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霊界物語あらすじ

説明を読む
ここに掲載している霊界物語のあらすじは、東京の望月氏が作成したものです。
まだ作成されていない巻もあります(55~66巻のあたり)
第44巻 舎身活躍 未の巻 を表示しています。
篇題 章題 〔通し章〕 あらすじ 本文
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01 00 - 本文
01 01 〔1170〕 本文
01 02 〔1171〕 本文
01 03 〔1172〕
バラモン軍は浮木が原に陣営を張り、ランチ将軍、片彦将軍、久米彦将軍が数多の軍勢を集めている。陣営の表門にはハル、テルの両人が守衛をしながら雑談にふけっている。
ハルとテルはこんな人殺しの子分として現世に罪を重ねさせられ、苦行で死んだ修行者の骨を崇めるバラモン教の矛盾をあげつらっている。両人は雑談のうちに、バラモン教を脱出して三五教に降参しようかと他愛もなく笑っている。
そこへ片彦将軍の近侍のヨルがやってきて、二人がバラモン教の悪口を言っていたことを怒鳴りつけた。二人はヨルに酒を飲ませてごまかそうとする。
ヨルは酔って本音を表し、実は自分もバラモン教に嫌気がさしており、三人で三五教に投降しようと持ちかけた。三人は駕籠を持ち出し、酔っ払ったヨルをテルとハルがかついで陣営を抜け出し、河鹿峠を登って行った。
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01 04 〔1173〕
河鹿峠の谷間の滝の前では、松公の部下であったイル、イク、サールの三人が雑談にふけっている。三人はくしくも松公が三五教の宣伝使治国別の弟であったことから三五教に投降した経緯を語り合っている。
そこへ武装した覆面の男が二人現れ、ランチ将軍の目付役だと名乗った。二人はイル、イク、サールを裏切り者として切りかかろうとしたが、そこへ谷道を登ってくる人声が聞こえてきた。
ヨル、テル、ハルの三人が、ランチ将軍の陣営を脱出して治国別に降参しようと駕籠をかついで登ってくる、その歌であった。ランチ将軍目付役のアリスとサムはこの歌を聞いて姿を隠してしまった。
やってきたヨル、テル、ハルを加えた六人は、祠の森の治国別のもとへ登って行った。
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01 05 〔1174〕
祠の前で見張りをしていた五十公は、イル、イク、サールたちがヨル、テル、ハルの新顔を連れてきたので治国別を起こした。治国別は早くも、バラモン教の落ち武者であろうと察している。
治国別は新客の三人に目通りするために、寝所を離れて祠の前にやってきた。ヨルは酔った勢いで調子に乗ってバラモン教を抜け出したいきさつを語り始める。テルとハルは治国別に投降と帰順を申し出た。治国別は三人の帰順を許した。
道公と伊太公は物音に目をさまし、祠の様子を見に行こうと掛け合いを始めた。純公、万公も目をさまし、治国別が行ったのだから大丈夫だと安眠を勧めた。五十子姫、玉国別も歌を歌い、ふたたび眠りについた。そうするうちに夜は明けてきた。
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01 06 〔1175〕
治国別、玉国別の一行は祠の前に集まって、ヨルからランチ将軍陣営についての情報を聞いている。ヨルによれば、バラモン軍は河鹿峠を突破することができないので、鬼春別将軍は久米彦将軍を伴いフサの国を渡ってエルサレムの黄金山に進軍する計画を立てているという。
五十子姫は神勅を伺おうと言って、自ら神主を申し出た。五十子姫の神掛かりにより国照姫命の神勅が下った。治国別の隊は黄金山に進んで鬼春別の別働隊を防ぎ、玉国別は河鹿峠に留まって国祖大神・豊国姫命の御舎を造り守るべし、との宣旨であった。
治国別は五人の供を連れて河鹿峠を出立した。一行は宣伝歌を歌いながら谷道を下って行く。
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01 07 〔1176〕
治国別の供人となった松公、竜公も述懐の歌を歌いながら山道を下って行く。一行六人はかなり大きな老樹の茂った山口の森にたどり着いた。夜露をしのごうと森の中に入り、古い祠の跡と見える台石の場所で夜を明かすことになった。
