうかがうと黒装束の男が現れ、主人に切りつけようとする。ウヰルスはやにわにふすまを開けて曲者をねじ伏せ、縛り上げてしまった。
クーリンスはこの物音に驚いて目を覚ました。主従が曲者の顔を改めると、右守の近侍・マンモスであることが見て取れた。クーリンスとウヰルスに責められて、マンモスは右守の命令で左守を暗殺に来たことを明かし、命乞いをした。
クーリンスはマンモスの縄を解き、右守に計画失敗を伝えて改心するようにと言い含めた。マンモスは九死に一生を得て闇にまぎれて逃げて行った。
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02 08 〔1112〕
中央印度のデカタン高原の南方に、テルマン国という大国があった。テルマンの都に富豪の聞こえたかい毘舎族のシャールという男があった。シャールは富力にまかせて妾を買い込み、本妻のヤスダラ姫には至極冷淡な扱いをしていた。
ヤスダラ姫はイルナ国の刹帝利の生まれで、セーラン王の許嫁であったが、右守の策略でシャールに嫁がせられていた。
ヤスダラ姫の別宅には二人の侍女と、取り締まりとしてリーダーという若い男が仕えていた。リーダーは万事抜け目なく立ち回る利口な男で、ヤスダラ姫も心をゆるし、時おり琴などを弾じさせて日々の憂鬱を慰めていた。
ある日、普段は寄り付かないシャールが突然、ヤスダラ姫の別宅を訪ねてきた。シャールは、イルナ国右守の妻・テーナ姫を伴ってやってきて、ヤスダラ姫がイルナ国王に恋文を送り不貞の罪を犯したと身に覚えのないことで姫を責め立てるのであった。
右守は、イルナ国からセーラン王とクーリンスを放逐するにあたって、クーリンスの娘にして王の従妹であるヤスダラ姫が障害とならないよう、シャールに不貞の罪を讒言し、ヤスダラ姫を幽閉させようという計略であった。
シャールは、大黒主の信任が厚いイルナ国右守の権勢を恐れており、もともと不仲のヤスダラ姫を邸内の牢獄に幽閉してしまった。
風雨雷電の激しい夜、忠義のリーダーは堅牢な牢獄を打ち破り、ヤスダラ姫を救い出し闇にまぎれてシャールの館を脱出した。二人は夜を日についでイルナ国に逃げ帰ることになった。
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02 09 〔1113〕
ヤスダラ姫とリーダーは虎口を逃れ、姫の故郷・イルナ国の国境にある蓮川のたもとまで逃げてきた。
主従二人が川辺で休息していると、叢の中から数十人の黒い影が二人を取り巻いた。リーダーは我こそは左守の娘・ヤスダラ姫を守る武術の達人だと呼ばわった。
男たちの中の頭らしき大男がリーダーの前に立ちふさがり、武術の達人ハルマンと名乗った。自分たちは右守の命令でヤスダラ姫一行をとらえるべく潜んでいたのだと凄み、素直に縛につくようにと降伏を呼びかけた。
リーダーはハルマンに攻めかかる。ハルマンは、部下たちにヤスダラ姫を捕えるよう下知した。ヤスダラ姫は奮闘するが、衆寡敵せず男たちに抑え込まれてしまった。
すると、後方からあたりを響かせて三五教の宣伝歌が聞こえてきた。宣伝歌は皇神を祀る三五教をたたえ、バラモン教徒たちに皇神を祀るよう促す歌であった。
この宣伝歌に打たれて、ハルマンたちは一目散に逃げて行ってしまった。ヤスダラ姫は危急を救ってくれた宣伝歌の主にお礼を述べ、名を尋ねた。
宣伝歌の主は、セイロン島でサガレン王家を騒がせた悪僧・竜雲であると明かした。竜雲は、三五教の天の目一つの神の訓戒を受けて身魂を救われ、放浪の身となって月の国に三五教を説いて回る身の上となった経緯を涙ながらに語った。
ヤスダラ姫は竜雲の身の上話を聞き、思わず国治立大神に祈願をこらした。
ヤスダラ姫とリーダーは、自分たちがシャールの館から逃げて、イルナ国の姫の父・左守の館に戻る途中であることを明かした。イルナ国の右守の立ち回りについては竜雲も聞き及んでおり、竜雲は二人をイルナの都まで陰ながら守り送っていくことを約した。
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02 10 〔1114〕
イルナの都から四五里ほど離れたところに高照山という高い山脈が横たわっている。イルナの都に行くためには、この山を越す必要があった。高照山は昔、大洪水があったときに高照姫命が天降り給いて国人をその頂に救った因縁があった。
この山の峠は照山峠といった。今より十万年以前に世界的な大地震があり、ハルナの都は海底深く沈没してしまった。今のボンベイは、その時代の大雲山の頂に当たっている。
照山峠の二三里右手に、狼の岩窟があり、恐ろしい狼が群れて闊歩し、人間の侵入を許さない場所であった。黄金姫と清照姫は、イルナの森の手前から狼に誘われて、この岩窟に進み入ることになった。
二人は狼の歓呼の声に迎えられ、狼王の大岩窟に進み入った。岩窟の中は広く美しく、天国の宮殿のようであった。母娘は案に相違しながら狼に導かれて奥に進むと、そこには白髪異様の老人が美しい姫神とともに端座して狼に何事かささやいている。
母娘がよくよく見れば、三五教の宣伝使・天の目一つ神(北光神)と竹野姫の夫婦であった。黄金姫は、北光神夫婦がどうしてこのようなところに立て籠もっているのか尋ねた。
北光神は、神素盞嗚尊より猛獣を済度するようにと命じられたのだと答えた。竹野姫は、狼を使いとして母娘をここへ呼んだのは、イルナの国で大黒主の一派・右守のカールチンの陰謀を打ち破ってもらいたいためだ、と明かした。
イルナのセーラン王の一族を誘い出し、この狼の岩窟に一時かくまう必要があり、その役目を母娘に託したいのだという。母娘は任務を承諾した。
竹野姫は、任務中は狼の眷属が二人を守るであろうと告げた。また道中左守の娘・ヤスダラ姫の一行に会うだろうと告げ、一行中の竜雲に、北光神が岩窟で待っていると伝言してほしいと依頼した。
黄金姫母娘と北光神夫婦は互いに宣伝歌、和歌を交わして任務の成功を祈願した。黄金姫母娘は元来た道を引き換えし、狼の眷属に守られつつ峠を越えてイルナの都に進むことになった。
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02 11 〔1115〕
黄金姫一行とヤスダラ姫一行は、峠の麓で邂逅した。竜雲は姫をイルナの都に送っていく手助けをしてほしいと呼び掛けた。
黄金姫は、竜雲をはじめヤスダラ姫一行は一度、高照山の狼岩窟に隠れるようにと北光神の指示を告げた。自分たちはイルナの都に行き、セーラン王たち一行を連れて、後で岩窟に送っていくと使命を明かした。
竜雲は、ヤスダラ姫とリーダーを北光神のいる狼の岩窟に案内するため、高照山を目指して登って行った。
黄金姫と清照姫の母娘はイルナの都を指して峠を登っていく。
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02 12 〔1116〕
黄金姫母娘が峠を登りきると、右守の家老ユーフテスが、従者を連れて待っていた。ユーフテスはお告げにより、黄金姫母娘が来ることを知っていたのである。
ユーフテスはイルナの国の危機を救ってほしいと母娘に頼んだ。一行が話していると、下から騎馬隊が登ってきた。騎馬隊はシャールの手の者で、ヤスダラ姫を追ってきたのであった。ユーフテスは空とぼけて耳が聞こえないふりをした。