六人はそれぞれ述懐の和歌を歌い、蓑を布いて寝に就いた。
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02 08 〔1177〕
ここは大自在天を祀った祠であったが、いつとはなしに山神の祠と称えられるようになり、火災にあって再建する者もないままになっていた。
万公と晴公は言霊の効用について言い争いを始めた。晴公は万公にからかわれてやっきとなり、山口の森の夜の暗さを晴らそうと言霊を発したが、何も起こらなかった。
治国別は自分がひとつ神様に願ってみようと音吐朗々と天津祝詞を奏上し言霊を発すると、真っ黒な闇は薄らいで朧月夜のような明かりが漂った。治国別は言霊の効用があったことについて、神に感謝をささげた。
治国別は道(ことば)は万物の根源、造物主だと弟子たちに説いて聞かせた。万公の請いにより、治国別は言霊の詳細を道歌で示した。
高天原の天国に住む天人は、智性(神真の神智)と意志(神の善、神愛)とを有する。天人の生命は神の善である熱から来ている。信真の光と、愛善の熱が、天人の智性と意志、生命を形造っているのである。
信真の光と愛善の熱は、神界の光と熱に、それぞれ相応している。このことは、地上を守っている光と熱のはたらきを見ても、その道理を悟ることができるのである。光と熱は地上の万物を啓発し、残るくまなく生育するのである。
春と夏は、熱と光が相和す時期である。光も、熱がなければ万物を活動させることはできない。光のみで熱が和していない冬を見れば、そのことがわかる。高天原の天界は、熱と光の相応がある。これは地上の春季に当たる。
天地の太初に道(ことば)があった。道は神と共にあった。道はすなわち神である。万物はこれによって造られたのである。
道には清き生命があった。生命は人の光である。道は肉体となってわれらの間に宿っている。
道(ことば)というのは、聖言である。聖言は神真である。これは主神から来た光である。高天原において一切の力を保持するのは神真である。天人は神力を所受するのみならず、神力を治める器でもある。
天人はこの神力を有ゆえに、高天原の神光によって地獄界までをも制御することができるのである。
神真の中に力があって、すべてのものが造られた。かくも尊い神力が、神真のうちにあるのである。人間の中にある善と真の力、太陽の光と熱の力を見れば、この神の稜威を悟り得られるのである。
万公はこの道歌の意味を了解するにはもっと詳しく教えてほしいと請うが、治国別は、この歌を繰り返し繰り返し霊魂にしみこませれば、読書百遍おのずから通じると諭した。またあまり一時に与えると霊魂が食傷して腹痛下痢を起こすから、やめておこうと述べた。
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02 09 〔1178〕
晴公は、自分の言霊に神力が現れず万公に罵倒されたことを気に病み、治国別の言霊解説歌の真意を早く悟って見返してやろうと一睡もせずに両手を組んで考え込んでいた。
あたりはシンとして声もなく、物寂しさが刻々に身に迫ってきた。しばらくすると、はるかかなたに光明が輝きだしたのが見えた。晴公は自分の言霊がようやく効果を表したと得意になっていたが、光が近づいてくると、それは頭にろうそくを立てて金槌、五寸釘を持った鬼女であった。
鬼女は人に見られたことを覚ると、治国別一行に襲い掛かろうとした。治国別は寝たまま霊縛をかけると、鬼女は剣を振り上げたまま固まってしまった。
治国別は震えおののいている晴公をからかっている。松彦は、女は鬼ではなく、お百度参りをしている娘であることを見抜いて、身の上話を聞いた。聞けば、バラモン教のランチ将軍に両親が捕えられ、殺されたと聞いたため、その恨みを晴らすために丑の刻参りをしていたのだという。
女は、元はアーメニヤの生まれであったが、アーメニヤがバラモン軍に襲われた混乱のときに兄と生き別れになり、年老いた両親とライオン川のほとりで暮らしていたところ、三五教の黄金姫に諭されて改宗したと身の上話を語った。
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02 10 〔1179〕
女は自分は楓という名であり、父は珍彦、母は静子、別れた兄は俊というと明かした。治国別は、女の両親はきっと生きていて無事であろうと安堵させた。