騎馬隊はヤスダラ姫一行を捜索していた。黄金姫と清照姫は、ヤスダラ姫らしき一行がイルナの都を指して峠を下って行ったと騎馬隊に空とぼけた。
騎馬隊をやり過ごし、黄金姫はヤスダラ姫は狼の岩窟に安全にかくまわれているとユーフテスに明かした。ユーフテスは、黄金姫母娘に狼の守護がついていると聞いてすっかりおびえてしまった。
黄金姫が自分たちは狼女母娘だとユーフテスをからかい、真に受けたユーフテスは短刀で母娘に切りかかったが、狼の声を聞いて恐ろしさにその場に倒れてしまった。
黄金姫に介抱されて元気を取り戻したユーフテスは、初めて黄金姫の心を悟り、頭を下げ両手を合わせてその親切を感謝し、二人の後に従って峠を下った。
ユーフテスは下りながら宣伝歌を歌った。自分は右守の家老と仕えながら、左守の娘セーリス姫への恋のために、主人の右守の企みに加担せず、王と左守一族を助けようと動いていることを歌った。
峠を下ると、先の右守の手先の騎士たちが弓をつがえて一行を待ち伏せていた。黄金姫は宣伝歌を歌いながら近くに進んだ。狼の声が聞こえると騎士たちの体は強直してしまった。
そこへ、テームス、レーブ、カルの三人は馬に乗ってやってきた。三人は副え馬を引いており、黄金姫と清照姫は馬に乗ってイルナの都に入場した。
ユーフテスは黄金姫に策を授けられ、強直した騎士たちを鎮魂して元に戻し、自分が右守の従臣であることを幸い、騎士たちと右守の館を目指した。
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03 13 〔1117〕
イルナの都のセーラン王の館の奥の間には、王をはじめ黄金姫、清照姫、テームス、レーブ、カルの六人が上下の座についてひそびそと話し合っていた。
信仰を問うた黄金姫に対し、セーラン王は国治立大神も盤古神王も大自在天も名称が違うだけであると信じていたと答えた。それに対して黄金姫は、盤古神王や大自在天は人類の祖先から生じた邪霊が憑依した神であり、一方国治立尊は本当のこの世の御先祖様であると諭した。
セーラン王は黄金姫母娘を、自分の祈願所に招いた。祈願所の神号は、天一神王国治立尊とあった。そしてその下に、教主神素盞嗚尊と記し、中央の両側に盤古神王と大国彦命と記されていた。
黄金姫母娘は、セーラン王の信仰を見て王の信仰の正しさを称えた。セーラン王は、バラモン教を信仰して国を治めていたが、ある夜の夢に神素盞嗚大神と、尊敬する鬼熊別命が現れ、さまざまの有難い教訓を示してくれたのだという。
それからは自分ひとり、神命にしたがった信仰に励んでいたと明かした。セーラン王が描いた神素盞嗚大神と鬼熊別の肖像に、母娘は感に打たれていた。
セーラン王は、鬼熊別から王に当てた密書を取り出し、黄金姫に恭しく渡した黄金姫が密書を開いて見ると、夫の筆跡で三五教が真の教えであることがしたためられていた。
そして神素盞嗚大神のはからいにより自分の妻子がイルナ国を訪問するから、共に善後策を講じ、右守の魔手を逃れてどこかへ一時避難するようにと王に忠告する内容であった。
王と黄金姫母娘は早速居間に戻ると、テームス、カル、レーブに命じて王を高照山の狼の岩窟に送っていくようにと命じた。四人は裏口から駒を引き出し、闇の中を急いで出立した。
黄金姫と清照姫は後に残った。
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03 14 〔1118〕
高照山の岩窟では主客五人が何事か話にふけっている。竜雲は神話をしつつ、北光神に問われてインドの国情を報告した。
続いてヤスダラ姫はこれまでの苦労を告白した。北光神と竹野姫は、ヤスダラ姫のこれまでの苦難をねぎらいつつ、これからの神界のための活動に向けた使命を諭し、勇気を与えた。
そこへ蹄の音が岩窟内に聞こえてきた。北光神はセーラン王の一行が到着したと、竜雲に出迎えを命じた。
本文
03 15 〔1119〕
竜雲はセーラン王を出迎え、北光神の指示にしたがって岩窟内の一室に案内し準備を整えている。
王が一室で控えていると、北光神が現れた。お互いに挨拶を交わし、王は岩窟に至る経緯を北光神に語った。
北光神は王に対して、望まない政略結婚でめあわされた政敵の娘・サマリー姫を、今後どうするつもりかと尋ねた。王はついに、サマリー姫は自分の意にそぐわず、元の許嫁であるヤスダラ姫と夫婦になれるのであれば、王の地位を捨ててもかまわないと北光神に告げた。
北光神は、天則違反の場合にはヤスダラ姫をあきらめるようにと釘をさし、王とヤスダラ姫を二人で面会させた。
本文
03 16 〔1120〕
いざ二人きりになると、ヤスダラ姫は思いのたけを王にぶつけ、自分とサマリー姫のどちらを取るか、王に迫った。
王は当惑して、ヤスダラ姫の誘惑が北光神の耳に入っていないかとあたりをうかがおうとしたとき、ヤスダラ姫は王の手を引いた。王は不意をつかれて倒れ、人事不省になってしまった。
ヤスダラ姫は狂気に陥り、懐剣を抜いて自害しようとした。リーダーはとっさに室内に入り、姫の剣を奪い、姫を叱咤して正気付かせた。その間に王は呻きながら蘇生した。
王とヤスダラ姫は、北光神は二人の心を見透かしていると観念し、何事も北光神の指示に任せることにした。王と姫は北光神への面会を依頼すべくリーダーを使者に立てた。
リーダーは王と姫の仲を茶化しながら、北光神の居間へ進んで行った。
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04 17 〔1121〕
右守の館では、カールチンとテーナ姫がユーフテスとヤスダラ姫の行方について話し合っている。ユーフテスは、ヤスダラ姫が高照山の岩窟に逃れる手引きの一端を担いながら、カールチン夫妻には姫の行方をごまかしていた。
カールチンは、ユーフテスの恋女がヤスダラ姫の妹セーリス姫であることに懸念を示した。ユーフテスは、セーリス姫は自分との恋を優先していると答えてカールチンを安心させた。
そこへマンモスがやってきて、セーラン王がにわかに病気となり、二三人の男女を側において、それ以外の者の面会を謝絶していると報告した。怪しんだカールチンは、ユーフテスに城内の偵察を命じた。
ユーフテスが行ってしまうと、マンモスはユーフテスへの懸念をカールチンに示した。カールチンは、念のために密かに二重調査を行うようマンモスに命じた。
ユーフテスはセーリス姫の居間に行き、大黒主の軍隊が来るのが一か月ほど遅れるという情報をもたらした。セーリス姫は黄金姫と清照姫にこれからの策を相談するべく、ユーフテスと共に二人を訪ねた。
セーリス姫は、ユーフテスが右守の重臣でありながら、自分と恋に落ちて協力者となっていると黄金・清照姫に紹介した。ユーフテスはあくまでカールチンの悪行を糺すためだと言い訳をした。
セーリス姫は、清照姫に変装してもらい、ヤスダラ姫のふりをして右守相手に一芝居を打ったらどうかと提案した。黄金姫、清照姫もそれは面白かろうと賛成した。
本文
04 18 〔1122〕
イルナ城の奥の間では、清照姫がヤスダラ姫への変装をしていた。黄金姫は、セーリス姫に三五教の教えの意味を説いて聞かせている。
その間に廊下に足音が聞こえてきた。黄金姫は王の間に姿を隠し、中から錠を下ろしてしまった。ヤスダラ姫に化けた清照姫とセーリス姫は、煙草盆を前に煙を吐いている。