晴公は楓の身の上話を聞いてふさぎ込んでいる。万公に問い詰められた晴公は、自分が楓の兄の俊であることを明かした。
兄妹は再会を果たし、二人はうれし涙に暮れた。楓は兄たち三五教の宣伝使一行に、両親を助けてくれるように頼みこんだ。
治国別は二人の再会を祝福し、両親の無事と再会を祈る宣伝歌を歌った。楓と晴公はそれぞれ述懐の歌を歌い、その他の供人たちも二人を励ます歌を歌った。治国別一行はふたたび眠りに就いたが、晴公と楓の兄妹は一睡もせずに涙と共にこれまでの物語を語り明かそうと森の外に立って行った。
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02 11 〔1180〕
晴公、楓の兄妹は久しぶりの再会に積もる話をしようと森の木の間の月影をたよりに二三町ばかり南へ進んで行く。
南方より三人の男が提灯をともしてやってくる。提灯の三つ葉葵のしるしを見て、兄妹はバラモン教の捕り手とわかり、大木の幹に姿を隠した。
三人の男はバラモン教軍の斥候であり、三五教の宣伝使に出会ったらひとたまりもないとびくつきながら、このあたりで最近噂の鬼娘の話に恐れおののいている。
また話の中に、晴公と楓の両親が三五教の杢助・黒姫宣伝使に間違われて捕えられ、人質として駕籠に乗せられて運ばれてくることも漏れ聞こえてきた。
三人の馬鹿話に晴公と楓は思わず吹き出してしまう。バラモン教の三人は、二人はてっきり人目を忍ぶ若夫婦だと思って姿を見せるように呼びかけたが、楓は鬼娘のふりをして、逆に三人を驚かせる。
そこへバラモン軍の後発隊十五六人が、二人の両親を駕籠に乗せてやってきた。一行が斥候隊の三人、アク、タク、テクから様子を聞いていると、森の中から宣伝歌が聞こえてきた。
不意を打たれたバラモン軍の一隊は、人質の駕籠を投げ捨ててバラバラと逃げて行った。
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02 12 〔1181〕
これは治国別の言霊歌であった。治国別は晴公と楓の両親を救うため、寝所から言霊歌を発射してバラモン軍を退けたのであった。
治国別は言霊を聞いて起きてきた万公、五三公、竜公、松彦四人に、森の中の二人を探しに行き、また駕籠が二挺あるから担いでくるようにと命じた。
晴公、楓の兄妹は、駕籠をかついだ万公らと共に帰ってきた。駕籠の中の人質を助け出すと、果たしてそれは兄妹の両親の珍彦、静子であった。晴公と楓は両親との対面がかない、治国別に感謝の言葉を述べる。
万公は親子対面のうれしさに調子はずれの宣伝歌を歌って喜びを表した。助け出された珍彦は、アーメニヤをバラモン軍が襲った騒動にまぎれて息子(晴公)と生き別れ、親子三人で逃げてきたところ、ライオン川のほとりで黄金姫一行に出会って三五教の神徳をいただき暮らしていた経緯を語った。
珍彦、静子、楓の三人がそのまま川のほとりで草小屋を作って暮らしていたところ、ランチ将軍の手下に三五教の斥候だと間違われて捕えられたのだという。
晴公は本名の俊彦を名乗って親子の対面を果たした。治国別は親子四人に手紙を持たせて、玉国別への使いとした。晴公はじめ四人は玉国別に面会し、河鹿峠の神殿造営の神業に携わることになった。
珍彦と静子の老夫婦は神殿のお給仕役となり、楓は五十子姫の侍女となった。神殿落成ののち、楓は斎苑館に落ち着き神の道を研究し、立派な宣伝使となった。
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02 13 〔1182〕
治国別は、玉国別への使いに出した親子四人を送り、互いに別れの挨拶として宣伝歌を交わした。晴公は述懐を歌い、治国別は師としての戒めを与えた。
珍彦、静子、楓は感謝の歌を歌い、宣伝使のお伴たちはそれぞれ晴公への別れの思いと、親子の無事を祈る歌を歌った。
互いに餞別の歌を交わし、一行は互いに別の道を行くことになった。
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02 14 〔1183〕
治国別は河鹿峠の山口まで送り届けた晴公親子と別れたのち、足を早めて山口の森に向かった。万公は足拍子を取りながら進軍歌を歌っている。
万公は若いころに両親に苦労をかけた身の上を歌い、自身の精進と両親に対していつか苦労に報いることができるようにと、述懐を歌っていた。