やってきたのは、ユーフテスに先導されたカールチンとマンモスだった。清照姫は、ヤスダラ姫の声を作ってカールチンに声をかけた。
清照姫は、カールチンの妻テーナ姫がテルマン国にやってきて夫のシャールに讒言したことの怨みをぶちまけ、カールチンを非難した。そしてセーラン王との許嫁の仲を無理矢理割いたことについても非難し、怒鳴りつけた。
カールチンは怒って右守の権限でヤスダラ姫を捕縛しようとする。一方ヤスダラ姫(清照姫)は王の代行としてカールチンを捕縛せよと命令する。ユーフテス、マンモスは途方に暮れてしまう。
ヤスダラ姫(清照姫)は傲然として右守を威喝する。右守は怒ってヤスダラ姫(清照姫)をにらみつけている。そこへサマリー姫がやってきた。ヤスダラ姫(清照姫)は、これまでの怨みを晴らすはこのときと叫び、サマリー姫に襲い掛かろうとする。
右守は呼子を出して吹き、十数人の捕り手を呼び寄せたが、ヤスダラ姫(清照姫)は武者ぶりつく捕り手を振り払い、身構えして叱りつける。その権幕に捕り手たちも呆然として遠巻きにするのみであった。
黄金姫は、セーラン王の間から王のつくり声をして、一同に控えるように命じた。ヤスダラ姫(清照姫)はサマリー姫を離縁して自分を正妻にするようにとセーラン王(黄金姫)に頼み込んだ。
黄金姫はセーラン王の作り声で、バラモン教の大黒主にならって一夫多妻主義を取り、サマリー姫を正妻とし、ヤスダラ姫を第二夫人とすると言い渡した。そして右守に対し、改心すれば位を譲って自分は退位するつもりだから、自分の病気が回復したら改めて登城するようにと宣言した。
右守はこれを聞いて喜び勇み、マンモスとサマリー姫を連れて館に引き下がった。後に王の間から出てきた黄金姫は、清照姫、セーリス姫、ユーフテスらとともに笑い転げた。
本文
04 19 〔1123〕
右守のカールチンは、妻のテーナ姫と、マンモス、サモア姫、ユーフテスらの幹部連を引き連れて、茶室にて願望成就の前祝として酒を酌み交わしていた。
カールチンはよい機嫌に酔いつぶされて、テーナ姫やカールチン、マンモスを相手に管を巻いている。
そこへハルナの都から大黒主の信書がカールチンに届いた。信書には、イルナ国に派遣すべき軍隊二千騎は出せなくなったが、五百騎を遣わせるとあった。
カールチンは自分が酔いつぶれてしまっているので、代わりにユーフテスに大黒主の使者との謁見を命じたが、大黒主の使者はカルマタ国に急ぎの用があるとすでに出立してしまっていた。
本文
04 20 〔1124〕
ユーフテスはただちにセーリス姫に、大黒主からの援軍が五百騎やってくることを注進した。黄金姫、清照姫、セーリス姫の三人の密談により、ヤスダラ姫に化けた清照姫が右守と会談し、その五百騎を食い止める算段をすることになった。
ユーフテスは策を授けられ、右守の館に帰っていく。
本文
04 21 〔1125〕
カールチンは一人館の中で王の位についたら何から着手しようかと都合のよい考えにふけっていた。そこへユーフテスがあわただしく入ってきて、ヤスダラ姫がカールチンに恋をしてしまい、妹を通じて自分に面会を求めてきたと報告にした。
カールチンは真に受けて有頂天になり、ユーフテスについて城内を指していく。ユーフテスは舌を出しながらカールチンを先導する。
ユーフテスは高い石につまづいて倒れ、舌を噛んでしまい血を吐いて倒れてしまった。カールチンはヤスダラ姫のことで有頂天になり、ユーフテスが人事不省になっているのも気づかずに進んで行く。
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