一方治国別は、霊界における霊国と天国の違いを歌に歌い、天人の様子とその責務を宣伝歌に歌った。
一行は楓に出会った山口の森まで戻ってきた。万公はここで再び野宿をしようと提案したが、治国別は浮木の森まで先を急ごうと発破をかけ、一行は南を指して進んで行った。
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03 00 - 本文
03 15 〔1184〕
一行が二十里ばかりも歩いてくると、傍らの森の中から騒々しい女の声が聞こえてきた。一行は何事かと息をひそめて近づいていく。
見れば森の中で五六人の荒男たちが、一人の女を捕えて打擲している。男たちはバラモン軍の手下であり、杢助の娘・初稚姫を捜索していた。女を尋問し、初稚姫に仕立てて捕えようとしていたのであった。
万公は助けだそうと歯ぎしりをしているが、どうしたことか治国別と松彦はこの様子を泰然として眺めている。
そうするうちに、女を尋問していた男たちはどうしたことか同士討ちを始めた。すると女は大きな白狐に変じて、森を後に逃げて行った。男たちはそのまま同士討ちを始めている。
この様子に万公たちはおかしさをこらえきれずに大声で笑いだした。この笑い声に驚いて、男たちは雲を霞と逃げて行った。
治国別はあれは白狐・月日明神であり、楓をバラモン教の捕り手たちから逃がすために身代わりとなってくれたのでだと説明した。一行はここで一夜を明かすことになった。
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03 16 〔1185〕
万公はうら寂しく、寝付かれずに一行の寝息をうかがいながら夜明けを待っている。このさびしい森でぐっすり寝ている連れの三人の肝の太さに感心し、我が身を省みて、言霊を打ち出してみることにした。
そうするうちに、五三公は幽霊の夢に驚いて目を覚ました。五三公は不安そうに治国別はちゃんとここに寝ているだろうかと万公に尋ねた。五三公と万公は寝られずに話を続けている。
すると少し離れたところで何かひそひそと人声が聞こえてきた。万公と五三公は口をつぐんで耳を傾けた。これはバラモン教の斥候、アク、タク、テクであった。三人は昨晩、鬼娘におどかされた後に、三五教の宣伝歌で追い散らされて恐ろしい目にあったとびくついている。
万公と五三公は、鬼の夫婦の真似をして三人を驚かせた。アク、テク、タクは腰が抜けてその場から動けなくなってしまった。そこへ月の光が照らして、一同の顔は互いに明らかになった。
万公と五三公は竜公と起こそうとしたが、どうしたわけか治国別と竜公の姿が見えない(治国別と竜公はこっそり浮木の森へ向かった。第47巻第1章を見よ)。代わりに起きてきたのは松彦であった。二人は松彦に、腰が抜けて動けなくなっているバラモン軍の三人を見せた。
松彦はアク、テク、タクの三人を安堵させて、一緒に話をするようにと打ち解けた。万公と五三公も三人を受け入れることとし、五三公はこの場のなごやかな空気に思わず愉快気に笑い出した。
この笑い声はあたりの陰鬱を破り、一同はにわかに陽気となって敵味方声をそろえて高笑いをした。今まで我が物顔にこずえを飛び交っていた猿どもは一度に声を潜めてしまった。
本文
03 17 〔1186〕
松彦が代理で宣伝使格となり、万公、五三公およびバラモン教のアク、タク、テクを含めた六人は、敵味方の壁を忘れて和気あいあいと笑いに興じだした。月はさえて森は昼のように明るくなってきた。
一同は打ち解けてしばらく滑稽な話に時間をついやした。すると闇の中から光のない薄青い火の玉がやってきた。松彦は火の玉に号令し、これは狸の火で、万公が狸狸とののしった言霊が現れたのだと言った。
万公は一生懸命鎮魂の姿勢を取ったが、火の玉から鬼女の顔が現れて、一同を大雲山に連れに来たのだと脅した。そのうちに怪物の姿は消えてしまい、あたりを見れば白い動物が一匹、森の中へ逃げて行く。
一同は化かされたことまた笑い興じた。これより、松彦は夜明けを待って五人をしたがえ、浮木の森を指して行った。
本文
03 18 〔1187〕
松彦一行は宣伝歌を歌いながら進んで行く。ここには河鹿川の下流があり、ライオン川に注いでいるという。かなり広い川に天然の川中の石を土台として一本橋が架けられている。橋を渡ってくる老女と少女があった。
万公が二人に声をかけると、老女はバラモン軍が村にやってきて村人を徴収するので皆逃げてしまい、橋を渡って小北山の神様の館に隠れていたのだという。そこが手狭になって断られたので、親子でここまで帰ってきたのだという。
婆が言うには、小北山の神様にも十曜の紋がついていて、国治立命様を祀っているのだという。松彦は、そこへよって様子を見たいといい、一行四人も賛成した。
かく小北山の様子について話していると、婆はアク、テク、タクの三人は先日、村へきて女を徴収していったバラモン軍の者だと気が付き、ものすごい権幕で怒鳴りつけて睨みつけた。
松彦がこの三人はもう改心したのだとなだめたが、婆はどうしても三人に土下座して詫びをさせねば済まぬと怒りが収まらない。アク、タク、テクの三人は逃げ出したが、アクは足をすべらせて川に落ち込んでしまった。
お寅というこの婆さんは、万公の首筋をぐっと引いた。娘の少女お菊も万公の足をさらえて、川端に倒してしまった。万公は助けを求めたが、他の者はみな、アクを助けようと駆け出している。
アクは下流に流れ着いて、何事もなく着物を絞っている。松彦たちが、万公がいないのに気が付いて振り向くと、万公は婆と少女に押さえられて責められている。
お寅婆さんによると万公は、お菊の姉のお里と無理矢理くっついて一年ばかり暮らしていたのだが、お里が難産で死んでしまった。するとこの万公は薄情にも逃げ出したのだという。
お寅とお菊は、娘の仇、姉の仇だと万公を打っている。松彦と五三公になだめられ、また万公は注意を受けて、ようやくお寅とお菊は万公を離した。万公は捨て台詞を残して逃げて行く。
お寅は追いかけようとするが、五三公になだめられる。お寅は、憎いやつではあるがたとえ一年でも娘の夫になっていた男だから、なんとか懲らして一人前の男にしてやりたい一心で手荒いことをしたのだ、と明かした。
五三公は親の恩に感心し、一本橋を渡って一行とともに小北山の霊場に急いた。
本文
03 19 〔1188〕
松彦は山道の傍らの大岩のそばに五人の従者を集めて話にふけっていた。そこへお寅とお菊がやってきた。お寅は万公が自分の長女をたぶらかして夫婦となり、子供を産ませたが母子は出産がもとで死んでしまった話を一同に話して聞かせた。
松彦は、万公は今は治国別という立派な先生の弟子だから、万公の改心については心配しないようにと諭した。お寅とお菊は帰って行った。
万公は一同にからかわれる。
本文
03 20 〔1189〕
一同はお寅とお菊を見送りながらそれぞれ歌を歌った。万公、五三公、アク、タクは万公の過去話を元にして脱線歌を歌っている。
松彦は先に立って歩きだした。五三公は一足一足坂道を登りながら、ふたたびお寅から聞いた万公の過去の悪行を肴にして滑稽な宣伝歌を歌った。
万公は負けぬ気になって負け惜しみの宣伝歌を歌うが、歌い終わりにへばってしまって休憩を提案した。松彦も休息を認め、一同は石に腰を下ろした。
本文
03 21 〔1190〕
松彦一行はしばらく休憩ののち、一丁ばかり急な坂を上り、細い階段を二百段ばかり上りつめると小北山神館の門口に着いた。そこには白髪の老人(文助)が机を前に据えて、白衣に白袴でキチンと座っていた。奥からはざわざわと祈念の声が聞こえてくる。
松彦は旅の者だと名乗り、老人に声をかけた。老人は目が見えないと言い、人に頼まれてこうして神様の絵を描いているのだという。
万公は絵を見て、松に黒い蛇がとぐろを巻いているというと、老人は、これは竜宮の乙姫様を描いたものだと怒った。松彦は、この者は少し気がふれているだと老人をなだめた。
老人が言うには、この広間は元はフサの国の北山村にあり高姫、黒姫が開いたものだという。しかし教祖の二人が三五教に入ってしまったために、総務をしていた蠑螈別が、魔我彦という弟子を連れてここにやってきて、小北山の神殿と名付けて開いたのだという。
蠑螈別はその体にたくさんの神様が入られるので、お酒の接待で忙しいのだという。松彦が御神名を尋ねると、老人は得意になってたくさんの神名をあげつらった。万公がでたらめさに茶々を入れるが、松彦がまた老人をなだめた。
老人は一行を連れてたくさん山の中に立っている神社に案内を始めた。急な坂道を登って行きいくつかの神社を案内した。万公がまた茶々を入れて老人の気を悪くしたが、松彦がなだめた。
老人は宿泊を勧めたが、一行は先を急ぐと言って去って行った。
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